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5.ふつつか者ですが、よろしくお願いします。
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「で、俺がそのオメガってこと?」
「そうだ」
俺が聞くと、トーニャはうなずいた。
「この国ではオメガを妃として迎えた王族は王位継承者から外される。オメガを王の妻にすることが許されないからだ。そして、俺は王太子である兄上に忠誠を誓っている。余計な火種を生まないためにも、オメガと結婚することで継承権を放棄したい」
「そうか。…って、理由になってねぇ!大体、オメガと結婚したいなら、この世界の住人と結婚すればいいだろっ!」
兄想いなのは分かったが、それに俺を巻き込むな。
「この世界に結婚できるオメガはいない。だから召喚という方法をとった」
「なるほど…」
俺が納得した顔を見せると、トーニャは即座に俺の腕を掴んだ。
「じゃあ、謁見に行くぞ。早く身支度を整えろ」
掴まれた手を振り払うと、ムッとされた。
「先程の話を全く理解していないようだな。結婚以外、お前に選択肢は無い」
「…あるんじゃないの、他に」
「オメガのお前はヒートを迎えたら、どうなると思う?自分で守れるのか、その身を。俺と結婚して、安全を手に入れることこそが賢い選択だろう」
…ぐうの音も出ない。勝手に召喚したくせに、こっちには逃げ道もないのか。
「どうする?俺と結婚するのか」
俺は途方に暮れ、うなだれた。
トーニャが俺を妃とするために召喚したということは奴の気が済むまでは元の世界に帰してさえ貰えないだろう。
逆を言えば、気が済んだら元の世界に戻れる可能性がある。
そうなると、俺の答えは1つしかない。
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
「そうだ」
俺が聞くと、トーニャはうなずいた。
「この国ではオメガを妃として迎えた王族は王位継承者から外される。オメガを王の妻にすることが許されないからだ。そして、俺は王太子である兄上に忠誠を誓っている。余計な火種を生まないためにも、オメガと結婚することで継承権を放棄したい」
「そうか。…って、理由になってねぇ!大体、オメガと結婚したいなら、この世界の住人と結婚すればいいだろっ!」
兄想いなのは分かったが、それに俺を巻き込むな。
「この世界に結婚できるオメガはいない。だから召喚という方法をとった」
「なるほど…」
俺が納得した顔を見せると、トーニャは即座に俺の腕を掴んだ。
「じゃあ、謁見に行くぞ。早く身支度を整えろ」
掴まれた手を振り払うと、ムッとされた。
「先程の話を全く理解していないようだな。結婚以外、お前に選択肢は無い」
「…あるんじゃないの、他に」
「オメガのお前はヒートを迎えたら、どうなると思う?自分で守れるのか、その身を。俺と結婚して、安全を手に入れることこそが賢い選択だろう」
…ぐうの音も出ない。勝手に召喚したくせに、こっちには逃げ道もないのか。
「どうする?俺と結婚するのか」
俺は途方に暮れ、うなだれた。
トーニャが俺を妃とするために召喚したということは奴の気が済むまでは元の世界に帰してさえ貰えないだろう。
逆を言えば、気が済んだら元の世界に戻れる可能性がある。
そうなると、俺の答えは1つしかない。
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
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