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未来へ
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そして現在。
目の前にはあの時のモミジそっくりのクレハがいる。
つやつやとしたウェーブがかった黒髪も、理知的な黒い目も、顔立ちも雰囲気も、何もかもが生き写しだ。
けれど彼女がモミジの孫だというのなら――、あの後モミジは神殿からあてがわれた男と子をなし、お役目を続けていたのだろう。
「彼女は……、高潔な女性でした。ただ純粋で優しいだけの女性だったのに、あの国が彼女に与えた任はあまりに重たかった。……けれど、……そうか。彼女の娘は無事にあの国を出て、……いまクレハさんが私の目の前にいるのか」
昔に愛した人を愛しむ目でイリヤはクレハを見て、彼女をこの屋敷に連れて来てくれた孫――ノアを見る。
「ノア、私はお前が選んだ女性を応援し、そしてお前たちの結婚も応援しよう。私とモミジが幸せになれなかったことをノアたちに重ねるつもりではないが、お前たちにこそ、この国で幸せになってほしい」
「ありがとうございます、お祖父様」
「イリヤ様、どうもありがとうございます」
そろって頭を下げる二人を、イリヤは随分と久しぶりに穏やかな気持ちになって見ていた。
視線を窓の外にやれば、まばゆい日の光がある。
この同じ空の下に、あの忌まわしい国で彼女もまだ生きているのだろうか?
背に烙印を受け、一族に囲まれたままあの神殿にいるのだろうか?
それとも、もう息を引き取ってしまっただろうか?
自分と同じく、モミジにも平等な時の流れが訪れている。
その間に少しでも彼女が幸福だと思ったり、小さなことで笑みを浮かべられているようイリヤはただ願う。
最初は望まない相手だったかもしれない夫を、今は愛せているように。
遠くへ追いやった娘――カエデが、娘と一緒に幸せに暮らしているということを、きっとモミジも信じているとイリヤも思いたい。
長いあいだ暗闇と慟哭をさまよっていたイリヤは、ようやく現実を見て光の中へ一歩踏み出した。
どうかモミジも幸せであるようにと、カーテンの向こうの青い空を見てイリヤは願うのだった。
**
その後、病院でカエデは順調に回復し、ノアの大学卒業に合わせて入籍できるようにとウェズブルク家は忙しく動いていた。
松葉杖をついて生活ができるようになったカエデは自宅に帰り、近所にいるウォルフガングという独身の男性から助けられて過ごすようになる。
以前からカエデに想いを寄せていた彼は、これを機に少しずつカエデにアプローチを強めていく様子だった。
クレハとしても、亡くした父のことは相変わらず大切に想っていたが、母が新しい恋をするというのなら応援するつもりだ。
「ノア様、失礼致します」
夜になってクレハが家庭教師としてノアの部屋をノックすると、彼はデスクに向かって何かのページをめくっていた。
「ノア様? もうお勉強を初めてらしたのですか?」
そう言ってクレハがデスクに近づくと、卓上にあったのはウェディングドレスのカタログだった。
「またご覧になっていたのですか? 式はノア様が大学を出たあとだと、ルクス様がおっしゃっていたのに……」
ノアとクレハの結婚にルクスもイリヤも何も言わず、イリヤが連絡をした遠方の妻も二人のことについては特に口出しをしないと手紙をよこした。
ただ、貴族という血筋にこだわる彼女らしく、結婚はノアが大学を出てからという条件をつけたのだ。それには「確かに」というようにルクスとイリヤも頷き、二人の結婚はノアの大学卒業後ということになった。
「だって君が僕のお嫁さんになることが決まったんだ。嬉しくて堪らない」
デスクに頬杖をついていたノアは、クレハを見上げて琥珀色の目を細める。
「もう……。気が早いんですから……」
「ん? 君は興味がないのか? この純白の素晴らしいドレスたち。流行りのデザイナーのドレスに、レースにフリル。後ろを長く引きずるトレーンに、マリアヴェール」
誘惑するようにノアは言葉を並べ立て、クレハはついついカタログをのぞき込んでしまう。
「……きれい」
確かにカタログのなかのドレスデザインはどれも素敵で、プリンセスラインにAライン、エンパイアラインにベルライン。大人っぽいマーメイドドレス。色々な形のドレスがあって、女性としてはときめいてしまう。
「カエデさんが、とっておきのヴェールを作ってくれると仰っていたね。彼女が勤めるレース工房も、全面的に協力してくれるとか。きっと式を挙げる頃にはカエデさんも全快しているだろうから、君はお母さんが編んでくれたレースを纏って、僕の花嫁になるんだ。素敵だね」
「……はい。そのことについては、すごく嬉しいです」
クレハは例の家庭教師用の椅子に座り、はにかんでみせる。
「ドレスの最終的な決定は君の意思に任せるけど、僕も君に着てほしいものは、一応ピックアップしておくからね」
赤鉛筆を片手にノアは幸せそうに微笑み、クレハも思わず「ふふっ」と笑ってしまう。
「母さんも驚いていましたし、喜んでいました」
「そうだね、屋敷に来られた時に随分と頭をさげられていて……、僕もなんだか申し訳なくなってしまった」
カエデが動けるようになって少しして、ウェズブルク家は彼女を屋敷に招待した。
クレハそっくりの母は貴族の大きな屋敷にひどく緊張し、街の銘菓だという手土産を渡すのも恐縮しきっていた。
だが物腰柔らかなルクスとイリヤ、そして使用人たちが温かく迎えると、そのうち空気に馴染んでいった。
話はクレハの家庭教師の仕事から始まり、両家の深い因縁を経てノアとクレハの結婚までに及ぶ。
カエデは様々な感情が交じった目でイリヤを見ていたが、遠い過去を懐かしむような表情で、「母はきっとイリヤ様と出会えて幸せだったと思います」と言った。
あまり過去を語りたがらないカエデだったが、アカツキにいた頃、母であるモミジが昔とても素敵な人と出会ったということを、父がいない時にこっそり教えてくれたのを覚えている。
その顔はとても穏やかで、イリヤのことを恨んでいるとは絶対に思えない表情だと、娘のカエデが断言した。
ようやくイリヤの心の中の雪も溶けたのか、その後は随分と和やかな時間を過ごした。
ノアとクレハの式のことや、二人をこのまま屋敷に住まわせることなど、様々な話し合いをした。もちろんクレハはいつでもカエデの所へ行ってもいいし、カエデもウェズブルクの屋敷を気軽に訪れてほしいとルクスは言う。
貴族とは思えない優しさに、モッティ家の母子は心から感謝するのだった。
「しかし、君の仮教育も本当に始まってしまうんだね」
クレハが親友のオーウェン王子とつきっきりになるのを思ってか、ノアの声が少し曇る。
「仕方がありません。私の夢に近づくための過程ですから。それにノア様も……、応援してくださるんでしょう?」
「……クレハは上手だなぁ」
ふぅ、と溜め息をつくノアは、やはり嫉妬してしまうのだがクレハの言葉を否めない。
ルクスはクレハの夢を聴いて、それに自分も全面的に協力したいと言った。
クレハが目指す、教育において格差のない国というものは、実際国の大臣として働いているルクスも素晴らしい考えだと思ったのだ。
国の大臣や役人として働いている女性だって当たり前にいるし、これからはクレハのように新しい考えを持つ人が増えれば、この国はもっと良くなる。
イリヤもそれに賛同した。
あのアカツキという閉鎖的な国をよく知っているからこそ、この国だけでも自由に豊かになってほしいと思ったのだ。
目の前にはあの時のモミジそっくりのクレハがいる。
つやつやとしたウェーブがかった黒髪も、理知的な黒い目も、顔立ちも雰囲気も、何もかもが生き写しだ。
けれど彼女がモミジの孫だというのなら――、あの後モミジは神殿からあてがわれた男と子をなし、お役目を続けていたのだろう。
「彼女は……、高潔な女性でした。ただ純粋で優しいだけの女性だったのに、あの国が彼女に与えた任はあまりに重たかった。……けれど、……そうか。彼女の娘は無事にあの国を出て、……いまクレハさんが私の目の前にいるのか」
昔に愛した人を愛しむ目でイリヤはクレハを見て、彼女をこの屋敷に連れて来てくれた孫――ノアを見る。
「ノア、私はお前が選んだ女性を応援し、そしてお前たちの結婚も応援しよう。私とモミジが幸せになれなかったことをノアたちに重ねるつもりではないが、お前たちにこそ、この国で幸せになってほしい」
「ありがとうございます、お祖父様」
「イリヤ様、どうもありがとうございます」
そろって頭を下げる二人を、イリヤは随分と久しぶりに穏やかな気持ちになって見ていた。
視線を窓の外にやれば、まばゆい日の光がある。
この同じ空の下に、あの忌まわしい国で彼女もまだ生きているのだろうか?
背に烙印を受け、一族に囲まれたままあの神殿にいるのだろうか?
それとも、もう息を引き取ってしまっただろうか?
自分と同じく、モミジにも平等な時の流れが訪れている。
その間に少しでも彼女が幸福だと思ったり、小さなことで笑みを浮かべられているようイリヤはただ願う。
最初は望まない相手だったかもしれない夫を、今は愛せているように。
遠くへ追いやった娘――カエデが、娘と一緒に幸せに暮らしているということを、きっとモミジも信じているとイリヤも思いたい。
長いあいだ暗闇と慟哭をさまよっていたイリヤは、ようやく現実を見て光の中へ一歩踏み出した。
どうかモミジも幸せであるようにと、カーテンの向こうの青い空を見てイリヤは願うのだった。
**
その後、病院でカエデは順調に回復し、ノアの大学卒業に合わせて入籍できるようにとウェズブルク家は忙しく動いていた。
松葉杖をついて生活ができるようになったカエデは自宅に帰り、近所にいるウォルフガングという独身の男性から助けられて過ごすようになる。
以前からカエデに想いを寄せていた彼は、これを機に少しずつカエデにアプローチを強めていく様子だった。
クレハとしても、亡くした父のことは相変わらず大切に想っていたが、母が新しい恋をするというのなら応援するつもりだ。
「ノア様、失礼致します」
夜になってクレハが家庭教師としてノアの部屋をノックすると、彼はデスクに向かって何かのページをめくっていた。
「ノア様? もうお勉強を初めてらしたのですか?」
そう言ってクレハがデスクに近づくと、卓上にあったのはウェディングドレスのカタログだった。
「またご覧になっていたのですか? 式はノア様が大学を出たあとだと、ルクス様がおっしゃっていたのに……」
ノアとクレハの結婚にルクスもイリヤも何も言わず、イリヤが連絡をした遠方の妻も二人のことについては特に口出しをしないと手紙をよこした。
ただ、貴族という血筋にこだわる彼女らしく、結婚はノアが大学を出てからという条件をつけたのだ。それには「確かに」というようにルクスとイリヤも頷き、二人の結婚はノアの大学卒業後ということになった。
「だって君が僕のお嫁さんになることが決まったんだ。嬉しくて堪らない」
デスクに頬杖をついていたノアは、クレハを見上げて琥珀色の目を細める。
「もう……。気が早いんですから……」
「ん? 君は興味がないのか? この純白の素晴らしいドレスたち。流行りのデザイナーのドレスに、レースにフリル。後ろを長く引きずるトレーンに、マリアヴェール」
誘惑するようにノアは言葉を並べ立て、クレハはついついカタログをのぞき込んでしまう。
「……きれい」
確かにカタログのなかのドレスデザインはどれも素敵で、プリンセスラインにAライン、エンパイアラインにベルライン。大人っぽいマーメイドドレス。色々な形のドレスがあって、女性としてはときめいてしまう。
「カエデさんが、とっておきのヴェールを作ってくれると仰っていたね。彼女が勤めるレース工房も、全面的に協力してくれるとか。きっと式を挙げる頃にはカエデさんも全快しているだろうから、君はお母さんが編んでくれたレースを纏って、僕の花嫁になるんだ。素敵だね」
「……はい。そのことについては、すごく嬉しいです」
クレハは例の家庭教師用の椅子に座り、はにかんでみせる。
「ドレスの最終的な決定は君の意思に任せるけど、僕も君に着てほしいものは、一応ピックアップしておくからね」
赤鉛筆を片手にノアは幸せそうに微笑み、クレハも思わず「ふふっ」と笑ってしまう。
「母さんも驚いていましたし、喜んでいました」
「そうだね、屋敷に来られた時に随分と頭をさげられていて……、僕もなんだか申し訳なくなってしまった」
カエデが動けるようになって少しして、ウェズブルク家は彼女を屋敷に招待した。
クレハそっくりの母は貴族の大きな屋敷にひどく緊張し、街の銘菓だという手土産を渡すのも恐縮しきっていた。
だが物腰柔らかなルクスとイリヤ、そして使用人たちが温かく迎えると、そのうち空気に馴染んでいった。
話はクレハの家庭教師の仕事から始まり、両家の深い因縁を経てノアとクレハの結婚までに及ぶ。
カエデは様々な感情が交じった目でイリヤを見ていたが、遠い過去を懐かしむような表情で、「母はきっとイリヤ様と出会えて幸せだったと思います」と言った。
あまり過去を語りたがらないカエデだったが、アカツキにいた頃、母であるモミジが昔とても素敵な人と出会ったということを、父がいない時にこっそり教えてくれたのを覚えている。
その顔はとても穏やかで、イリヤのことを恨んでいるとは絶対に思えない表情だと、娘のカエデが断言した。
ようやくイリヤの心の中の雪も溶けたのか、その後は随分と和やかな時間を過ごした。
ノアとクレハの式のことや、二人をこのまま屋敷に住まわせることなど、様々な話し合いをした。もちろんクレハはいつでもカエデの所へ行ってもいいし、カエデもウェズブルクの屋敷を気軽に訪れてほしいとルクスは言う。
貴族とは思えない優しさに、モッティ家の母子は心から感謝するのだった。
「しかし、君の仮教育も本当に始まってしまうんだね」
クレハが親友のオーウェン王子とつきっきりになるのを思ってか、ノアの声が少し曇る。
「仕方がありません。私の夢に近づくための過程ですから。それにノア様も……、応援してくださるんでしょう?」
「……クレハは上手だなぁ」
ふぅ、と溜め息をつくノアは、やはり嫉妬してしまうのだがクレハの言葉を否めない。
ルクスはクレハの夢を聴いて、それに自分も全面的に協力したいと言った。
クレハが目指す、教育において格差のない国というものは、実際国の大臣として働いているルクスも素晴らしい考えだと思ったのだ。
国の大臣や役人として働いている女性だって当たり前にいるし、これからはクレハのように新しい考えを持つ人が増えれば、この国はもっと良くなる。
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