【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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ゴールデンウィーク 編

ラビティーランド

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 やがてGWなので三十分アーリーでゲートが開く事になり、私たちはさらにホテルに宿泊する特典で十五分早く入る事ができた。

「わあああ……! ワクワクする! どうしよう! アドレナリンジュバー!」

 早まって走ってしまいたくなるけれど、私たちはあえてしずしずと歩いていく。

 コミケでスタッフの人が「走らないでください!」と言っているのをテレビで見たからか、こういう場所では走ってはいけないという決まりが頭に叩き込まれている。

「一番待ち時間の長いやつからにしない?」

 恵が言い、尊さんが頷く。

「だな。プレミアパスも買ったけど、早めに攻めてこーぜ」

 プレミアパスは、有料だけれど人気のアトラクションを時間指定して乗れるサービスで、本来なら二百分待ちのところ、三十分待ちとかで乗れる事ができるし、パレードをいい席で見られるなどもある。

 尊さんはお金にものを言わせて、プレミアパスを買ってくれたみたいだ。

 ちなみに事前にレストランも予約しているので、ぬかりがない。

 勿論、すべてラビティーランドの公式アプリをインストールした上での事だ。

 あまりに慣れてるので「プロですか?」と聞いたけど、「せっかくのデートで失敗できねぇから、めちゃ調べた」らしい。

 勿論、アプリを沢山使う事を見越して、モバイルバッテリーも持っている。





 そのあと、ランド特有のメルヘンチックな世界観を楽しみ、何枚も記念写真を撮りつつ、アトラクションを楽しんでいった。

 ちなみに私も恵も、世界観と遊園地的アトラクションを楽しみたいタイプで、キャラクターとの写真撮影やショーはそれほどという意見で纏まっている。

 尊さんと涼さんは私たちに合わせてくれる感じなので、ほぼ私たちの希望通り楽しむ事ができた。

 最初は『美女と野獣』のアトラクションに乗り、ゆったり動くカップ型の乗り物に乗り、お話の世界観に没入した。

 私たちがアトラクションを楽しんでいる間も、尊さんは時間を確認して次のプレミアパスを取得している。……ありがとうございます。

 いつも彼は高級腕時計をしているけれど、今日はスマートウォッチをつけて、六十分を測りながら行動していた。申し訳ない。

 そのあとは宇宙戦争な映画を体感するスペースツアーズに行き、コアラ型の宇宙人、スティックのシアター型アトラクションを楽んだあと、ハッピーマックスのウキウキライドに乗った。

 その時点でお昼になったので、私たちは一旦お土産屋さんが並ぶセントラルバザールに向かい、予約していたイタリアンのお店で、前菜、パスタ、お肉、デザートに飲み物とパンがつくコースを食べた。

 キャラのついた料理ではなく、普通の高級そうなレストランで出てくる雰囲気の料理だけれど、お店の内装も落ち着いていながら、壁に絵皿が飾ってあったりでとても可愛い。

 料理は綺麗で美味しいし、私と恵はキャーキャー言いながら写真に撮り、美味しくいただいた。

 そのあとは船に乗ってジャングルを楽しみ、カリブ海の海賊たちに襲われる雰囲気を味わう。

 お目当ての一つであるビッグボルケーノマウンテンに乗って絶叫したあと、ウェーブマウンテンで丸太のボートに乗ってまた絶叫する。

 その頃には尊さんは真顔になっていて、「老いを感じるな……」と呟いていた。

 ぐるりと回って最後にホーンテッドハウスに行ったあと、特等席でパレードを見るために歩いていった。

 無事、パレードが来る前に番号が書かれてあるところに着いて待機している間、私は疲れ切って恵と一緒に座り込む。

「よく遊んだな。……俺、すげぇ久しぶりだわ」

 地面に胡座をかいた尊さんが溜め息をついて言い、後ろの人の邪魔にならないようにキツネの耳がついた帽子をとる。

 私たちはラビティーのカチューシャをつけているけれど、男子組は抵抗があったのか帽子だ。

「たまにはいいんじゃないですか? 童心に返ったって事で」

「……だな。あんまりこういう所で遊ぶタイプじゃなかったから、いい経験になったわ」

 言われて、彼が友達とランドどころじゃなかったのを思い出し、私はポンポンと彼の背中を叩く。

「悪い、変な空気にした」

「いえいえ、いいんですよ。いま楽しいならそれが一番」

 ニコッと笑うと、尊さんは安心したように微笑み、私の手をそっと握ってくる。

 一日遊んだなかで恵と涼さんもかなり距離が詰まったみたいで、入園前の雰囲気はもうない。
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