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Lv.4 勇者のプライベート
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昔から人気の格闘ゲームの大会が開かれた。
一般人にも楽しめるようにと企画されているため、参加者は全国から多数が集まり予選と本戦の2日間の日程で開催される。
参加者のレベルが高すぎると一般人のやる気を削ぐ可能性もあるため、今回の大会ではプロの投入率は低めに設定された。
プロゲーマーの参加はゲーム自体の可能性を広げるデモンストレーションのような立ち位置ではある。
俺の所属する事務所-SHIKABANE- からは俺だけが参加したが、別の事務所からもプロゲーマーはもちろん参入してくるので負けられない。
そこで知り合いのゲーマーに久しぶりに会った。
「ムジンくん久しぶり」
「マトビ。またおっぱい大きくなった?」
「確かめてみる?」
「うん確かめる」
マトビは一般人でありながら格闘ゲームがそれなりに上手い、美人な年上のお姉さんである。
数年前に別の格闘系の大会で知り合い、それから大会で会うたび非常に友好的に接してくれる。
「マトビはチュンリ?」
「もちろん。ムジンくんは?」
「まだ決めてない。相手次第かな」
格闘ゲームは基本的に自分の気に入った推しキャラで統一する傾向がある。
キャラごとに発射するスキルや奥義の入力コマンドが違うので、その操作を身体に覚えさせるためである。
「さすがプロはどのキャラも自由自在なのね」
「俺の指さばき知ってるでしょ? マトビは特に」
「あっはは。確かにね」
マトビは自然と腕を絡めてきた。
会場には数百を超える人間が居て、観客はもちろん見覚えのあるゲーマーも多数集まっている。
「あの人が先月、関西大会で優勝したいなり寿司さん。あっちは確か北海道最強って言われてるモロコシヘイヤさん」
見覚えはないが、名前だけは聞いたことがある。
もしかすると今日、実際に対戦する相手が居るかも知れない。強者は覚えていて損はない。
「それからあの子。最近名前が知られてきてる、伸び盛りのシロサイちゃん」
「シロサイ?」
俺はその名に眉根を寄せて目を向けた。
童貞アンチ野郎もここに来ているとは。
そちらを見ると、童貞っぽい奴らがたくさん居てどれがシロサイか見極められない。
「どれ?」
「あの赤髪の子」
1人だけ該当する奴が居たが、意外すぎてすぐには認知できなかった。
「……女?」
「そう。見た目も可愛いから最近、オンラインで対戦人気が高まってるみたいよ」
意外すぎた。
童貞と決めつけていた通り、シロサイはエロ話が苦手な中坊男子かとばかり思っていた。
俺の視線を感じたのか、シロサイと目が合った。
思わず逸らしそびれて見つめ合う形になったが、シロサイはむしろ身体ごと正面を向けてきた。
マトビが言った通り、見ようによっては可愛いと言われるタイプではある。
特にゲームが好きなオタク界隈では人気が集まって当然な高レベルかもしれない。
だが。
無表情が過ぎる。
軽く睨まれた気がしたが、童貞でも野郎でもないアンチ小娘など気にかけることもない。
しれっとその場を移動して、マトビと他者のプレイを観戦しながら自分たちのプレイ順番を待った。
一般人にも楽しめるようにと企画されているため、参加者は全国から多数が集まり予選と本戦の2日間の日程で開催される。
参加者のレベルが高すぎると一般人のやる気を削ぐ可能性もあるため、今回の大会ではプロの投入率は低めに設定された。
プロゲーマーの参加はゲーム自体の可能性を広げるデモンストレーションのような立ち位置ではある。
俺の所属する事務所-SHIKABANE- からは俺だけが参加したが、別の事務所からもプロゲーマーはもちろん参入してくるので負けられない。
そこで知り合いのゲーマーに久しぶりに会った。
「ムジンくん久しぶり」
「マトビ。またおっぱい大きくなった?」
「確かめてみる?」
「うん確かめる」
マトビは一般人でありながら格闘ゲームがそれなりに上手い、美人な年上のお姉さんである。
数年前に別の格闘系の大会で知り合い、それから大会で会うたび非常に友好的に接してくれる。
「マトビはチュンリ?」
「もちろん。ムジンくんは?」
「まだ決めてない。相手次第かな」
格闘ゲームは基本的に自分の気に入った推しキャラで統一する傾向がある。
キャラごとに発射するスキルや奥義の入力コマンドが違うので、その操作を身体に覚えさせるためである。
「さすがプロはどのキャラも自由自在なのね」
「俺の指さばき知ってるでしょ? マトビは特に」
「あっはは。確かにね」
マトビは自然と腕を絡めてきた。
会場には数百を超える人間が居て、観客はもちろん見覚えのあるゲーマーも多数集まっている。
「あの人が先月、関西大会で優勝したいなり寿司さん。あっちは確か北海道最強って言われてるモロコシヘイヤさん」
見覚えはないが、名前だけは聞いたことがある。
もしかすると今日、実際に対戦する相手が居るかも知れない。強者は覚えていて損はない。
「それからあの子。最近名前が知られてきてる、伸び盛りのシロサイちゃん」
「シロサイ?」
俺はその名に眉根を寄せて目を向けた。
童貞アンチ野郎もここに来ているとは。
そちらを見ると、童貞っぽい奴らがたくさん居てどれがシロサイか見極められない。
「どれ?」
「あの赤髪の子」
1人だけ該当する奴が居たが、意外すぎてすぐには認知できなかった。
「……女?」
「そう。見た目も可愛いから最近、オンラインで対戦人気が高まってるみたいよ」
意外すぎた。
童貞と決めつけていた通り、シロサイはエロ話が苦手な中坊男子かとばかり思っていた。
俺の視線を感じたのか、シロサイと目が合った。
思わず逸らしそびれて見つめ合う形になったが、シロサイはむしろ身体ごと正面を向けてきた。
マトビが言った通り、見ようによっては可愛いと言われるタイプではある。
特にゲームが好きなオタク界隈では人気が集まって当然な高レベルかもしれない。
だが。
無表情が過ぎる。
軽く睨まれた気がしたが、童貞でも野郎でもないアンチ小娘など気にかけることもない。
しれっとその場を移動して、マトビと他者のプレイを観戦しながら自分たちのプレイ順番を待った。
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