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学年トーナメント戦 本戦編
2話 昔と今と
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何故こうも俺は初戦に選ばれるのだろう。純粋な疑問だ。もっと中盤くらいで構わないんだが。
本戦第一回戦一組目の組み合わせが発表され、フィールド上からは殆どの人がギャラリー席へと移動していた。数分前の喧騒が嘘のように消えている。俺は人の減ったフィールド上を改めて見回していた。
するとカズミネが俺の肩を叩いてくる。
「緊張してる?」
「してない」
「うっそだぁ、そんな生まれたての子鹿みたいな震え方してるのに?」
「これは武者震いさ」
「流石田中さんですね!頑張ってきてください!」
割りと普通に緊張していて、それを素直に認めるのは癪だったので誤魔化したのだが、カズミネにはやはり通用していないみたいだ。こちらを見て苦笑いしている。星叶は流石アホの子だ。将来悪い男に騙されないか心配。
緊張を誤魔化す為に屈伸運動を行う。膝に手をついてみると確かに、震えていた。まぁ気持ちの悪い震えではない。むしろ心地良い。適度な緊張とはこの事なんだろう。
「それにしても、シュウヤはクジ運悪いね。一番最初に愛川さんと当たるなんてさ」
「なんだカズミネ、知り合いか?」
「僕は当然知り合いだけど………ってシュウヤ覚えてないの?」
「覚えてない。というより知らん」
女子の知り合いなどクラスメイトくらいしかいないわ。てか当然知り合いってなんだカズミネ。プレイボーイかよ。
親友の女子との接触率の高さに驚愕を覚えてしまう。しかし、カズミネの言い方だと俺にも面識があるようだ。はて?そんな名前の女子と知り合いだったか?どこかで聞いた気はするが。
キョロキョロと視線を這わせて件の愛川さんを探すが、フィールド上にはまだ人が残っており、どれが愛川さんなのかは判別出来なかった。まぁ試合が始まれば嫌でも顔を合わせるだろう。
「そろそろ戻らないとじゃないのか?」
「ん?ホントだ。じゃあギャラリー席に行ってるよ」
「しっかり応援してますからね!」
「味方はちゃんとここにいるから」
「………おう、サンキュ」
駆け出した星叶を追うように、カズミネもフィールドを後にした。その背に手を振る。そして二人の姿が見えなくなった後、俺はカズミネの言葉を噛みしめる。
味方はここにいる、か。
カズミネらしい言葉だ。上手いことやる気が引き出される。
味方が見てんなら、無様な試合は出来ないわな。胸の奥に熱い何かを感じる。燃え上がってきた証拠だな。
自分の頬を両手でパンッ!と叩いて気合いを入れる。……我ながら威力が強すぎた。結構痛い。
だがその痛みのおかげで、緊張で霞んでいた視界はクリアになっている。震えもいつの間にかに止まっていたみたいだ。その場で深呼吸して、さらに自分を落ち着かせる。
さぁ、本戦開始だ!!
◆◆◆
試合開始まで残す所、3分弱。フィールド上には、俺と対戦相手以外の人の姿は見当たらなくなっていた。
開戦するまで暇だったので、柔軟運動でもしていたのだが、俺は途中であることに気がつく。
「………………………………(ジーーーッ)」
すげぇ睨まれてる。恐らく初対面であろう愛川さんから。
俺は対戦相手の愛川さんへと視線を移す。金髪寄りの明るい茶髪を後ろで一つにまとめ、快活そうな印象を受ける。身長は俺と同じくらいの大きさだ。大きいはずの目は、俺を睨んでいるせいで半分しか開かれておらず、残念な感想しか浮かんでこない。
確実に美少女であるはずなのに、腕を組んで仁王立ちする様はまんま仁王像。阿行が隣にいないのが悔やまれるレベル。
そんな吽形、もとい愛川さんに睨まれ続けては柔軟運動も集中出来ず、中途半端に終わらせた。これが盤外戦術って奴か。柔軟運動をちゃんとやらせないなんてな………ヘヘッ、コイツかなりの強者とみた。まぁそんな事は置いといて。
俺には愛川さんに睨まれ続ける理由がさっぱり思いつかなかった。何か悪い事でもしてしまったのだろうか。だが、美少女に睨まれ続ける程の悪い事をしでかしていたのなら、既に佐藤先生からの鉄拳制裁を頂いているはずなので、その線はないか。
うだうだ理由を考えるより、直接聞いた方が早い。そう思い、愛川さんへと声を掛ける。
「なぁ…」
「あぁ?何よ」
ヒエッ。さっきの2割増で睨まれた。鋭すぎる眼光はまさに蛇だ。
ビビる心を抑えて、俺は愛川さんへと言い返す。
「何よはこっちの台詞なんだが。さっきから睨んで何のつもりだ。俺はアンタとは初対面で何かをした覚えもないんだが」
その言葉を発した瞬間、愛川さんの目が見開かれる。そして前のめりになりながら俺に突っかかってくる。
「はぁ!?初対面!?貴方馬鹿なの記憶能力大丈夫!?」
「おい暴言。俺の記憶能力は正常だぞ」
「私を本当に覚えてないの?」
「アンタみたいな印象強い奴、一度話せば忘れる訳ないだろ」
「なんで覚えてないのよ!!」
むきぃー!と地団駄を踏む愛川さん。あれ……?この仕草どっかで……。
首を捻って愛川さんを思い出そうとする俺に、愛川さんがビシッと指を突きつけてきた。こら、人を指差すな。
「私はしっかりと覚えているわよ!2年前の9月に行われた学年戦のことを!」
「2年前って……中学生の時じゃねーか。そんなの覚えてる訳━━━━」
無い。そう言い切ろうとしたのだが、何かが引っかかった。愛川さんは2年前の9月と、そう言ったんだっけな。それって確か………。
「2年前の9月……俺が、学年戦で準優勝した時………」
「そうよその時よ!なんで自分の栄光が刻まれた日付も覚えてない訳!?」
「だって学年戦って毎月開催されてるし……その内の1回準優勝ってだけじゃ栄光でも何でもないだろ」
「栄光よ栄光!なんてったってこの私を敗ったんだから!」
「愛川さんを、俺が……?」
「そうよ、思い出しなさい。あれは本戦の準決勝での事だったわ」
ふむ。本戦準決勝か………。ちゃんと思い出そうと首を捻る。するとピーンと思い出せた。
「思い出したぞ!お前、割りと手も足も出せずに俺にボロ負けした奴だろ!」
「そ、そそそんな訳あるかい!ちゃんと善戦してたわい!」
俺の思い出し方が悪かったのか、手をワチャワチャと振って慌てる愛川さん。いや、愛川で良いか。
思い出せなくて当然だ。2年前と言えば俺は中二だ。患っていた時期だ。対戦相手の事なんかより、因果やら運命やらに惑わされ、組織や機関との戦闘を重要視してた時期だぞ。
だが、よくよく思い出せば確かに愛川と試合をした思い出もある。あの時は勝利を決めた後「フッ、雑魚が……」って決め台詞を言ってフィールドを出ていった。その時、愛川はさっきみたいな地団駄を踏んでいたはずだ。
「でも思い出したようで安心したわ。これで以前の私と、違うって事がハッキリわかるものね」
愛川は取り乱してたのを落ち着かせた後、偉そうに胸を張った。無い胸が強調されそうでされなかったので注目はしないでおいてやる。武士の情けじゃ。
「ほう……以前のお前と何が違うってんだ」
「フフフ…これを見なさい!!」
ババーンと効果音がつきそうな勢いで、愛川がポケットから取り出したのは腕章。そのデザインに俺は見覚えがあった。何故ならそれは、俺の親友が所持している物と全く同じで━━━━
いや、同じではない。腕章に刻まれている文字が違う。愛川はその腕章を腕にはめて、こちらに見せつける様なポーズを取る。
「月陰学園生徒会書記、1年愛川美里よ。お久しぶりね田中終夜くん?」
「………なるほどな」
道理で以前とは違うと断言出来る訳だ。生徒会メンバーって事は、こいつも生徒会会長に実力を認められたクチだろう。つまり、あの時闘った愛川に比べて今の愛川は、恐ろしい程の成長を遂げているのだ。
止まったはずの震えが起こる。鳥肌が立ち、背筋に冷たい感覚が走る。
昔、カズミネが言っていた生徒会メンバーで俺に敗れて恨みを抱いている奴(星叶編5話参照)とは愛川の事だったのだ。
「今度こそ、貴方に勝たせてもらうわよ」
そう言って愛川は不敵に笑った。
本戦第一回戦一組目の組み合わせが発表され、フィールド上からは殆どの人がギャラリー席へと移動していた。数分前の喧騒が嘘のように消えている。俺は人の減ったフィールド上を改めて見回していた。
するとカズミネが俺の肩を叩いてくる。
「緊張してる?」
「してない」
「うっそだぁ、そんな生まれたての子鹿みたいな震え方してるのに?」
「これは武者震いさ」
「流石田中さんですね!頑張ってきてください!」
割りと普通に緊張していて、それを素直に認めるのは癪だったので誤魔化したのだが、カズミネにはやはり通用していないみたいだ。こちらを見て苦笑いしている。星叶は流石アホの子だ。将来悪い男に騙されないか心配。
緊張を誤魔化す為に屈伸運動を行う。膝に手をついてみると確かに、震えていた。まぁ気持ちの悪い震えではない。むしろ心地良い。適度な緊張とはこの事なんだろう。
「それにしても、シュウヤはクジ運悪いね。一番最初に愛川さんと当たるなんてさ」
「なんだカズミネ、知り合いか?」
「僕は当然知り合いだけど………ってシュウヤ覚えてないの?」
「覚えてない。というより知らん」
女子の知り合いなどクラスメイトくらいしかいないわ。てか当然知り合いってなんだカズミネ。プレイボーイかよ。
親友の女子との接触率の高さに驚愕を覚えてしまう。しかし、カズミネの言い方だと俺にも面識があるようだ。はて?そんな名前の女子と知り合いだったか?どこかで聞いた気はするが。
キョロキョロと視線を這わせて件の愛川さんを探すが、フィールド上にはまだ人が残っており、どれが愛川さんなのかは判別出来なかった。まぁ試合が始まれば嫌でも顔を合わせるだろう。
「そろそろ戻らないとじゃないのか?」
「ん?ホントだ。じゃあギャラリー席に行ってるよ」
「しっかり応援してますからね!」
「味方はちゃんとここにいるから」
「………おう、サンキュ」
駆け出した星叶を追うように、カズミネもフィールドを後にした。その背に手を振る。そして二人の姿が見えなくなった後、俺はカズミネの言葉を噛みしめる。
味方はここにいる、か。
カズミネらしい言葉だ。上手いことやる気が引き出される。
味方が見てんなら、無様な試合は出来ないわな。胸の奥に熱い何かを感じる。燃え上がってきた証拠だな。
自分の頬を両手でパンッ!と叩いて気合いを入れる。……我ながら威力が強すぎた。結構痛い。
だがその痛みのおかげで、緊張で霞んでいた視界はクリアになっている。震えもいつの間にかに止まっていたみたいだ。その場で深呼吸して、さらに自分を落ち着かせる。
さぁ、本戦開始だ!!
◆◆◆
試合開始まで残す所、3分弱。フィールド上には、俺と対戦相手以外の人の姿は見当たらなくなっていた。
開戦するまで暇だったので、柔軟運動でもしていたのだが、俺は途中であることに気がつく。
「………………………………(ジーーーッ)」
すげぇ睨まれてる。恐らく初対面であろう愛川さんから。
俺は対戦相手の愛川さんへと視線を移す。金髪寄りの明るい茶髪を後ろで一つにまとめ、快活そうな印象を受ける。身長は俺と同じくらいの大きさだ。大きいはずの目は、俺を睨んでいるせいで半分しか開かれておらず、残念な感想しか浮かんでこない。
確実に美少女であるはずなのに、腕を組んで仁王立ちする様はまんま仁王像。阿行が隣にいないのが悔やまれるレベル。
そんな吽形、もとい愛川さんに睨まれ続けては柔軟運動も集中出来ず、中途半端に終わらせた。これが盤外戦術って奴か。柔軟運動をちゃんとやらせないなんてな………ヘヘッ、コイツかなりの強者とみた。まぁそんな事は置いといて。
俺には愛川さんに睨まれ続ける理由がさっぱり思いつかなかった。何か悪い事でもしてしまったのだろうか。だが、美少女に睨まれ続ける程の悪い事をしでかしていたのなら、既に佐藤先生からの鉄拳制裁を頂いているはずなので、その線はないか。
うだうだ理由を考えるより、直接聞いた方が早い。そう思い、愛川さんへと声を掛ける。
「なぁ…」
「あぁ?何よ」
ヒエッ。さっきの2割増で睨まれた。鋭すぎる眼光はまさに蛇だ。
ビビる心を抑えて、俺は愛川さんへと言い返す。
「何よはこっちの台詞なんだが。さっきから睨んで何のつもりだ。俺はアンタとは初対面で何かをした覚えもないんだが」
その言葉を発した瞬間、愛川さんの目が見開かれる。そして前のめりになりながら俺に突っかかってくる。
「はぁ!?初対面!?貴方馬鹿なの記憶能力大丈夫!?」
「おい暴言。俺の記憶能力は正常だぞ」
「私を本当に覚えてないの?」
「アンタみたいな印象強い奴、一度話せば忘れる訳ないだろ」
「なんで覚えてないのよ!!」
むきぃー!と地団駄を踏む愛川さん。あれ……?この仕草どっかで……。
首を捻って愛川さんを思い出そうとする俺に、愛川さんがビシッと指を突きつけてきた。こら、人を指差すな。
「私はしっかりと覚えているわよ!2年前の9月に行われた学年戦のことを!」
「2年前って……中学生の時じゃねーか。そんなの覚えてる訳━━━━」
無い。そう言い切ろうとしたのだが、何かが引っかかった。愛川さんは2年前の9月と、そう言ったんだっけな。それって確か………。
「2年前の9月……俺が、学年戦で準優勝した時………」
「そうよその時よ!なんで自分の栄光が刻まれた日付も覚えてない訳!?」
「だって学年戦って毎月開催されてるし……その内の1回準優勝ってだけじゃ栄光でも何でもないだろ」
「栄光よ栄光!なんてったってこの私を敗ったんだから!」
「愛川さんを、俺が……?」
「そうよ、思い出しなさい。あれは本戦の準決勝での事だったわ」
ふむ。本戦準決勝か………。ちゃんと思い出そうと首を捻る。するとピーンと思い出せた。
「思い出したぞ!お前、割りと手も足も出せずに俺にボロ負けした奴だろ!」
「そ、そそそんな訳あるかい!ちゃんと善戦してたわい!」
俺の思い出し方が悪かったのか、手をワチャワチャと振って慌てる愛川さん。いや、愛川で良いか。
思い出せなくて当然だ。2年前と言えば俺は中二だ。患っていた時期だ。対戦相手の事なんかより、因果やら運命やらに惑わされ、組織や機関との戦闘を重要視してた時期だぞ。
だが、よくよく思い出せば確かに愛川と試合をした思い出もある。あの時は勝利を決めた後「フッ、雑魚が……」って決め台詞を言ってフィールドを出ていった。その時、愛川はさっきみたいな地団駄を踏んでいたはずだ。
「でも思い出したようで安心したわ。これで以前の私と、違うって事がハッキリわかるものね」
愛川は取り乱してたのを落ち着かせた後、偉そうに胸を張った。無い胸が強調されそうでされなかったので注目はしないでおいてやる。武士の情けじゃ。
「ほう……以前のお前と何が違うってんだ」
「フフフ…これを見なさい!!」
ババーンと効果音がつきそうな勢いで、愛川がポケットから取り出したのは腕章。そのデザインに俺は見覚えがあった。何故ならそれは、俺の親友が所持している物と全く同じで━━━━
いや、同じではない。腕章に刻まれている文字が違う。愛川はその腕章を腕にはめて、こちらに見せつける様なポーズを取る。
「月陰学園生徒会書記、1年愛川美里よ。お久しぶりね田中終夜くん?」
「………なるほどな」
道理で以前とは違うと断言出来る訳だ。生徒会メンバーって事は、こいつも生徒会会長に実力を認められたクチだろう。つまり、あの時闘った愛川に比べて今の愛川は、恐ろしい程の成長を遂げているのだ。
止まったはずの震えが起こる。鳥肌が立ち、背筋に冷たい感覚が走る。
昔、カズミネが言っていた生徒会メンバーで俺に敗れて恨みを抱いている奴(星叶編5話参照)とは愛川の事だったのだ。
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そう言って愛川は不敵に笑った。
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