474 / 778
彼と彼女のその後 編
恋心
しおりを挟む
ゴムを処理し終わったあと、俺はティッシュで恵ちゃんの秘部を拭き、仰向けに寝かせたあと羽根布団を被せる。
全裸のまま洗面所に行ってタオルをぬるま湯で濡らしたあと、寝室に戻って彼女の体を拭き、「おやすみ」と頭を撫でる。
そのあと少し彼女の寝顔を見つめていたが、一つ息を吐いてバスルームに向かった。
「……気持ち良かった」
俺はシャワーを浴びながら、先ほどと同じ事を呟く。
処女だというので時間を掛けて丁寧にほぐしたが、運動をしているだけあって締まりが良く、反応のいい敏感な体に溺れそうになった。
それ以前から彼女と話していると、あまりにピュアで可愛く、何回抱き締めて「可愛い~!」と悶えたくなるのを堪えたか分からない。
尊から前情報として聞いていたのは、朱里ちゃんの親友で、彼女を普通の友達以上に大切に想っている女性(ひと)という程度だった。
彼の長年の片想いに協力していた人物である事も教えてもらっていたが、グループデートでその情報を出す必要はない。
『複雑そうな女性だな』と思ってランドに向かえば、ボーイッシュな雰囲気の可愛い女性だ。
朱里ちゃんは女性の割には高身長なほうだから、隣に立っていると恵ちゃんの小柄さが目立つ。
サラリとした前下がりボブを見ていると、触りたくなって堪らない。
アーモンド型の大きな目でジッと見つめられると、心の底を見透かされている気持ちになり、ソワソワする。
言葉遣いは丁寧ながらもまったく飾らず、自意識過剰なようだが、俺を前にしても態度を変えなかった女性は初めてだった。
最初は『構ってほしいがゆえの塩対応かな?』と思ったが、接しているうちに素の態度なのだと分かった。
構ってほしいだけの女性なら、何か『買ってあげようか?』と言うと、何だかんだ言いながらおねだりしてくる。
だが恵ちゃんは俺の事を〝いけ好かない金持ち〟と思っているのか、どう話しかけても塩対応のままだった。
かといって悪人と決めつけて嫌っているわけでもなく、その絶妙な感じが彼女の〝素〟なのだと分かり『いいな……』と思ってならない。
彼女の様子を見て、学生時代を想像できた気がした。
スポーツ万能で皆に人気のある女の子なのに、男子にはまったく興味を示さない。
照れているでもなく、気を引こうとしてそっけなくしているのでもなく、まったくそのまま〝素〟で興味がない。
正直、女性にそんな態度をとられたのは生まれて初めてで、興味が湧いて堪らなかった。
最初は『どうせ優しくしたら落ちるだろ?』と思って構っていたが、演じているわけではないと悟ったあとは、振り向かせるのに必死になっていた。
周囲からイケメンと言われる顔を見ても駄目、金をチラつかせても駄目、三日月グループの名を出しても駄目。かといって好きな男がいるわけでもない。
彼女が大切にしているのは、恋人のいる親友だ。
恵ちゃんに男として見てもらいたくて必死になっているうちに、彼女と過ごす時間が楽しくなり、『このまま付き合ってもいいかも』と思い始めた。
『二泊三日も一緒に過ごせば、嫌な所や猫を被りきれなかった部分が見えるだろう』と思い、同じ部屋に泊まったが、それもない。
代わりに知ったのは、中学生女子かと思うような純粋さだ。
――この子、このまま放置してたら危ないかもしれない。
――下手な男に捕まったら、純粋さを利用されて弄ばれる。
そう思ったあとはとめどなく庇護欲が湧き起こり、いつの間にか「自分が守ってあげたい」という気持ちにすり替わっていた。
そして「俺のものにする」と決めたあとは、彼女がどんな反応を見せても可愛くて仕方がなくなり、随分久しぶりに恋をする感覚を思い出して堪らなくなった。
笑わせたい。照れた顔が見たい。もっと俺を見てほしい。少し困らせたい。
小学生男子かというような感情が次々に湧き起こり、彼女の一挙手一投足が気になってならない。
――恵ちゃんにずっと側にいてほしい。
そんな想いが沸き起こったあと、次に考えたのはどうやって自由奔放な猫のような彼女を自分の元に引き留めるかだ。
始末が悪いのは、俺は彼女一人囲い込んでもまったく問題のない財力を持つ男だという事だ。
彼女にマイナスになる事をするつもりはないが、一度ロックオンしてしまった以上、もう彼女を手放すつもりはない。
同時に自分の気持ち一つで、一人の一般女性の人生を掌握してしまったと思うと、この上ない罪悪感がこみ上げた。
全裸のまま洗面所に行ってタオルをぬるま湯で濡らしたあと、寝室に戻って彼女の体を拭き、「おやすみ」と頭を撫でる。
そのあと少し彼女の寝顔を見つめていたが、一つ息を吐いてバスルームに向かった。
「……気持ち良かった」
俺はシャワーを浴びながら、先ほどと同じ事を呟く。
処女だというので時間を掛けて丁寧にほぐしたが、運動をしているだけあって締まりが良く、反応のいい敏感な体に溺れそうになった。
それ以前から彼女と話していると、あまりにピュアで可愛く、何回抱き締めて「可愛い~!」と悶えたくなるのを堪えたか分からない。
尊から前情報として聞いていたのは、朱里ちゃんの親友で、彼女を普通の友達以上に大切に想っている女性(ひと)という程度だった。
彼の長年の片想いに協力していた人物である事も教えてもらっていたが、グループデートでその情報を出す必要はない。
『複雑そうな女性だな』と思ってランドに向かえば、ボーイッシュな雰囲気の可愛い女性だ。
朱里ちゃんは女性の割には高身長なほうだから、隣に立っていると恵ちゃんの小柄さが目立つ。
サラリとした前下がりボブを見ていると、触りたくなって堪らない。
アーモンド型の大きな目でジッと見つめられると、心の底を見透かされている気持ちになり、ソワソワする。
言葉遣いは丁寧ながらもまったく飾らず、自意識過剰なようだが、俺を前にしても態度を変えなかった女性は初めてだった。
最初は『構ってほしいがゆえの塩対応かな?』と思ったが、接しているうちに素の態度なのだと分かった。
構ってほしいだけの女性なら、何か『買ってあげようか?』と言うと、何だかんだ言いながらおねだりしてくる。
だが恵ちゃんは俺の事を〝いけ好かない金持ち〟と思っているのか、どう話しかけても塩対応のままだった。
かといって悪人と決めつけて嫌っているわけでもなく、その絶妙な感じが彼女の〝素〟なのだと分かり『いいな……』と思ってならない。
彼女の様子を見て、学生時代を想像できた気がした。
スポーツ万能で皆に人気のある女の子なのに、男子にはまったく興味を示さない。
照れているでもなく、気を引こうとしてそっけなくしているのでもなく、まったくそのまま〝素〟で興味がない。
正直、女性にそんな態度をとられたのは生まれて初めてで、興味が湧いて堪らなかった。
最初は『どうせ優しくしたら落ちるだろ?』と思って構っていたが、演じているわけではないと悟ったあとは、振り向かせるのに必死になっていた。
周囲からイケメンと言われる顔を見ても駄目、金をチラつかせても駄目、三日月グループの名を出しても駄目。かといって好きな男がいるわけでもない。
彼女が大切にしているのは、恋人のいる親友だ。
恵ちゃんに男として見てもらいたくて必死になっているうちに、彼女と過ごす時間が楽しくなり、『このまま付き合ってもいいかも』と思い始めた。
『二泊三日も一緒に過ごせば、嫌な所や猫を被りきれなかった部分が見えるだろう』と思い、同じ部屋に泊まったが、それもない。
代わりに知ったのは、中学生女子かと思うような純粋さだ。
――この子、このまま放置してたら危ないかもしれない。
――下手な男に捕まったら、純粋さを利用されて弄ばれる。
そう思ったあとはとめどなく庇護欲が湧き起こり、いつの間にか「自分が守ってあげたい」という気持ちにすり替わっていた。
そして「俺のものにする」と決めたあとは、彼女がどんな反応を見せても可愛くて仕方がなくなり、随分久しぶりに恋をする感覚を思い出して堪らなくなった。
笑わせたい。照れた顔が見たい。もっと俺を見てほしい。少し困らせたい。
小学生男子かというような感情が次々に湧き起こり、彼女の一挙手一投足が気になってならない。
――恵ちゃんにずっと側にいてほしい。
そんな想いが沸き起こったあと、次に考えたのはどうやって自由奔放な猫のような彼女を自分の元に引き留めるかだ。
始末が悪いのは、俺は彼女一人囲い込んでもまったく問題のない財力を持つ男だという事だ。
彼女にマイナスになる事をするつもりはないが、一度ロックオンしてしまった以上、もう彼女を手放すつもりはない。
同時に自分の気持ち一つで、一人の一般女性の人生を掌握してしまったと思うと、この上ない罪悪感がこみ上げた。
694
あなたにおすすめの小説
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
病弱な私と意地悪なお姉様のお見合い顛末
黒木メイ
恋愛
幼い頃から病弱だったミルカ。外出もまともにできず、家の中に引きこもってばかり。それでもミルカは幸せだった。家族が、使用人たちがいつもミルカの側にいてくれたから。ミルカを愛してくれたから。それだけで十分――なわけないでしょう。お姉様はずるい。健康な体を持っているだけではなく、自由に外出できるんだから。その上、意地悪。だから、奪ったのよ。ずるいお姉様から全てを。当然でしょう。私は『特別な存在』で、『幸せが約束されたお姫様』なんだから。両親からの愛も、次期当主の地位も、王子様も全て私のもの。お姉様の見合い相手が私に夢中になるのも仕方ないことなの。
※設定はふわふわ。
※予告なく修正、加筆する場合があります。
※いずれ他サイトにも転載予定。
※『病弱な妹と私のお見合い顛末』のミルカ(妹)視点です。
完結 愛人さん初めまして!では元夫と出て行ってください。
音爽(ネソウ)
恋愛
金に女にだらしない男。終いには手を出す始末。
見た目と口八丁にだまされたマリエラは徐々に心を病んでいく。
だが、それではいけないと奮闘するのだが……
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる