The Eternity of Realms: Causal Nexus （永遠の領域: 因果の結節）

序章

2話 闇を裂く光

 闇を裂く光

冷たい風が吹き荒れる夜、ライナスは夢とも現実ともつかない不思議な感覚に包まれていた。彼は、光と闇が交錯する場所に立っている。見渡す限り、無数の星々がきらめき、しかしその先には果てしない闇が広がっていた。

「ここは……一体どこなんだ？」

ライナスは、自分が立っている場所を確かめようとしたが、足元には何もなく、ただ無限の虚空が広がっているだけだった。彼の心には不安が渦巻き、全身に冷や汗が滲む。

その時、彼の前に突然、漆黒の影が現れた。それは、人の形をしているが、その輪郭は闇に溶け込み、明確には見えない。その存在は、静かにライナスを見つめていた。

「誰だ……？君は……」

ライナスは恐る恐る声をかけたが、影は答えなかった。ただ、じっと彼を見つめ続けている。その視線には、計り知れない力が込められているように感じられた。

「君が……ライナスか。」

その声は、深い谷底から響いてくるようで、ライナスの全身を震わせた。彼はその声に圧倒され、動くことができなかった。

「君には運命が託された。だが、その運命は試練を伴う。君がこの先、何を選び、どう行動するかで、全てが決まる。」

影の言葉が終わると同時に、ライナスの目の前に一筋の光が差し込んできた。その光は、運命の鎖が光り輝きながら、ゆっくりと彼の方へと近づいてきた。

「これは……一体……？」

ライナスは、その光に手を伸ばし、運命の鎖を掴んだ。すると、体中に熱が走り、何かが彼の中で目覚める感覚が広がった。心臓の鼓動が速まり、息が苦しくなるほどの圧力が彼を襲った。

「これは……僕の運命……？」

光が彼の手の中で脈打つように輝き、その輝きが次第に強くなっていく。ライナスは、その力に飲み込まれそうになりながらも、なんとか耐え抜こうと必死だった。

「運命は、君自身が切り開くものだ。誰かに決められたものではない。君自身の意思で、未来を選ぶんだ。」

影の言葉が、ライナスの心に深く響いた。彼は、胸の中で何かが燃え上がるのを感じた。恐怖や不安を超えて、彼はこの運命を受け入れる覚悟を決めた。

「僕は……この運命を……切り開く！」

彼がそう叫んだ瞬間、運命の鎖が眩い光を放ち、その光が闇を切り裂いた。その光が広がり、全ての暗闇を追い払うかのように、ライナスの周囲を照らし出した。

しかし、その光が消えた瞬間、ライナスは再び現実に戻されていた。彼は、自分の部屋のベッドの上で、汗だくになって目を覚ました。

「今のは……夢……だったのか？」

ライナスは、深い息をつきながら、自分の手を見つめた。だが、手の中には何も残っていなかった。ただ、心の奥底には、あの光の余韻が確かに残っていた。

「これから……何が始まるんだ……？」

ライナスは、運命が大きく動き始めたことを感じ取っていた。そして、その運命が、彼自身の選択によってどのように変わるのかを、今はまだ知る由もなかった。