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空き家
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フリッツの愛馬ヴァイスは、主人を失ったあの嵐の晩に自分自身で城へ帰っていた。
しっかりしているのかちゃっかりしているのか分からない美しい白毛に跨ったフリッツは、ヴァイスと対照的な青鹿毛に跨ったギルベルトと、国境近くへ向けて馬を走らせる。
走らせているので移動中の会話はなしで、アメリアについての詳しい説明は現場に着いてからしようと思っていた。
やがてフースとロシェの国境近くにある小さな町へ着いたのは陽が大分傾いた頃で、その頃には頭上の雲から雨粒が落ちつつあった。
「この街道なんだが……」
長時間馬を走らせてフリッツもギルベルトも鞍に腰を落とし、そこからは散策が始まる。
アメリアに手を引かれて導かれ、五百を数えた街道を今は愛馬に跨って通っている。
しかしその横にある鬱蒼とした森はあまりに深く、どこにアメリアの小屋があるのか分からなかった。
ましてやあの時は目隠しをされた状態で方向のわからない森の中を歩き、街道からの距離も時間の感覚もわからない。
「確か俺が確認したのはこっちだったな。迂闊に入り込むのも危険だが」
ギルベルトが部下と確認しにきた時は、大人数での捜索だったので人海戦術で小屋を探し当てたが、今は深い森を前に二人では心もとないのも事実だ。
雨の気配を含んだ空気が森の中を吹き抜け、ザワザワと黒い森が波打つ。
その中に姿の知らないアメリアの小さな影が、木立の中へ移動していった気がした。
「おい、フリッツ?」
トン、とフリッツがヴァイスの腹を軽く蹴って前進させ、臆することなく森へと分け入って行く。
真っ直ぐな背中を見てギルベルトが溜息をつき、そこで従弟を一人で行かせる彼でもないので、短剣を取り出すと樹の幹に印をつけながら自分もゆっくりとフリッツの後を追った。
「で、結局そのアメリア嬢はどこのどういう女なんだ?」
後方からギルベルトが声を飛ばし、ここなら大声で見知らぬ女の話をしても大丈夫だろうと、彼なりの判断で秘密の会話を始める。
「命の恩人だよ。理知的で冷静で、とても現実主義者で、男に気付かせないぐらいの優しさを見せる最高の女性だ」
アメリアの小さな影が見えたと思ったのは、やはりフリッツの思い込みが生んだ幻覚で、それでもここまで来たからには目的地を見つけなければ気が済まない。
雨脚は強くなっていて二人とも革のマントについたフードを目深に被っていた。
「命を救われたぐらいじゃ、そこまで本気にならないだろ? 体の関係もあるって少し言ってじゃないか。話せよ」
暫く沈静の森の中に雨が降りしきる音がし、前を行くフリッツの吐く息が白く後ろへ流れてゆくのが見える。
「……高熱を出して意識を失ってる俺に、跨ってきた女性だよ」
やがて聴こえて来た言葉にギルベルトは無言で瞠目し、その後にはばからず大声で笑い出した。
従兄がそういう反応をするのは分かっていたフリッツは、むすっとしながらもアメリアの小屋を探し、時折目を閉じたりして当時の記憶を思い出そうとしながら、雨に満ちた森を進む。
「最高だな。それで行方をくらませていた間、ずっと据え膳状態だったのか?」
「ずっとって言っても半分は寝込んでいたから、そういう事があったのは二回だ」
面白くなさそうな声で前をゆくフリッツが言い、ギルベルトはいよいよ表情筋が痛くなってきている。
「それで篭絡されたのか?」
「だからそういうんじゃない。……それもあるが、彼女の自立している性格が好きなんだ。俺に跨ってきたというのもちゃんと事情がある」
「それは――、あ、あれだ。あそこの木の幹に縛り付けてある赤い布。あの方向にあるぞ」
後ろからギルベルトが追い着いて指をさし、その方向の奥には確かに林立する幹に雨に濡れた赤い布が巻きつけられていた。
会話が途切れたのにも構わず、フリッツは目印がある方向へとヴァイスを急がせる。
頭上の暗雲が光り、ギルベルトが「おっ」と小さく声を出す。
この季節は天気が不安定で、雨が多い。
この長雨の時期が過ぎたらハーブ祭りがあるな、と思いながらアメリアに拾われたのもこんな天気の日なのだと思うと、体がうずく。
熱に浮かされた意識の中、どろどろに溶けた熱い体が重なってきて、それまで女性に跨られたことのないフリッツを一気に翻弄した。
冷静で強情な癖に、義理堅くて後になってからハッと気付かされる優しさがある。
守りたいと思うのに守らせてくれない女性なんて、後にも先にもアメリアだけだ。
出会いは単純かもしれないが、人生には思いも寄らない転機がその人のその後の人生を大きく変える魔力がある。
それが自分にとっては、この深い森に守られた純粋な少女がそうなのだ。
「あった……」
白い息を吐きながらフリッツが呟き、暗い森の奥に同化するようにある小さな小屋を目視した。
フリッツが想像していた小屋よりももっと簡素で、造りも簡単だ。
彼が夢想していた心が温かくなるような魔法の小屋は、現実は雨風を凌ぐのが目的で、外装の美しさなど考えていない粗末な小屋だった。
当然明かりは灯っておらず、そこに生活していたはずの主人ももうどこかへ行ってしまった。
「あ……」
更に近付いて、フリッツは胸が締め付けられる思いに陥る。
小屋のすぐ近くにある開けた場所。
彼女があの小さな手で懸命に耕したであろう畑が、無数の人の足跡や蹄の跡によって荒らされていた。
丹念に世話をされていただろう成長途中の作物も、今は力なく萎れて雨に打たれている。
「俺が……探せと命令したから、こうなったのか」
彼女が大切にしていたささやかで小さな世界を、土足で踏み荒らしてしまった。
それは今まで味わった事もない、祈りにも似た悔恨。
また天が光り、今度は先ほどよりも少し近い場所で稲妻が呻った。
「フリッツ、あまり長居はできないぞ! 大荒れになる。またお前に怪我をさせたとかいう事態にはしたくないからな!」
「わかってる!」
声を飛ばすギルベルトに返事をしてから、フリッツは馬を下りて駆け足で小屋に近付いた。
中に人はいないと分かっていても、雨に濡れたドアをノックして、心の中でアメリアに謝ってから、鍵すらついていない無用心な小屋に入り込んだ。
「あんなに慎重な子なのに、どうしてこんなにも無用心なんだ」
今まで空き巣に入られたことはなかったのか、と心配のあまり腹立たしくもなってくる。
「アメリア」
小屋の中はガランとしていて、それでも雨の匂いに混じって確かな彼女の匂いがした。
入ってすぐの棚にランプと火種があったのでそれを使い、小屋の中を照らしてみる。
油が燃える匂いもまた、あの数日間フリッツが嗅いだ『匂いの記憶』だった。
思ったよりもずっと狭く、物も必要最低限しかない。
自分とアメリアが体を重ねたベッドは思ったよりも小さい。
手袋を脱いだ手でそっと布団に手を伸ばし、顔をつけて香りを吸い込んでみると、今は懐かしいと思ってしまう彼女の匂いがする。
ここで。
この小さな小屋で自分は無償の優しさを与えられて、命を救われた。
献身的な介護を受けて、ぎこちない気持ちを向けられて、それを迎え入れようとして拒絶された。
食事をしたテーブルは二人掛けの小さなテーブルで、彼女の肉を感じて欲情したあのソファは、使い込まれているがとても柔らかくて居心地がいいのを、フリッツは知っている。
本棚は二つあり、そこには多岐に渡る彼女の興味が窺えた。
「アメリアって子はいないだろ?」
「ああ……」
いない。
そっと香る優しい香りを残して、思い出の空間を残して、彼女はどこかへ行ってしまった。
今頃、王宮のどこかにいるのだろうか?
王宮と言えば自分の膝元ではないか。
「ギル」
「なんだ?」
振り向いた従弟の目に真剣な光を見て、笑い上戸のギルベルトも真剣な面持ちになった。
「アメリアは恐らくフースの王宮にいる。だが俺はここで彼女に『見る』事を禁じられて、彼女の顔も知らないんだ。彼女の声と、匂いと、優しい手しか知らない」
「あと体な」
じろりとギルベルトを睨むと、彼は大きな上背を丸めるようにして「悪い」と謝った。
「頼む。俺は彼女に本気なんだ。アリー嬢には悪いが、俺は彼女を伴侶にしたいという気持ちはほとんどない。この先の選択肢がないのならアリー嬢を……、という気持ちだったが、アメリアという素晴らしい女性を見つけたからには、何が何でも彼女を手に入れたい。
彼女が言っていた事には、彼女は『いい身分』の両親を持つ混血らしい。王宮での仕事もそれなりの役を与えられたと思う」
詳細情報を与えられてギルベルトも顎に手をやって考え込み、暗闇の中でランプの光を受け、その青い目が知的に光る。
「しかし宮廷で働く女で混血と言っても、かなりの人数がいるぞ。この混血ばかりの地域で、純潔のフースは少ない。……そういう人間から弾いていくか」
「帰ったらやる事が多くなるな。だが、この事は秘密裏に」
「分かってる。あまり帰りが遅くなっても煩いから、もう戻るぞ。顔が赤いが大丈夫か? お前はすぐ風邪を引く体質なんだから、気をつけろ。俺が親父殿に叱られる」
「あぁ」
これ以上ここにいてもアメリアは戻って来ないのは分かっているので、二人は城へ戻ることにした。
帰り際、フリッツは本棚から赤い表紙の薄い詩集を一冊抜き取り、大切そうに懐にしまうのだった。
しっかりしているのかちゃっかりしているのか分からない美しい白毛に跨ったフリッツは、ヴァイスと対照的な青鹿毛に跨ったギルベルトと、国境近くへ向けて馬を走らせる。
走らせているので移動中の会話はなしで、アメリアについての詳しい説明は現場に着いてからしようと思っていた。
やがてフースとロシェの国境近くにある小さな町へ着いたのは陽が大分傾いた頃で、その頃には頭上の雲から雨粒が落ちつつあった。
「この街道なんだが……」
長時間馬を走らせてフリッツもギルベルトも鞍に腰を落とし、そこからは散策が始まる。
アメリアに手を引かれて導かれ、五百を数えた街道を今は愛馬に跨って通っている。
しかしその横にある鬱蒼とした森はあまりに深く、どこにアメリアの小屋があるのか分からなかった。
ましてやあの時は目隠しをされた状態で方向のわからない森の中を歩き、街道からの距離も時間の感覚もわからない。
「確か俺が確認したのはこっちだったな。迂闊に入り込むのも危険だが」
ギルベルトが部下と確認しにきた時は、大人数での捜索だったので人海戦術で小屋を探し当てたが、今は深い森を前に二人では心もとないのも事実だ。
雨の気配を含んだ空気が森の中を吹き抜け、ザワザワと黒い森が波打つ。
その中に姿の知らないアメリアの小さな影が、木立の中へ移動していった気がした。
「おい、フリッツ?」
トン、とフリッツがヴァイスの腹を軽く蹴って前進させ、臆することなく森へと分け入って行く。
真っ直ぐな背中を見てギルベルトが溜息をつき、そこで従弟を一人で行かせる彼でもないので、短剣を取り出すと樹の幹に印をつけながら自分もゆっくりとフリッツの後を追った。
「で、結局そのアメリア嬢はどこのどういう女なんだ?」
後方からギルベルトが声を飛ばし、ここなら大声で見知らぬ女の話をしても大丈夫だろうと、彼なりの判断で秘密の会話を始める。
「命の恩人だよ。理知的で冷静で、とても現実主義者で、男に気付かせないぐらいの優しさを見せる最高の女性だ」
アメリアの小さな影が見えたと思ったのは、やはりフリッツの思い込みが生んだ幻覚で、それでもここまで来たからには目的地を見つけなければ気が済まない。
雨脚は強くなっていて二人とも革のマントについたフードを目深に被っていた。
「命を救われたぐらいじゃ、そこまで本気にならないだろ? 体の関係もあるって少し言ってじゃないか。話せよ」
暫く沈静の森の中に雨が降りしきる音がし、前を行くフリッツの吐く息が白く後ろへ流れてゆくのが見える。
「……高熱を出して意識を失ってる俺に、跨ってきた女性だよ」
やがて聴こえて来た言葉にギルベルトは無言で瞠目し、その後にはばからず大声で笑い出した。
従兄がそういう反応をするのは分かっていたフリッツは、むすっとしながらもアメリアの小屋を探し、時折目を閉じたりして当時の記憶を思い出そうとしながら、雨に満ちた森を進む。
「最高だな。それで行方をくらませていた間、ずっと据え膳状態だったのか?」
「ずっとって言っても半分は寝込んでいたから、そういう事があったのは二回だ」
面白くなさそうな声で前をゆくフリッツが言い、ギルベルトはいよいよ表情筋が痛くなってきている。
「それで篭絡されたのか?」
「だからそういうんじゃない。……それもあるが、彼女の自立している性格が好きなんだ。俺に跨ってきたというのもちゃんと事情がある」
「それは――、あ、あれだ。あそこの木の幹に縛り付けてある赤い布。あの方向にあるぞ」
後ろからギルベルトが追い着いて指をさし、その方向の奥には確かに林立する幹に雨に濡れた赤い布が巻きつけられていた。
会話が途切れたのにも構わず、フリッツは目印がある方向へとヴァイスを急がせる。
頭上の暗雲が光り、ギルベルトが「おっ」と小さく声を出す。
この季節は天気が不安定で、雨が多い。
この長雨の時期が過ぎたらハーブ祭りがあるな、と思いながらアメリアに拾われたのもこんな天気の日なのだと思うと、体がうずく。
熱に浮かされた意識の中、どろどろに溶けた熱い体が重なってきて、それまで女性に跨られたことのないフリッツを一気に翻弄した。
冷静で強情な癖に、義理堅くて後になってからハッと気付かされる優しさがある。
守りたいと思うのに守らせてくれない女性なんて、後にも先にもアメリアだけだ。
出会いは単純かもしれないが、人生には思いも寄らない転機がその人のその後の人生を大きく変える魔力がある。
それが自分にとっては、この深い森に守られた純粋な少女がそうなのだ。
「あった……」
白い息を吐きながらフリッツが呟き、暗い森の奥に同化するようにある小さな小屋を目視した。
フリッツが想像していた小屋よりももっと簡素で、造りも簡単だ。
彼が夢想していた心が温かくなるような魔法の小屋は、現実は雨風を凌ぐのが目的で、外装の美しさなど考えていない粗末な小屋だった。
当然明かりは灯っておらず、そこに生活していたはずの主人ももうどこかへ行ってしまった。
「あ……」
更に近付いて、フリッツは胸が締め付けられる思いに陥る。
小屋のすぐ近くにある開けた場所。
彼女があの小さな手で懸命に耕したであろう畑が、無数の人の足跡や蹄の跡によって荒らされていた。
丹念に世話をされていただろう成長途中の作物も、今は力なく萎れて雨に打たれている。
「俺が……探せと命令したから、こうなったのか」
彼女が大切にしていたささやかで小さな世界を、土足で踏み荒らしてしまった。
それは今まで味わった事もない、祈りにも似た悔恨。
また天が光り、今度は先ほどよりも少し近い場所で稲妻が呻った。
「フリッツ、あまり長居はできないぞ! 大荒れになる。またお前に怪我をさせたとかいう事態にはしたくないからな!」
「わかってる!」
声を飛ばすギルベルトに返事をしてから、フリッツは馬を下りて駆け足で小屋に近付いた。
中に人はいないと分かっていても、雨に濡れたドアをノックして、心の中でアメリアに謝ってから、鍵すらついていない無用心な小屋に入り込んだ。
「あんなに慎重な子なのに、どうしてこんなにも無用心なんだ」
今まで空き巣に入られたことはなかったのか、と心配のあまり腹立たしくもなってくる。
「アメリア」
小屋の中はガランとしていて、それでも雨の匂いに混じって確かな彼女の匂いがした。
入ってすぐの棚にランプと火種があったのでそれを使い、小屋の中を照らしてみる。
油が燃える匂いもまた、あの数日間フリッツが嗅いだ『匂いの記憶』だった。
思ったよりもずっと狭く、物も必要最低限しかない。
自分とアメリアが体を重ねたベッドは思ったよりも小さい。
手袋を脱いだ手でそっと布団に手を伸ばし、顔をつけて香りを吸い込んでみると、今は懐かしいと思ってしまう彼女の匂いがする。
ここで。
この小さな小屋で自分は無償の優しさを与えられて、命を救われた。
献身的な介護を受けて、ぎこちない気持ちを向けられて、それを迎え入れようとして拒絶された。
食事をしたテーブルは二人掛けの小さなテーブルで、彼女の肉を感じて欲情したあのソファは、使い込まれているがとても柔らかくて居心地がいいのを、フリッツは知っている。
本棚は二つあり、そこには多岐に渡る彼女の興味が窺えた。
「アメリアって子はいないだろ?」
「ああ……」
いない。
そっと香る優しい香りを残して、思い出の空間を残して、彼女はどこかへ行ってしまった。
今頃、王宮のどこかにいるのだろうか?
王宮と言えば自分の膝元ではないか。
「ギル」
「なんだ?」
振り向いた従弟の目に真剣な光を見て、笑い上戸のギルベルトも真剣な面持ちになった。
「アメリアは恐らくフースの王宮にいる。だが俺はここで彼女に『見る』事を禁じられて、彼女の顔も知らないんだ。彼女の声と、匂いと、優しい手しか知らない」
「あと体な」
じろりとギルベルトを睨むと、彼は大きな上背を丸めるようにして「悪い」と謝った。
「頼む。俺は彼女に本気なんだ。アリー嬢には悪いが、俺は彼女を伴侶にしたいという気持ちはほとんどない。この先の選択肢がないのならアリー嬢を……、という気持ちだったが、アメリアという素晴らしい女性を見つけたからには、何が何でも彼女を手に入れたい。
彼女が言っていた事には、彼女は『いい身分』の両親を持つ混血らしい。王宮での仕事もそれなりの役を与えられたと思う」
詳細情報を与えられてギルベルトも顎に手をやって考え込み、暗闇の中でランプの光を受け、その青い目が知的に光る。
「しかし宮廷で働く女で混血と言っても、かなりの人数がいるぞ。この混血ばかりの地域で、純潔のフースは少ない。……そういう人間から弾いていくか」
「帰ったらやる事が多くなるな。だが、この事は秘密裏に」
「分かってる。あまり帰りが遅くなっても煩いから、もう戻るぞ。顔が赤いが大丈夫か? お前はすぐ風邪を引く体質なんだから、気をつけろ。俺が親父殿に叱られる」
「あぁ」
これ以上ここにいてもアメリアは戻って来ないのは分かっているので、二人は城へ戻ることにした。
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