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グリーン島 編
パラセーリング
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翌日は、ホテル近くの桟橋から高速船に乗って、約四十五分の距離にあるグリーン島へ向かった。
「海、綺麗~!」
冬なので水着を着て泳ぐのは無理だけれど、綺麗な海を見るとテンションが上がる。
グリーン島はグレートバリアリーフにある、周囲約1.6kmの小さな島だ。
ここではグラスボトムボートという、底がガラスになっているボートに乗ったり、ボートに引っ張ってもらって空に浮かぶパラセーリング、そしてダイビングなどを楽しむ予定だ。
何を隠そう、私と恵は過去に沖縄でダイビングを経験済みなので、一応初心者ではなかったりする。
グリーン島からは、ひらがなの「く」の字に桟橋が出ていて、その先端には水中観測室がある。
加えてそこからグラスボトムボートが発着するので、私たちはまずそちらへ向かった。
桟橋の先端には青い壁の建物があり、その中に入って階段を下りていく形になる。
室内には丸い窓がいくつもあり、そこからエメラルドグリーンの海や岩、珊瑚、小さめの魚の陰が見える。
壁には、ここからどんな魚が見えるかのパネルが貼られてあって、私たちはボードと水中の魚を見比べて楽しんだ。
そのあと、定時になり私たちはグラスボトムボートに乗った。
白い船体のボートには屋根と柱があり、壁のないタイプだ。
船の左右にベンチがあり、中央の床が「く」の字に盛り上がったガラス張りになっている。
ベンチの前には手すりがあり、身を乗り出してもガラスの上に倒れ込まずに済む。
加えて、ガラスに直接人の体重がかからないよう、金属のガードがあった。
なので、まるっと大きなガラスで船底が見える……、と思っていたイメージとは少し違った。
けれど、ゆったりと三十分かけてグリーン島の周囲をまわる間、色んな魚やウミガメを見る事ができた。
スケジュールはカツカツで、そのあとはいよいよパラセーリングだ。
「楽しみだね、朱里」
恵に言われた私は、彼女の後ろで菩薩のような笑みを浮かべている涼さんを見て、彼女の両肩を掴むと、クルリと回れ右させる。
「男女ペアだよ」
「マジか」
「ホラ! 野郎同士だと重たくて浮かばないから!」
「涼さんの体は超合金なんですか」
そんな感じでギャアギャアと騒ぎながら集合場所に向かうと、ムキムキのお兄さんたちが私たちに黄色いライフジャケットを渡してくれる。
荷物は事前に預けないとならず、残念ながらスマホで撮影はできない。
「ん? 尊さん、それは?」
「なんと、神のアイテムGoPro。これだけはOKなんだ」
「なんと奥さん!」
用意周到な尊さんに舌を巻いた私は、恵も涼さんに同じ物を見せられて、似た表情をしているのを確認した。
経験者、かつできる男はGoProなのである。
パラセーリングは二人乗りだけれど、一回につき複数人ボートに乗って、回を分けてみんなが楽しめる。
陽気なスタッフさんがボートを走らせ始め、私たちはドキドキして頬をかする潮風を受ける。
一回目は私と尊さんで、二回目は涼さんと恵。二人の厚意で、三回目に私と恵が乗ってもいい事になった。
「え~……、ちょっと恐い。どうしよう」
「大丈夫だって」
パラセーリングのシートに座った私たちの命を預かっているのは、一本のベルトだ。
ジェットコースターみたいに肩を押さえるのもなく、脚を入れるのもなく、腰を横断するベルトのみ。ベルトよ頼んだ。
ボートがある程度沖のほうまで向かったあと、スタッフさんがカウントダウンしてパラシュートを開いた。
ボートの後部は平らな台みたいになっていて、そこが発着所になっている。
「ふわーっ!」
靴が落ちないように裸足になった私たちは、みるみるボートや海面が遠くなっていくのを見守るしかない。
「尊さん、これ落ちない? 落ちない?」
「落ちんから落ち着け」
「おちち!」
「海、綺麗~!」
冬なので水着を着て泳ぐのは無理だけれど、綺麗な海を見るとテンションが上がる。
グリーン島はグレートバリアリーフにある、周囲約1.6kmの小さな島だ。
ここではグラスボトムボートという、底がガラスになっているボートに乗ったり、ボートに引っ張ってもらって空に浮かぶパラセーリング、そしてダイビングなどを楽しむ予定だ。
何を隠そう、私と恵は過去に沖縄でダイビングを経験済みなので、一応初心者ではなかったりする。
グリーン島からは、ひらがなの「く」の字に桟橋が出ていて、その先端には水中観測室がある。
加えてそこからグラスボトムボートが発着するので、私たちはまずそちらへ向かった。
桟橋の先端には青い壁の建物があり、その中に入って階段を下りていく形になる。
室内には丸い窓がいくつもあり、そこからエメラルドグリーンの海や岩、珊瑚、小さめの魚の陰が見える。
壁には、ここからどんな魚が見えるかのパネルが貼られてあって、私たちはボードと水中の魚を見比べて楽しんだ。
そのあと、定時になり私たちはグラスボトムボートに乗った。
白い船体のボートには屋根と柱があり、壁のないタイプだ。
船の左右にベンチがあり、中央の床が「く」の字に盛り上がったガラス張りになっている。
ベンチの前には手すりがあり、身を乗り出してもガラスの上に倒れ込まずに済む。
加えて、ガラスに直接人の体重がかからないよう、金属のガードがあった。
なので、まるっと大きなガラスで船底が見える……、と思っていたイメージとは少し違った。
けれど、ゆったりと三十分かけてグリーン島の周囲をまわる間、色んな魚やウミガメを見る事ができた。
スケジュールはカツカツで、そのあとはいよいよパラセーリングだ。
「楽しみだね、朱里」
恵に言われた私は、彼女の後ろで菩薩のような笑みを浮かべている涼さんを見て、彼女の両肩を掴むと、クルリと回れ右させる。
「男女ペアだよ」
「マジか」
「ホラ! 野郎同士だと重たくて浮かばないから!」
「涼さんの体は超合金なんですか」
そんな感じでギャアギャアと騒ぎながら集合場所に向かうと、ムキムキのお兄さんたちが私たちに黄色いライフジャケットを渡してくれる。
荷物は事前に預けないとならず、残念ながらスマホで撮影はできない。
「ん? 尊さん、それは?」
「なんと、神のアイテムGoPro。これだけはOKなんだ」
「なんと奥さん!」
用意周到な尊さんに舌を巻いた私は、恵も涼さんに同じ物を見せられて、似た表情をしているのを確認した。
経験者、かつできる男はGoProなのである。
パラセーリングは二人乗りだけれど、一回につき複数人ボートに乗って、回を分けてみんなが楽しめる。
陽気なスタッフさんがボートを走らせ始め、私たちはドキドキして頬をかする潮風を受ける。
一回目は私と尊さんで、二回目は涼さんと恵。二人の厚意で、三回目に私と恵が乗ってもいい事になった。
「え~……、ちょっと恐い。どうしよう」
「大丈夫だって」
パラセーリングのシートに座った私たちの命を預かっているのは、一本のベルトだ。
ジェットコースターみたいに肩を押さえるのもなく、脚を入れるのもなく、腰を横断するベルトのみ。ベルトよ頼んだ。
ボートがある程度沖のほうまで向かったあと、スタッフさんがカウントダウンしてパラシュートを開いた。
ボートの後部は平らな台みたいになっていて、そこが発着所になっている。
「ふわーっ!」
靴が落ちないように裸足になった私たちは、みるみるボートや海面が遠くなっていくのを見守るしかない。
「尊さん、これ落ちない? 落ちない?」
「落ちんから落ち着け」
「おちち!」
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