買い食いしてたら、あっというまにお兄様になりました

シンさん

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密偵3

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「そんなに買ってどうする。」
「え、城に持って帰って食べるんです。」
「その赤や黄色や青やらの飴みたいな
物体…。それも食べるのか…?」
「はい。」
「体に良くは無さそうだが…。」
「……まぁ。」

それは誰もが思ってるけどさ。

「あっ!焼き鳥売ってる!」
「……焼き鳥?」
「お店がたまにしか開いてないから、
なかなか食べられないんです!」

そういえば…さっきから王様は何も食べてない。
『俺はいい』
それしか言わない。

「毒見するので食べてみますか?」
「俺はいい。」
「王様ってつまらない職業ですね。毒見しないと物を食べる事もできないんですから。」
「そうかもしれないな。」
「モグモグ…そうです。」
「いつも思うが、もうちょっと綺麗に食べられないのか?」
「いつも思ってたんですか…?」

確かにキレイではないけど、後でふくし別にいい。

「女は綺麗に食べてるぞ。」
「それは王様の世界の話です。ここはそんなルールありません。」
「では、お前の友達は皆そんななのか?」
「……」
「違うんだな。」
「いいんです。こうやって食べてても誰も何も言いません。男にしか見えないので。私はきっと見た目と性別を間違えて生まれて来たんですよ。どちらかに揃えて貰えるなら揃えてほしいですよ。」
「お前はどちらになりたいんだ?」

そう聞かれると困る…

「女…ですけど。結局。」
「結局って、それは当たり前だろう。アリスは女なんだからな。べつに男に変わりたいとしても、それはそれで別にかまわない。」
「何でこんな見…た…め…」
「ん?どうした?」

あの噂…『男が好き』というやつ。
私を知ってる人はいい。男の子みたいだけど女といるのだから、そこまで大きく広まらない。
けど私が女だって知らない人が、私達を見てどう思うだろう?
王様が男とお忍びデート疑惑っ!!
というか、多分確定される!


「王様…」
「何だ?」

この際聞いてみよう。例え断罪が待っていたとしても。

国家機密だとしても…!


「王様、とある噂を知っていますか?…その……申し上げにくいのですが…」
「ああ、俺が男色とかいうやつか。知らない訳がないだろう。」
「知ってたんですかっ!?」
「ああ。別に何でも言わせておけばいい。気にしていない。」
「それは本当の事だからでしょうか…」


しまった!ついつい聞き返してしまった!!今まで誰も聞いたことのないであろう内容を!!

「……お前は俺に何を言いわせたい。」
「申し訳ございません!恋も愛も人それぞれですよね!」
「おまえ、全然フォローになってない事に気がつかないのか?」

たしかにっ!!

「俺は男色ではない。昔、そう思って言い寄ってきた奴をボコボコにした。女も気持ち悪いくらいに寄ってきた。」
「まさか女の人もボコボコに……」

なんて怖い人でしょう。

「そんな訳がないだろう。相手は俺の見た目と王妃の座が欲しいだけ。歪な愛情を向けられても受け止められない。」
「だから結婚しないんですね。王様が好きな人を見つければ、身分を隠して近づいてみてはどうでしょう。」
「…アリス、何故俺達はこんな話をしてるんだ?俺に言うからにはアリスには恋人がいたという事か。」

そんなバカな…。

「…いません。多分一生独り身確定です。」
「何故だ?」

…何度も私を『男みたいだ』と言っておいて、何故と言いますか。さすが王様。

「ご想像にお任せします。」
「悩みがあるなら聞いてやるぞ。」

いいえ、結構です。

「好きな人が出来たときにご相談させてください。」

絶体しないけど。

「いいだろう。」
「いいんだ…。」
「お前が言ったんだろう。」

そうですけどっ!
この会話は強制終了しよう。

「王様、」
「名前で呼べ。」
「は?」

は?とか言ってしまった。殺される!

「その呼び方だと気づかれるだろう。」

いまさら!? 
今まで結構呼んでたのに、今になって急になに?
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