【R18】今夜私は義弟に抱かれる〜不治の病に侵された夫は寝取られに目覚めてしまった模様です〜

栗花

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12 レティーとジョルジュ①☆

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 ハミルトン公爵家の当主夫人。

 それは後継ぎを産むことが一番の仕事で、今のところ夫の身体能力が失われている状況では、かなり微妙な立ち位置だった。

 夫の怪我も心臓の持病も、これ以上回復する見込みがない。

 そうなると、私は夫から種をもらえず子は望めないのだから、この公爵家には不要ではないかと言い出している人もいるみたいだった。



 ジョルジュが怖れていたのはこういう事だったのね。

 まさかこんなにからさまにあざけられる日が来るなんて、前もって教えてもらっていなかったら、耐えられなかったかもしれないわ。



 でも、私の夫は本当に私のことを気にかけてくれていて、先手を打ってくれた。

 最初にその話を聞いた時は本当に驚いたしショックだったけど、今ならジョルジュがなぜあんなことを言い出したのか理解できる。



 * * * * *



「レティーはニコラスをどう思う?」

「どうって?」



 なんの前置きもなく聞かれた私は、意図が分からず首を傾げた。



「ニコラスは女性に人気があるだろう? レティーから見たら、どんなふうに見えるのかと思ってな」

「……そうですねぇ。確かに見目の良い男性ではあると思います。でも、私は家族ですから……」

「家族といっても本当に義弟おとうとと思ってはいないだろ?」

「え? それは……義弟おとうとでもニコラスは年上ですものね。優しいし頼りになりますし、どっちかって言うと義兄あにに近いと思いますわ」



 正直に答えたはずだけど、ジョルジュの求めている答えではなかったみたいで、ちょっと困ったような顔をされた。



「私はこんな体だ。もう自分の足で立つことはできないし、心臓もそれほど長くは持たないらしい。このままでは私の死後、レティーのことが心配なんだ」

「まぁ、縁起でもない。まだまだ私のそばにいてくれなくては嫌よ?」

「ふふふ。可愛いことを言う。でもね、現実を見なければならないこともある」



 力なく笑ったあと、ジョルジュは最悪の状況を想定して、彼がいまできる最良の手を打っておきたいと言い出した。



「ニコラスの子を私が!?」

「そうだ。そうすればレティーの生活が揺らぐこともない」

「そんな……でも私、ジョルジュが居なくなってすぐに再婚なんて、きっと無理だわ」

「本当の妻として迎えてもらうには、初夜は早目に済ますほうが良いのは分かるだろう?」

「早目にって?」

「できたら、葬式が済む前に……」

「ひ、非常識よ。夫の弔いが済む前なんて、私にはできないわ」



 突飛なことを聞かされて、思わず椅子から立ち上がってしまった。



「落ち着いて。現在の当主夫人がまだ若ければ、次の当主がそのまま妻に迎えるのはこの辺りの風習で、よくあることだ」

「だからって、そんなに早くは……」

「聞くんだレティー。その場合でも、原則は前当主──つまり私の子を産んでいるか、はらんでいるか、普通はどちらかなんだ」

「え? それだと私は……」

「私がこんな体になった以上、私の子を産むことはできないだろう。そういう場合、次期当主のニコラスとレティーが、男女の関係になる必要がある」

「だから、ニコラスのことをどう思うかって聞いたのね?」

「あぁ。レティーの意思を確認したかった」



 そんな話から、私は何日もかけて説得され、あの日を迎えたのだった。



 * * * * *



「何を考えていた?」

「ごめんなさいジョルジュ。ちょっと、以前のことを……」

「もしかして、ニコラスとのことを気にしているのかい?」

「……だって、あなたの妻なのに……」



 ジョルジュとただ隣で眠るだけの夜。

 私はどうしても罪悪感が湧き上がってくる。

 いくら夫の願いでも、義弟おとうとと関係を持つなんて間違っていると……。



「レティー、自分を責めないでくれ。元はと言えば私の体が動かないのがいけないんだ。それに、もしニコラスの子ができても、それは私にとってかわいい甥か姪なんだ」

「それはそうだけど……」

「しかもニコラスには悪いが、いま子ができれば、その子は私の子として届け出るんだよ? 私のほうがよっぽど酷い男だ」



 ジョルジュは本気でそう言うけど、彼が私を愛してくれているのは痛いほど分かっている。
 そんな彼が、自分の妻を弟に抱かせるなんて、相当つらいと思う。



 それなのに私は……。



 最近の私はどうかしているとしか思えない。

 ニコラスはジョルジュから『自由に抱いていい』とお墨付きをもらっているからか、彼は私の体で気持ちよくなりたいらしい。
 私はジョルジュとしたことのない卑猥ひわいな行為に戸惑とまどい、ニコラスに翻弄ほんろうされてしまっていた。

 そしてもっと困ったのは、ニコラスは私が快楽で乱れたり、もだえたりする時の声を聞きたがるのだ。
 私は何度羞恥に耐え、快楽を味合わされたか……。

 その度に、いま屈辱に耐えているであろうジョルジュに、申し訳なく思ったことか分からない。

 そしてそんな気持ちでいると、ニコラスに知られるのも避けたい。
 だって、彼が悪いわけではないのだから。

 彼はある意味被害者で、こんなお下がりの兄嫁を抱くなんて、普通の行為だけではその気にならないんだと思う。



「レティー?」



 呼ばれて我に帰ると、ジョルジュに抱き寄せられ、唇をふさがれていた。

 上半身は問題なく動くから、こうしていると彼の体が不自由だと忘れそうになる。



「ジョルジュ……」

「最近は毎日ニコラスに貸してしまっていたからね。たまには私にも触らせておくれ」



 返事を聞くつもりはないらしく、ジョルジュの手は私の胸を揉み始めた。
 慣れた様子で弱いところをで、その頂をグリグリといじる。



「あ……」



 私はジョルジュに触られるといつだって気持ち良くなって『ダメ』とか『イヤ』とか言ってるのに、それは何の抑止力にもならない。

 むしろ恥ずかしがっている姿を見せて、彼を欲情させてしまうようだった。

 今だってもう、股の辺りがムズムズする。

 両足を擦り合わせてそれの感覚を何とか逃がそうとするけど、気が付いたジョルジュの手が伸ばされ、下着の割れ目から指が入れられてしまった。

 そうなるともう、私が何を言っても説得力など有りはしない。

 だってそこは……隠しようもないくらいヌメヌメだから。



「もうこんなになって……レティーは本当に感じやすいな」

「そんなこと言わないで……」

「でも、ほら。こんなだよ?」



 そう言って指で割れ目をなぞり、上の方にある突起に溢れる蜜を塗りたくる。



「あっ! やん……そこは……」

「ここ、好きだろ?」



 最近のジョルジュは入れられない分、私を指でイカせることを覚えてしまったようで、こうして私のいい場所をイジるようになってきた。

 私は堪らずジョルジュに縋りつき、無意識に彼の下半身を弄ってしまう。

 腹筋から腰や太ももを撫で、無意識に彼の股間に手が伸びる。

 こんなこと、ニコラスに教わるまではしたことがなかったけれど、彼に色々教わる内にジョルジュのアソコに触れたいと思うようになっていた。

 今日も我慢できなくて、本当なら彼の大きな男根を私の中に挿入れて欲しくて、彼が傷つくかもと頭の片隅で考えながら、それでも手は彼の股間をっていく。



「え?」

「あ!」



 二人の声が重なった。

 私は手に触れたソレを……やわやわと握ってしまう。



 芯を持ってる?
 まさか……ってるの!?



「ジョルジュ……」

「レティー!?」



 握った手をそっと開けば、そこには半勃ちのジョルジュのおちんちんが下着の隙間から顔を覗かせていた。



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