【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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[@シロサイ 特別上手いとか思わない]
[@シロサイ 味方の動き見てないでしょ?]
[@シロサイ 変態発言多すぎ]
[@シロサイ キモいんですけど]
[@シロサイ 万年発情期]

 普段のコメントがそんな感じだ。

 ミュートにしてもいいのだが、気にしてるとか思われるのがイヤなので徹底して反応しないことにしている。

 クールなイケメンプロゲーマーとしては、器の大きいイメージが大事だからな。

 視聴者が多いということはアンチが生まれて然るべきではあるが、シロサイは俺がプロゲーマーとして、事務所 -SHIKABANE- に所属した当初からのリスナーである。
 長期に渡って絡んでくるので、一時期は逆に俺のことが好きなんじゃないかと思ったこともある。

 だが戦略だけではなく人間性にも否定的な発言をされるので俺の中でシロサイは〝童貞アンチ野郎〟なのだ。

 そういえば今日の配信中にもなんか言ってたような気がするな。俺のスルースキルも上がってるらしい。

「めんどくせぇな……」

 だがこれもミュートしないのと同じで、逃げたと思われるのがイヤなので受ける。

【シロサイ: ソロ対戦お願いします】
【ムジンフリーリィ: 1回だけ】

 早く終わらせようとサクサク対戦開始したものの、装備と武器が配信中の仕様のままだったことに気づく。

「うわ最悪。ソロ用じゃねぇのに」

 ソロとチームでもちろん装備も戦い方も変わる。いわば裏方仕様での装備に萎える。だが。

 対戦途中で所持装備の交換は出来ないが、腐ってもプロゲーマーである。
 最低限の装備でも、軽く攻略してやるよ。

「かかったなシロサイ!」

 狙い通りの位置に誘い込み仕掛けていた地雷で体力を半分削ることに成功。吹き飛ばされたシロサイを狙い俺は襲撃しに走り込む。

 しかしシロサイはもはやそれを知っていたかのように、一瞬にして時限爆弾を設置していた。
 俺はまんまと爆発に巻き込まれ、動けなくなるロスタイムを喰らう。そして立ち上がったシロサイに正面から銃撃され、撃破された。

「っくそが」

 プロゲーマーだろうと装備含め準備が出来ていなければ最高のパフォーマンスなどできるまい。
 逆にプロゲーマーだからこそ、下準備をナメることなく仕上げて出向くべきだと知っているのだ。

 ふん。俺は柔軟なのだ。
 軽く攻略するとか考えていたのは、過去の話だ。

【ムジンフリーリィ: ワンモア】
【シロサイ: プライドですね】
【ムジンフリーリィ: ラスト】

 ソロ対戦に徹した装備がワンタッチで読み込まれる。これで負ける気はしない。

 第2ラウンドが始まった瞬間から俺のペースに巻き込み、当たる攻撃しかしない。
 ここぞというタイミングで完全にチェックメイト。

 シロサイの反撃を一度も許すことなく俺の体力はフルのまま勝敗は喫した。

 完勝である。

【シロサイ: チートっぽい】
【ムジンフリーリィ: おつあり】
【シロサイ: 今度は必ず落とす】

 余計なことを言わせないよう、早々にログアウト。

 この場合は勝ち逃げではなく、忙しさアピールなのだ。決して逃げたのではない。

 次も相手するかどうかは気分次第だ。

 負けたのが配信中じゃなくて良かった。




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