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予期せぬ来訪者 編
いつでも頼ってください
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二人してちょっと笑ったあと、尊さんは大きな溜め息をついた。
《……でも、何もなくて本当に良かった。……マジでビビった》
最後は真剣に言われ、私は神妙な面持ちになる。
「心配させてごめんなさい」
《……いや。帰ってきたら家の前にいたんだろ? 朱里は悪くない》
そう言ったあと、尊さんは少し考えるように沈黙してから言った。
《それで、田村クンとは改めていつ会う予定だ?》
「日曜日の昼間にカフェで会う事にしました。週末はイチャイチャする予定だったのに、ごめんなさい」
《いや、いい。何だってイレギュラーを考えておかないとだし。しかし……》
尊さんはまた溜め息をつく。
私はなんとなく決まり悪くなり、ソファの上で正座をする。
《田村クンと会う時、俺も行っていいか?》
「え?」
まさかそうくるとは思わず、私は思わず声を上げる。
けれどそうしてもらったほうが安心だと思って、すぐ頷いていた。
「はい! ぜひ」
《俺、先に店に入って大人しくしてるから、とりあえず二人で話してくれ。何かあった時のための保険だと思ってほしい》
「はい。めっちゃ心強いです」
そこまで話したあと、尊さんは大きめの溜め息をついた。
《……悪かったな。前に六本木で彼とすれ違った時、つい嫉妬して彼と相良さんの仲がどうなってもいいと思って、爆弾放り投げた。……あれで別れるだろうと思って、俺自身も恋敵に一矢報いられたし、当時の朱里もスッキリしたと思ってた》
確かに、めっちゃスッキリした。
《……でも彼が破れかぶれになって、朱里に向かってくる事まで考えていなかったかもしれない。……いや、何かあったら守るつもりでいたけど、まさかマンションに入り込むとは……》
彼はかなり自己嫌悪に陥ってるみたいで、私は慌ててフォローする。
「そこ、尊さんが反省するところじゃないでしょう。確かにあれでスカッとしました。でも、そのあと別れるか継続して付き合っていくかは、二人の問題です。二十代後半っていったら、恋愛経験のある人はめちゃくちゃ経験しています。加代さんは色々手広くやっていたほうでしょうし、二人の出会いがどこから始まったのかは知りませんが、昭人もそんな彼女に惹かれて結婚しようと思った。……でも、加代さんが何をしていたのか見抜けなかったのは、昭人の責任です。そこまで尊さんが責任を負う必要はないんです」
私は、自分が言った事は、あながち間違えていないと思っている。
確かに尊さんの言葉がきっかけになったかもしれないけど、人生、人間関係にヒビが入る事って何回もある。
ずっと付き合っていける友達がどんどん増えていくのではなく、新しく知り合ってはどんな人か知って、「やっぱり合わない」とお別れする事だって沢山ある。
学生から大人、結婚してから、子供ができてから、それぞれのステージで新しい人と知り合い、様々な付き合いをして別れる人が出てくるのは当たり前だ。
それにいちいち責任を感じていたら、身が持たない。
「ぶっちゃけ、不倫してた加代さんが悪いですし、彼女さえ身綺麗だったら別れなかったと思います。それに真実を知っても、二人が愛し合っていたなら結末は違っていた。だから、その辺は本当に向こうの問題で、こっちは知ったこっちゃないんです」
鼻息荒く言うと、尊さんはクスッと笑った。
《サンキュ》
ちゃんと彼を慰められたと思った私は、どや顔で胸を張る。
「いつでも頼ってください。泣きたい時は胸を貸しますよ」
《胸を貸してもらうのに、朱里ポイント貯めねぇとな》
「やだ。尊さんだったら、めっちゃポイ活してすぐに高ポインターになりそう」
《ポイントサイト越しの高額買い物も辞さないし、毎日一万歩は歩く》
「あははは! ガチのやつだ!」
《そんでもって、高品質の朱里サービスをじゃんじゃんしてもらいてぇな。使う時はポイントを湯水のように使ってやる》
「んひひひひ」
私は笑いすぎて変な声を漏らし、ソファの上に転がる。
尊さんと軽口を叩き合える事自体が楽しいし、彼がポイ活してると考えるだけで、おかしくて堪らない。
「……尊さんって、リアルのポイント貯めてます?」
《ん? 結構やってる。時間や手間の掛からないタイプなら、普通にやってるよ。羽鳥カードを使っての、羽鳥マーケットで買い物とか、銀行口座、投資とか、ふるさと納税とか》
マスコットキャラのはとりんで有名な、大手ECサイトの名前が出て、私はうんうんと頷いた。
「そうだ。都市伝説のブラックカードって持ってます?」
《都市伝説なんだ……。や、普通に羽鳥のブラックは持ってるけど》
「凄い! さすが速水クオリティ」
私は反射的に変な事を口走っていた。
《……でも、何もなくて本当に良かった。……マジでビビった》
最後は真剣に言われ、私は神妙な面持ちになる。
「心配させてごめんなさい」
《……いや。帰ってきたら家の前にいたんだろ? 朱里は悪くない》
そう言ったあと、尊さんは少し考えるように沈黙してから言った。
《それで、田村クンとは改めていつ会う予定だ?》
「日曜日の昼間にカフェで会う事にしました。週末はイチャイチャする予定だったのに、ごめんなさい」
《いや、いい。何だってイレギュラーを考えておかないとだし。しかし……》
尊さんはまた溜め息をつく。
私はなんとなく決まり悪くなり、ソファの上で正座をする。
《田村クンと会う時、俺も行っていいか?》
「え?」
まさかそうくるとは思わず、私は思わず声を上げる。
けれどそうしてもらったほうが安心だと思って、すぐ頷いていた。
「はい! ぜひ」
《俺、先に店に入って大人しくしてるから、とりあえず二人で話してくれ。何かあった時のための保険だと思ってほしい》
「はい。めっちゃ心強いです」
そこまで話したあと、尊さんは大きめの溜め息をついた。
《……悪かったな。前に六本木で彼とすれ違った時、つい嫉妬して彼と相良さんの仲がどうなってもいいと思って、爆弾放り投げた。……あれで別れるだろうと思って、俺自身も恋敵に一矢報いられたし、当時の朱里もスッキリしたと思ってた》
確かに、めっちゃスッキリした。
《……でも彼が破れかぶれになって、朱里に向かってくる事まで考えていなかったかもしれない。……いや、何かあったら守るつもりでいたけど、まさかマンションに入り込むとは……》
彼はかなり自己嫌悪に陥ってるみたいで、私は慌ててフォローする。
「そこ、尊さんが反省するところじゃないでしょう。確かにあれでスカッとしました。でも、そのあと別れるか継続して付き合っていくかは、二人の問題です。二十代後半っていったら、恋愛経験のある人はめちゃくちゃ経験しています。加代さんは色々手広くやっていたほうでしょうし、二人の出会いがどこから始まったのかは知りませんが、昭人もそんな彼女に惹かれて結婚しようと思った。……でも、加代さんが何をしていたのか見抜けなかったのは、昭人の責任です。そこまで尊さんが責任を負う必要はないんです」
私は、自分が言った事は、あながち間違えていないと思っている。
確かに尊さんの言葉がきっかけになったかもしれないけど、人生、人間関係にヒビが入る事って何回もある。
ずっと付き合っていける友達がどんどん増えていくのではなく、新しく知り合ってはどんな人か知って、「やっぱり合わない」とお別れする事だって沢山ある。
学生から大人、結婚してから、子供ができてから、それぞれのステージで新しい人と知り合い、様々な付き合いをして別れる人が出てくるのは当たり前だ。
それにいちいち責任を感じていたら、身が持たない。
「ぶっちゃけ、不倫してた加代さんが悪いですし、彼女さえ身綺麗だったら別れなかったと思います。それに真実を知っても、二人が愛し合っていたなら結末は違っていた。だから、その辺は本当に向こうの問題で、こっちは知ったこっちゃないんです」
鼻息荒く言うと、尊さんはクスッと笑った。
《サンキュ》
ちゃんと彼を慰められたと思った私は、どや顔で胸を張る。
「いつでも頼ってください。泣きたい時は胸を貸しますよ」
《胸を貸してもらうのに、朱里ポイント貯めねぇとな》
「やだ。尊さんだったら、めっちゃポイ活してすぐに高ポインターになりそう」
《ポイントサイト越しの高額買い物も辞さないし、毎日一万歩は歩く》
「あははは! ガチのやつだ!」
《そんでもって、高品質の朱里サービスをじゃんじゃんしてもらいてぇな。使う時はポイントを湯水のように使ってやる》
「んひひひひ」
私は笑いすぎて変な声を漏らし、ソファの上に転がる。
尊さんと軽口を叩き合える事自体が楽しいし、彼がポイ活してると考えるだけで、おかしくて堪らない。
「……尊さんって、リアルのポイント貯めてます?」
《ん? 結構やってる。時間や手間の掛からないタイプなら、普通にやってるよ。羽鳥カードを使っての、羽鳥マーケットで買い物とか、銀行口座、投資とか、ふるさと納税とか》
マスコットキャラのはとりんで有名な、大手ECサイトの名前が出て、私はうんうんと頷いた。
「そうだ。都市伝説のブラックカードって持ってます?」
《都市伝説なんだ……。や、普通に羽鳥のブラックは持ってるけど》
「凄い! さすが速水クオリティ」
私は反射的に変な事を口走っていた。
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