【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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北海道旅行 編

大浴場

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「ちょっと大浴場見てみていいですか? 部屋の露天はご飯のあとにゆっくり入るとして、今は色々見てみたいです」

「そうするか」

 私たちはラウンジを出て一旦部屋に戻り、洗面グッズを手にしてからエレベーターに乗った。

 エレベーターには木製の板に館内案内が描かれてあった。

 宿はぬくもり館とふるさと館に分かれていて、私たちが泊まっているのはふるさと館の最上階の八階だ。

 大浴場はぬくもり館の三階と四階にあり、地下一階にも露天風呂や岩盤浴があり、エステサロンもあるらしい。

「本当はエステを受けさせてやりたかったけど、一泊だと思ってるより時間がねぇからな……。夕食後の時間はアレだし、チェックインしてから夕食までの時間に、すぐエステっていったら、他のところを見る時間がなくなるしで……。迷ったんだが」

〝アレ〟と言われて私はサッと頬を染め、誤魔化すように明るく言う。

「気にしないでください。こんな立派なところに連れてきてもらえただけで、本当にありがたいです」

 胸の前で手を振ると、尊さんは微笑んで私の頭を撫でてきた。

「朱里って食以外に関して無欲だよな」

「食以外って! 食がちゃんとワンカウントされてる!」

 思わず突っ込むと、尊さんはケラケラ笑う。

「こう見えても私は強欲なんですからね。色んな欲がムラムラと……」

 言ってしまってから、「あ、言い方まずかった」と後悔する。

 それを知ってか知らずか、尊さんは私の顔を覗き込むとニヤリと笑った。

「エステティシャン速水が極上のマッサージをするから、それで満足してくれ」

「う……、うぅ……」

 彼の言葉になんと返事をすればいいか迷っていると、エレベーターは四階で止まった。

 看板に従って歩いていくと、青い暖簾が見えた。

「お、四階が男湯みたいだな」

「じゃあ私、階段で下行きます。終わったらご飯になるでしょうし、お風呂から上がったら荷物を置いて、一階の売店とかで落ち合いましょう」

「オッケ」

 そのあと、私は尊さんと別れて階段を下り、三階の女湯に向かった。

 脱衣所はとても広く、清潔感がある。

 家族連れが多いなか、私は貴重品と着替えをロッカーに入れて服を脱ぎ、髪をクリップで纏める。

 入ってすぐ洗い場があり、その奥に浴槽があるみたいだ。

 洗い場はちゃんと仕切りがあり、シャワーが隣の人に掛からないようになっている。割とやりがちなので、これはありがたい。

(温泉旅行は尊さんと来たかったってのあるけど、大浴場に一人で来ると『恵がいれば良かったな』って思っちゃうな。……っていうかやっぱり、涼さんを巻き込んでグループデート?)

 ついそう考えてしまうけれど、女性に興味がない涼さんには苦痛なのかな?

(まず、会って話してみないとどんな人か分からないよね)

 考えながら私はシャワーで体を流し、持参した『ラ・カスタ プロフェッショナル』のサンプルで髪を洗い始める。

 いつも通っている美容室でおすすめしているメーカーで、美容師さんの推しは『ラ・カスタ』の他は『テモイ』らしい。

(そういえば、以前にSNS見てたら、美髪の人が『外出がなかったら二、三日に一度しか髪を洗わない』って言ってたな)

 美容師さんいわく、髪は濡らすとキューティクルが開いて栄養が逃げるので、濡らすたびにトリートメントで栄養を補充し、さらに熱対応のアウトバストリートメントを使ってケアしないとならないそうだ。

 ぶっちゃけ、『濡らさなければ栄養は逃げないので、理に適ってる』みたいなので、あとは個人の問題だ。

 私も背中の真ん中ぐらいまでのロングヘアで、ヘアケアには割と気を遣っている。

 髪についてのこだわりを考えつつシャンプーを終えてトリートメントをし、馴染ませている間に、ジョー・マローンのボディソープのサンプルを使って体を洗う。

 家からデリケートゾーン専用のソープも持ってきたので、周囲を気にしつつそれで丁寧に秘部を洗う。

 トリートメントを流したあと、『カネボウ』のスクラビングマッドウォッシュで顔を洗い、お楽しみの浴槽に向かった。

(おお……、思っていたより凄く広い)

 パッと見える限り三、四つぐらいは○○の湯がある。

 さらに奥には露天風呂もあって、それぞれの浴槽で家族連れや友達づれ、お一人様がのんびり温泉に浸かっていた。
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