397 / 778
ゴールデンウィーク 編
ラビティーランド
しおりを挟む
やがてGWなので三十分アーリーでゲートが開く事になり、私たちはさらにホテルに宿泊する特典で十五分早く入る事ができた。
「わあああ……! ワクワクする! どうしよう! アドレナリンジュバー!」
早まって走ってしまいたくなるけれど、私たちはあえてしずしずと歩いていく。
コミケでスタッフの人が「走らないでください!」と言っているのをテレビで見たからか、こういう場所では走ってはいけないという決まりが頭に叩き込まれている。
「一番待ち時間の長いやつからにしない?」
恵が言い、尊さんが頷く。
「だな。プレミアパスも買ったけど、早めに攻めてこーぜ」
プレミアパスは、有料だけれど人気のアトラクションを時間指定して乗れるサービスで、本来なら二百分待ちのところ、三十分待ちとかで乗れる事ができるし、パレードをいい席で見られるなどもある。
尊さんはお金にものを言わせて、プレミアパスを買ってくれたみたいだ。
ちなみに事前にレストランも予約しているので、ぬかりがない。
勿論、すべてラビティーランドの公式アプリをインストールした上での事だ。
あまりに慣れてるので「プロですか?」と聞いたけど、「せっかくのデートで失敗できねぇから、めちゃ調べた」らしい。
勿論、アプリを沢山使う事を見越して、モバイルバッテリーも持っている。
そのあと、ランド特有のメルヘンチックな世界観を楽しみ、何枚も記念写真を撮りつつ、アトラクションを楽しんでいった。
ちなみに私も恵も、世界観と遊園地的アトラクションを楽しみたいタイプで、キャラクターとの写真撮影やショーはそれほどという意見で纏まっている。
尊さんと涼さんは私たちに合わせてくれる感じなので、ほぼ私たちの希望通り楽しむ事ができた。
最初は『美女と野獣』のアトラクションに乗り、ゆったり動くカップ型の乗り物に乗り、お話の世界観に没入した。
私たちがアトラクションを楽しんでいる間も、尊さんは時間を確認して次のプレミアパスを取得している。……ありがとうございます。
いつも彼は高級腕時計をしているけれど、今日はスマートウォッチをつけて、六十分を測りながら行動していた。申し訳ない。
そのあとは宇宙戦争な映画を体感するスペースツアーズに行き、コアラ型の宇宙人、スティックのシアター型アトラクションを楽んだあと、ハッピーマックスのウキウキライドに乗った。
その時点でお昼になったので、私たちは一旦お土産屋さんが並ぶセントラルバザールに向かい、予約していたイタリアンのお店で、前菜、パスタ、お肉、デザートに飲み物とパンがつくコースを食べた。
キャラのついた料理ではなく、普通の高級そうなレストランで出てくる雰囲気の料理だけれど、お店の内装も落ち着いていながら、壁に絵皿が飾ってあったりでとても可愛い。
料理は綺麗で美味しいし、私と恵はキャーキャー言いながら写真に撮り、美味しくいただいた。
そのあとは船に乗ってジャングルを楽しみ、カリブ海の海賊たちに襲われる雰囲気を味わう。
お目当ての一つであるビッグボルケーノマウンテンに乗って絶叫したあと、ウェーブマウンテンで丸太のボートに乗ってまた絶叫する。
その頃には尊さんは真顔になっていて、「老いを感じるな……」と呟いていた。
ぐるりと回って最後にホーンテッドハウスに行ったあと、特等席でパレードを見るために歩いていった。
無事、パレードが来る前に番号が書かれてあるところに着いて待機している間、私は疲れ切って恵と一緒に座り込む。
「よく遊んだな。……俺、すげぇ久しぶりだわ」
地面に胡座をかいた尊さんが溜め息をついて言い、後ろの人の邪魔にならないようにキツネの耳がついた帽子をとる。
私たちはラビティーのカチューシャをつけているけれど、男子組は抵抗があったのか帽子だ。
「たまにはいいんじゃないですか? 童心に返ったって事で」
「……だな。あんまりこういう所で遊ぶタイプじゃなかったから、いい経験になったわ」
言われて、彼が友達とランドどころじゃなかったのを思い出し、私はポンポンと彼の背中を叩く。
「悪い、変な空気にした」
「いえいえ、いいんですよ。いま楽しいならそれが一番」
ニコッと笑うと、尊さんは安心したように微笑み、私の手をそっと握ってくる。
一日遊んだなかで恵と涼さんもかなり距離が詰まったみたいで、入園前の雰囲気はもうない。
「わあああ……! ワクワクする! どうしよう! アドレナリンジュバー!」
早まって走ってしまいたくなるけれど、私たちはあえてしずしずと歩いていく。
コミケでスタッフの人が「走らないでください!」と言っているのをテレビで見たからか、こういう場所では走ってはいけないという決まりが頭に叩き込まれている。
「一番待ち時間の長いやつからにしない?」
恵が言い、尊さんが頷く。
「だな。プレミアパスも買ったけど、早めに攻めてこーぜ」
プレミアパスは、有料だけれど人気のアトラクションを時間指定して乗れるサービスで、本来なら二百分待ちのところ、三十分待ちとかで乗れる事ができるし、パレードをいい席で見られるなどもある。
尊さんはお金にものを言わせて、プレミアパスを買ってくれたみたいだ。
ちなみに事前にレストランも予約しているので、ぬかりがない。
勿論、すべてラビティーランドの公式アプリをインストールした上での事だ。
あまりに慣れてるので「プロですか?」と聞いたけど、「せっかくのデートで失敗できねぇから、めちゃ調べた」らしい。
勿論、アプリを沢山使う事を見越して、モバイルバッテリーも持っている。
そのあと、ランド特有のメルヘンチックな世界観を楽しみ、何枚も記念写真を撮りつつ、アトラクションを楽しんでいった。
ちなみに私も恵も、世界観と遊園地的アトラクションを楽しみたいタイプで、キャラクターとの写真撮影やショーはそれほどという意見で纏まっている。
尊さんと涼さんは私たちに合わせてくれる感じなので、ほぼ私たちの希望通り楽しむ事ができた。
最初は『美女と野獣』のアトラクションに乗り、ゆったり動くカップ型の乗り物に乗り、お話の世界観に没入した。
私たちがアトラクションを楽しんでいる間も、尊さんは時間を確認して次のプレミアパスを取得している。……ありがとうございます。
いつも彼は高級腕時計をしているけれど、今日はスマートウォッチをつけて、六十分を測りながら行動していた。申し訳ない。
そのあとは宇宙戦争な映画を体感するスペースツアーズに行き、コアラ型の宇宙人、スティックのシアター型アトラクションを楽んだあと、ハッピーマックスのウキウキライドに乗った。
その時点でお昼になったので、私たちは一旦お土産屋さんが並ぶセントラルバザールに向かい、予約していたイタリアンのお店で、前菜、パスタ、お肉、デザートに飲み物とパンがつくコースを食べた。
キャラのついた料理ではなく、普通の高級そうなレストランで出てくる雰囲気の料理だけれど、お店の内装も落ち着いていながら、壁に絵皿が飾ってあったりでとても可愛い。
料理は綺麗で美味しいし、私と恵はキャーキャー言いながら写真に撮り、美味しくいただいた。
そのあとは船に乗ってジャングルを楽しみ、カリブ海の海賊たちに襲われる雰囲気を味わう。
お目当ての一つであるビッグボルケーノマウンテンに乗って絶叫したあと、ウェーブマウンテンで丸太のボートに乗ってまた絶叫する。
その頃には尊さんは真顔になっていて、「老いを感じるな……」と呟いていた。
ぐるりと回って最後にホーンテッドハウスに行ったあと、特等席でパレードを見るために歩いていった。
無事、パレードが来る前に番号が書かれてあるところに着いて待機している間、私は疲れ切って恵と一緒に座り込む。
「よく遊んだな。……俺、すげぇ久しぶりだわ」
地面に胡座をかいた尊さんが溜め息をついて言い、後ろの人の邪魔にならないようにキツネの耳がついた帽子をとる。
私たちはラビティーのカチューシャをつけているけれど、男子組は抵抗があったのか帽子だ。
「たまにはいいんじゃないですか? 童心に返ったって事で」
「……だな。あんまりこういう所で遊ぶタイプじゃなかったから、いい経験になったわ」
言われて、彼が友達とランドどころじゃなかったのを思い出し、私はポンポンと彼の背中を叩く。
「悪い、変な空気にした」
「いえいえ、いいんですよ。いま楽しいならそれが一番」
ニコッと笑うと、尊さんは安心したように微笑み、私の手をそっと握ってくる。
一日遊んだなかで恵と涼さんもかなり距離が詰まったみたいで、入園前の雰囲気はもうない。
264
あなたにおすすめの小説
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
病弱な私と意地悪なお姉様のお見合い顛末
黒木メイ
恋愛
幼い頃から病弱だったミルカ。外出もまともにできず、家の中に引きこもってばかり。それでもミルカは幸せだった。家族が、使用人たちがいつもミルカの側にいてくれたから。ミルカを愛してくれたから。それだけで十分――なわけないでしょう。お姉様はずるい。健康な体を持っているだけではなく、自由に外出できるんだから。その上、意地悪。だから、奪ったのよ。ずるいお姉様から全てを。当然でしょう。私は『特別な存在』で、『幸せが約束されたお姫様』なんだから。両親からの愛も、次期当主の地位も、王子様も全て私のもの。お姉様の見合い相手が私に夢中になるのも仕方ないことなの。
※設定はふわふわ。
※予告なく修正、加筆する場合があります。
※いずれ他サイトにも転載予定。
※『病弱な妹と私のお見合い顛末』のミルカ(妹)視点です。
完結 愛人さん初めまして!では元夫と出て行ってください。
音爽(ネソウ)
恋愛
金に女にだらしない男。終いには手を出す始末。
見た目と口八丁にだまされたマリエラは徐々に心を病んでいく。
だが、それではいけないと奮闘するのだが……
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる