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第1章 初めましてカニさん
休日なにしてる?
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近くで見ると結構大きいカニと初の会話をしました。一言自己紹介をしたものの、この後どうすればいいのか分からない。そんな私を見かねたのか、泉が"立ち止まって喋ってもなんだし"と言って、泉を真ん中にして3人で並んで学校へ一緒に行くことになった。
「へぇー!タカアシくんってサッカー好きなんだ!」
「サッカー部に入る程じゃないけどね。」
泉とタカアシくんは、好きなことについて話しているらしい。なかなかシュールな絵だ。
一方、私は2人の会話を聞きながら黙って歩いてる。周りは普通に見えていたとしても、私にとって、タカアシくんはカニだからどう質問すればいいのか分からない。ヘラりと愛想笑いをしつつ、2人の会話に適当に相槌を打った。すると、気を使っているのか泉が私をタカアシくんの隣に引っ張った。私は、タカアシくんを見下ろした。タカアシくんはチラリとこちらを見た・・・気がする。
「・・・た、タカアシくん・・は、き、休日とか何して・・・ますか?」
「・・・なんで敬語?まぁ、いいけど・・・
休日は、散歩とかしてる、海を見に行ったりね。あとは、本屋に行ったりしてる。」
「そ、そうな・・んですか~。ほ、本好きな・・んですか?」
「うん。まぁね。」
(どうやって読むんだろう・・・)
自分でも驚いた。なぜに敬語・・・
焦って、こんな口調になったけど変な子に思われてないだろうか・・・。と、いうより海、見に行くのか。やっぱりカニだからなのか・・・。あと、本が好き。芹香にあとで報告するか、気は進まないけど・・・
本というテーマで泉とタカアシくんが話始めた。私はまた黙って歩いた。気づいたら学校に着いていて、下駄箱でタカアシくんと別れた。泉は少し残念そうにしていた。さっき、一緒に登校して1つ気づいたことがある。
「・・・タカアシくんって、結構、話やすいね。」
「あっ、それ私も思った!もっと素っ気ないんじゃないかと思ってた!イケメンな上に気さくって・・・。好感度上がるー!」
そう。タカアシくんは結構、おしゃべりだということが分かった。口数が多いわけではないが、別に人と話すのが嫌、というわけでは無さそうだ。
とりあえず、目標は達成できた。なんだか、今日はもう疲れた。はぁ、とため息をつくと泉が水野さんだ、と呟いた。
「水野さん・・・って、タカアシくんと付き合ってるっていう?」
「あくまで噂だよ?あ、ほら今タカアシくんの隣にいる子。やっぱキレーだなぁ。タカアシくんともお似合いだしー」
「ほんとだ・・・すっごい美人」
(カニの隣で微笑む美人・・・シュールだ。)
噂の水野さんは、黒髪でロングな美人だった。
お似合いかどうかは分からないけど・・・
なんとなく気まずかったので、2人を横目に私たちはそそくさと教室へと向かった。
今日もまた、授業は頭に入らなくてタカアシくんはどうやって本を読むんだろう、ということしか考えていなかった。そして、気づいたらお昼も、授業も終わっていて、放課後となっていた。泉によれば、お弁当を食べながらも上の空だったらしい。考えすぎは良くないよ、と言われてしまった。荷物を持って教室を出ると、ちょうどとなりのクラスから出てきたタカアシくんと鉢合わせた。泉は、ラッキー!と呟いた。
「タカアシくんも今から帰るの?良かったら一緒に帰らない?」
(泉、行動力あるなぁ・・・)
「いや、悪いけど下駄箱で待ち合わせてるから。」
「あー・・・そっか!残念だけど、また明日ね!」
泉はしゅんとした顔をしたが、すぐに笑ってそう言った。タカアシくんは、待ち合わせていると言った。その、待ち合わせている人はもしかして、
「・・・水野さん・・?」
「え?・・・水野がどうかした?」
(しまった、また声に出ちゃった・・・)
「あ、いや、なんでもない・・ですから!気にしないでください!あ、あははは・・・ま、また明日!行こう、泉!」
「え、あ、ちょっと!みちる!?」
タカアシくんに不審な目で見られたような気がするが、あの微妙な空気から早く脱出したくて泉の腕を引っ張って、下駄箱に走ろうと思った瞬間。足元から声をかけられた。
「ねぇ、海野さんは休日何してるの?」
「・・・え?」
「だから、休日何してるの?」
「あ、えっと、映画を見に行ったり・・してます。」
「そうか、ありがとう。また、明日。」
タカアシくんはそう言って、私たちの横を通り過ぎて、下駄箱へと続く階段を降りていった。
なんで、聞かれたんだろうか・・・。私が朝に聞いたから、そのお返し・・・とか?
よく分からないけれど、なんだか変な気持ちになった。
それは、タカアシくんに苗字を覚えて貰えてて嬉しかった気持ちなのか、待ち合わせの人についてモヤモヤした気持ちなのかは、今の私には分からなかった。
「へぇー!タカアシくんってサッカー好きなんだ!」
「サッカー部に入る程じゃないけどね。」
泉とタカアシくんは、好きなことについて話しているらしい。なかなかシュールな絵だ。
一方、私は2人の会話を聞きながら黙って歩いてる。周りは普通に見えていたとしても、私にとって、タカアシくんはカニだからどう質問すればいいのか分からない。ヘラりと愛想笑いをしつつ、2人の会話に適当に相槌を打った。すると、気を使っているのか泉が私をタカアシくんの隣に引っ張った。私は、タカアシくんを見下ろした。タカアシくんはチラリとこちらを見た・・・気がする。
「・・・た、タカアシくん・・は、き、休日とか何して・・・ますか?」
「・・・なんで敬語?まぁ、いいけど・・・
休日は、散歩とかしてる、海を見に行ったりね。あとは、本屋に行ったりしてる。」
「そ、そうな・・んですか~。ほ、本好きな・・んですか?」
「うん。まぁね。」
(どうやって読むんだろう・・・)
自分でも驚いた。なぜに敬語・・・
焦って、こんな口調になったけど変な子に思われてないだろうか・・・。と、いうより海、見に行くのか。やっぱりカニだからなのか・・・。あと、本が好き。芹香にあとで報告するか、気は進まないけど・・・
本というテーマで泉とタカアシくんが話始めた。私はまた黙って歩いた。気づいたら学校に着いていて、下駄箱でタカアシくんと別れた。泉は少し残念そうにしていた。さっき、一緒に登校して1つ気づいたことがある。
「・・・タカアシくんって、結構、話やすいね。」
「あっ、それ私も思った!もっと素っ気ないんじゃないかと思ってた!イケメンな上に気さくって・・・。好感度上がるー!」
そう。タカアシくんは結構、おしゃべりだということが分かった。口数が多いわけではないが、別に人と話すのが嫌、というわけでは無さそうだ。
とりあえず、目標は達成できた。なんだか、今日はもう疲れた。はぁ、とため息をつくと泉が水野さんだ、と呟いた。
「水野さん・・・って、タカアシくんと付き合ってるっていう?」
「あくまで噂だよ?あ、ほら今タカアシくんの隣にいる子。やっぱキレーだなぁ。タカアシくんともお似合いだしー」
「ほんとだ・・・すっごい美人」
(カニの隣で微笑む美人・・・シュールだ。)
噂の水野さんは、黒髪でロングな美人だった。
お似合いかどうかは分からないけど・・・
なんとなく気まずかったので、2人を横目に私たちはそそくさと教室へと向かった。
今日もまた、授業は頭に入らなくてタカアシくんはどうやって本を読むんだろう、ということしか考えていなかった。そして、気づいたらお昼も、授業も終わっていて、放課後となっていた。泉によれば、お弁当を食べながらも上の空だったらしい。考えすぎは良くないよ、と言われてしまった。荷物を持って教室を出ると、ちょうどとなりのクラスから出てきたタカアシくんと鉢合わせた。泉は、ラッキー!と呟いた。
「タカアシくんも今から帰るの?良かったら一緒に帰らない?」
(泉、行動力あるなぁ・・・)
「いや、悪いけど下駄箱で待ち合わせてるから。」
「あー・・・そっか!残念だけど、また明日ね!」
泉はしゅんとした顔をしたが、すぐに笑ってそう言った。タカアシくんは、待ち合わせていると言った。その、待ち合わせている人はもしかして、
「・・・水野さん・・?」
「え?・・・水野がどうかした?」
(しまった、また声に出ちゃった・・・)
「あ、いや、なんでもない・・ですから!気にしないでください!あ、あははは・・・ま、また明日!行こう、泉!」
「え、あ、ちょっと!みちる!?」
タカアシくんに不審な目で見られたような気がするが、あの微妙な空気から早く脱出したくて泉の腕を引っ張って、下駄箱に走ろうと思った瞬間。足元から声をかけられた。
「ねぇ、海野さんは休日何してるの?」
「・・・え?」
「だから、休日何してるの?」
「あ、えっと、映画を見に行ったり・・してます。」
「そうか、ありがとう。また、明日。」
タカアシくんはそう言って、私たちの横を通り過ぎて、下駄箱へと続く階段を降りていった。
なんで、聞かれたんだろうか・・・。私が朝に聞いたから、そのお返し・・・とか?
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それは、タカアシくんに苗字を覚えて貰えてて嬉しかった気持ちなのか、待ち合わせの人についてモヤモヤした気持ちなのかは、今の私には分からなかった。
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