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火蓋2
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相手が馬車で家まで行ってるなら、私の方が絶対早い。
馬車で2日かかる距離。馬を乗り換えて進んでいけば次の日の夕方までにはつける。
向こうも昼過ぎに伯爵邸を出ているとしたなら、それを追い抜ける。
絶対に家にくる。家で立てこもる訳でも何でもない。予想があたっていれば、コックスは侯爵邸でミリオン家の馬車を手に入れて、お父様を連れて逃げる。お父様が『エリザベスのところへ行く』とでも言えば簡単に通すわ。エリザベスが捕まってたというのは、警官や兵士は知らない訳がない。
馬車が家に着くまでが勝負よ。
何をしてでも捕まえてやる…
家までもう少し…馬車が通れる道と馬だけが通れそうな細道、別れて走らせる。
私は馬だけの方。さすがに育った街では迷わない。
邸の前に…馬車はない。窓から穏やかな顔をしたお父様とお母様が見える。
あいつらはまだ邸に来てない…。
「皆は家の中と、外で皆を守ってほしいの。貴方だけはここに戻ってきて。」
「エリザベス様は?」
「私もここに残るわ。あの男達を馬車から引きずり落として見せる。」
敷地に入る門、そこの影にかくれて待った。警察の馬だけがかけてきた場合は私の的外れ。終わりよ。けど、絶対に間違えてない!
「いつでも発砲出来るようにしておいて。」
パカパカ
ガタガタ
馬車が近づく音が聞こえてきた。目を細めてよく見れば、私を拐った馬車と同じタイプ。
来客なんてありえない。
誰かが来る予定なら、どれだけ短時間であってもお母様が普段着なわけないもの。
それに、侯爵家にアポイントメントなしで、この時間にこの馬車に乗って来るような礼儀知らずな人はいない!
門に入る時には馬車は減速する。
そこに病院から盗んできたアンモニアを馬にかけた。確か嫌いな臭いだったはずっ!!もし嫌いじゃなくても驚くわ。
予想通り、馬が驚いて暴れだした。
成功よっ!!
その状況に集まってきた兵士が、馬車を取り囲んだ。
「いたたた…っ!?」
「…グリー、いい度胸してるわね。誰が侯爵邸に入る許可をしたのかしら。」
バキッ
1番に出てきたグリーを私は殴った。
「地獄へ落ちればいいわ…。」
その後伯爵と男が2人出てきた。その3人も捕まえて、一先ずその場は落ち着いた。
「エリザベスっっ!!」
「お父様っ!!」
「何があったんだっ!?」
「そんな事はどうでもいいの。このどちらかが、お父様を脅した人?違うなら言って!!」
この2人のどちらかなのであれば、どういう計画を立てているのかわかる。
『何故それを』と聞きたそうな顔をしているけど、私はそれを無視した。
「ねぇ、この中の男に見覚えは?」
「…この男だ。」
お父様が指差したのは、風貌からして下っ端じゃない。
やっとここまで来たわ。
馬車で2日かかる距離。馬を乗り換えて進んでいけば次の日の夕方までにはつける。
向こうも昼過ぎに伯爵邸を出ているとしたなら、それを追い抜ける。
絶対に家にくる。家で立てこもる訳でも何でもない。予想があたっていれば、コックスは侯爵邸でミリオン家の馬車を手に入れて、お父様を連れて逃げる。お父様が『エリザベスのところへ行く』とでも言えば簡単に通すわ。エリザベスが捕まってたというのは、警官や兵士は知らない訳がない。
馬車が家に着くまでが勝負よ。
何をしてでも捕まえてやる…
家までもう少し…馬車が通れる道と馬だけが通れそうな細道、別れて走らせる。
私は馬だけの方。さすがに育った街では迷わない。
邸の前に…馬車はない。窓から穏やかな顔をしたお父様とお母様が見える。
あいつらはまだ邸に来てない…。
「皆は家の中と、外で皆を守ってほしいの。貴方だけはここに戻ってきて。」
「エリザベス様は?」
「私もここに残るわ。あの男達を馬車から引きずり落として見せる。」
敷地に入る門、そこの影にかくれて待った。警察の馬だけがかけてきた場合は私の的外れ。終わりよ。けど、絶対に間違えてない!
「いつでも発砲出来るようにしておいて。」
パカパカ
ガタガタ
馬車が近づく音が聞こえてきた。目を細めてよく見れば、私を拐った馬車と同じタイプ。
来客なんてありえない。
誰かが来る予定なら、どれだけ短時間であってもお母様が普段着なわけないもの。
それに、侯爵家にアポイントメントなしで、この時間にこの馬車に乗って来るような礼儀知らずな人はいない!
門に入る時には馬車は減速する。
そこに病院から盗んできたアンモニアを馬にかけた。確か嫌いな臭いだったはずっ!!もし嫌いじゃなくても驚くわ。
予想通り、馬が驚いて暴れだした。
成功よっ!!
その状況に集まってきた兵士が、馬車を取り囲んだ。
「いたたた…っ!?」
「…グリー、いい度胸してるわね。誰が侯爵邸に入る許可をしたのかしら。」
バキッ
1番に出てきたグリーを私は殴った。
「地獄へ落ちればいいわ…。」
その後伯爵と男が2人出てきた。その3人も捕まえて、一先ずその場は落ち着いた。
「エリザベスっっ!!」
「お父様っ!!」
「何があったんだっ!?」
「そんな事はどうでもいいの。このどちらかが、お父様を脅した人?違うなら言って!!」
この2人のどちらかなのであれば、どういう計画を立てているのかわかる。
『何故それを』と聞きたそうな顔をしているけど、私はそれを無視した。
「ねぇ、この中の男に見覚えは?」
「…この男だ。」
お父様が指差したのは、風貌からして下っ端じゃない。
やっとここまで来たわ。
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