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Lv.4-2
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マトビは負けて悔しがったが、もともとゲームは楽しむためにやっている人だ。
すぐに練習し直すよ! と明るく切り替えた。
予選を難なく通過した俺のところに祝いを言いに来るゲーマー仲間も居て、顔見知り程度の人にもとりあえずありがとうを返した。
初めて挨拶した人も居るくらいで、大会のたびに知り合いは増える。
「知らない男に話しかけられるより、可愛い女の子から声をかけられたい。って顔してるよ?」
「その通りだよ?」
マトビに気持ちを言い当てられて、俺は正直に答えた。会場には若い女子も多いと言うのに、話しかけてくる初めましては男ばかりだ。
「もしやマトビがずっと隣に居るから、声掛けづらいんじゃなかろうか」
「だとしたら独占できるし正解だったわ」
「責任取ってよねっ」
「え? そのつもりだけど?」
彼女でもないのにマトビはまた腕を絡めてきた。
熱烈な女は嫌いじゃないし、責任取ってくれるのだから文句はない。
イベントが行われるのはさすが都会である。
会場を後にしてからも景色はそう変わらず、目的地までの距離は何ら障害にはならない。
腕に絡みついた腕を解くことなく、俺たちはタクシーと徒歩である場所へ向かった。
ラブホテルである。
その空間に入ってすぐお互いを求め貪るように唇を押し付け合った。開いた口の中で舌が絡めば、そのまま大きなベッドに雪崩れ込む。
「んっ……はぁっ」
マトビの息が荒くなると、俺の感情も熱く湧き立ってくる。
俺とマトビは急に、今日初めてそういう関係になろうと決めたわけではない。
以前からこういう関係なのだ。
繰り返すキスの合間に胸元からシャツのボタンを外していけば、マトビは俺の服を剥ぎ取ろうとしてそれに協力する。
はだけたシャツの合間に豊満な山が見えれば目が喜び、思わず柔らかさを求めて吸い付いた。
同時に下着まで取り上げしまう。
「あんっ。なんか今日、焦ってる?」
気付けば俺の手はすでにマトビのジーンズのジッパーを下ろし薄い布の中へと侵入を開始していた。
言われてみれば、いつもより焦燥感がある気がする。上がりきった興奮に気づかないくらい、俺はしたくてたまらないらしい。
「最近、溜めに溜められてたもんで」
「へぇ? んっ……あぁっ」
麻央がスローな導入を好む分、しばらくそれに合わせてたからかマトビとの激しい交わりは新鮮に感じた。
特に麻央相手には、自分が発射せずに終わる。
溜まって当然の生活だったわけだ。
「激しいの……っ嫌いじゃない……んぁっ」
「知ってる」
どんどん身包みを剥ぎ合っていくのに、身体はどんどん温まっていった。
「指の動き……やっぱり……っすごいぃ」
気付けば肌と肌の密着は容赦なくなって、肌と肌の擦れる音と湿気を含んだ音、2人の呼吸音と小さく漏れる声だけが部屋の中に満ちていった。
一部を繋げてからは、マトビの喘ぎ声が1オクターブ上がった。
悲鳴にも似たそれは、俺の自己肯定感を増した。
自分の中から大量の何かが放出されたのに、俺の中は満たされていた。
「彼氏できたんだよね」
「え、マジ?」
一頻りもニ頻りも交わりまくったあとにマトビに恋人ができたことを知った。
「でも別れよっかなー」
「なんで? 付き合い始めたの最近じゃないの?」
「ムジンくんのセックスが良すぎて。責任取って」
「それは知らん」
しかしマトビに彼氏ができる前からの関係とは言え、この状況はいわゆる寝取りってやつじゃないの?
俺そんなつもりないよ?
「別れるから私と付き合ってよ」
「付き合わん」
「身体だけだったのっ?」
「最初から身体だけでしょ」
「そうだけどーーー冷たいな」
このセフレ関係が始まったのもマトビからのお誘いが最初である。
その時からはっきり言ってたのは、好きとか恋人になるとかの重い関係は勘弁ってことだ。
そしてそれをマトビも受け入れて、お互いに納得した関係がここに構築されたのである。
「マトビ、どうせ本気じゃないでしょ?」
「バレたか」
俺が女を弄ぶ酷い奴なのではなく、マトビも納得の上なのだ。誰に文句言われる筋合いもない。
「本戦がんばってね」
「明日は来ないの?」
「私はもう予選落ちたし」
「そっか来ないのか……」
「何? 寂しいの?」
マトビがニヤっと笑った。
俺は隣で寝転がるマトビを抱き寄せると、脚も使って全身で巻きつき身動きを封じる。
「それならもう一発ヤッとこっか!」
「ムジンくんセックス強すぎー!」
とか言いながらも、マトビはすぐに本気スイッチを入れることを俺は知っている。
次のラウンドも真剣に取り組んだ。溜まりに溜まった性欲を吐き出すと身も心も洗練されたようにスッキリ。
ゲームがきっかけで知り合った女ではあるが、こうして身包みを剥いで裸の付き合いとなれば付き合いの長さなど関係ない。
マトビはただの一般女性だし、今の俺は名のあるプロゲーマーでも何でもない。
1人の男に戻った完全なプライベートである。
余計な荷物を下ろして身軽になった気分は、欲しかったレア武器を手に入れ、出陣するに相応しい装備を整えきった時と似ている。
明日の格闘大会では無双できる気がした。
すぐに練習し直すよ! と明るく切り替えた。
予選を難なく通過した俺のところに祝いを言いに来るゲーマー仲間も居て、顔見知り程度の人にもとりあえずありがとうを返した。
初めて挨拶した人も居るくらいで、大会のたびに知り合いは増える。
「知らない男に話しかけられるより、可愛い女の子から声をかけられたい。って顔してるよ?」
「その通りだよ?」
マトビに気持ちを言い当てられて、俺は正直に答えた。会場には若い女子も多いと言うのに、話しかけてくる初めましては男ばかりだ。
「もしやマトビがずっと隣に居るから、声掛けづらいんじゃなかろうか」
「だとしたら独占できるし正解だったわ」
「責任取ってよねっ」
「え? そのつもりだけど?」
彼女でもないのにマトビはまた腕を絡めてきた。
熱烈な女は嫌いじゃないし、責任取ってくれるのだから文句はない。
イベントが行われるのはさすが都会である。
会場を後にしてからも景色はそう変わらず、目的地までの距離は何ら障害にはならない。
腕に絡みついた腕を解くことなく、俺たちはタクシーと徒歩である場所へ向かった。
ラブホテルである。
その空間に入ってすぐお互いを求め貪るように唇を押し付け合った。開いた口の中で舌が絡めば、そのまま大きなベッドに雪崩れ込む。
「んっ……はぁっ」
マトビの息が荒くなると、俺の感情も熱く湧き立ってくる。
俺とマトビは急に、今日初めてそういう関係になろうと決めたわけではない。
以前からこういう関係なのだ。
繰り返すキスの合間に胸元からシャツのボタンを外していけば、マトビは俺の服を剥ぎ取ろうとしてそれに協力する。
はだけたシャツの合間に豊満な山が見えれば目が喜び、思わず柔らかさを求めて吸い付いた。
同時に下着まで取り上げしまう。
「あんっ。なんか今日、焦ってる?」
気付けば俺の手はすでにマトビのジーンズのジッパーを下ろし薄い布の中へと侵入を開始していた。
言われてみれば、いつもより焦燥感がある気がする。上がりきった興奮に気づかないくらい、俺はしたくてたまらないらしい。
「最近、溜めに溜められてたもんで」
「へぇ? んっ……あぁっ」
麻央がスローな導入を好む分、しばらくそれに合わせてたからかマトビとの激しい交わりは新鮮に感じた。
特に麻央相手には、自分が発射せずに終わる。
溜まって当然の生活だったわけだ。
「激しいの……っ嫌いじゃない……んぁっ」
「知ってる」
どんどん身包みを剥ぎ合っていくのに、身体はどんどん温まっていった。
「指の動き……やっぱり……っすごいぃ」
気付けば肌と肌の密着は容赦なくなって、肌と肌の擦れる音と湿気を含んだ音、2人の呼吸音と小さく漏れる声だけが部屋の中に満ちていった。
一部を繋げてからは、マトビの喘ぎ声が1オクターブ上がった。
悲鳴にも似たそれは、俺の自己肯定感を増した。
自分の中から大量の何かが放出されたのに、俺の中は満たされていた。
「彼氏できたんだよね」
「え、マジ?」
一頻りもニ頻りも交わりまくったあとにマトビに恋人ができたことを知った。
「でも別れよっかなー」
「なんで? 付き合い始めたの最近じゃないの?」
「ムジンくんのセックスが良すぎて。責任取って」
「それは知らん」
しかしマトビに彼氏ができる前からの関係とは言え、この状況はいわゆる寝取りってやつじゃないの?
俺そんなつもりないよ?
「別れるから私と付き合ってよ」
「付き合わん」
「身体だけだったのっ?」
「最初から身体だけでしょ」
「そうだけどーーー冷たいな」
このセフレ関係が始まったのもマトビからのお誘いが最初である。
その時からはっきり言ってたのは、好きとか恋人になるとかの重い関係は勘弁ってことだ。
そしてそれをマトビも受け入れて、お互いに納得した関係がここに構築されたのである。
「マトビ、どうせ本気じゃないでしょ?」
「バレたか」
俺が女を弄ぶ酷い奴なのではなく、マトビも納得の上なのだ。誰に文句言われる筋合いもない。
「本戦がんばってね」
「明日は来ないの?」
「私はもう予選落ちたし」
「そっか来ないのか……」
「何? 寂しいの?」
マトビがニヤっと笑った。
俺は隣で寝転がるマトビを抱き寄せると、脚も使って全身で巻きつき身動きを封じる。
「それならもう一発ヤッとこっか!」
「ムジンくんセックス強すぎー!」
とか言いながらも、マトビはすぐに本気スイッチを入れることを俺は知っている。
次のラウンドも真剣に取り組んだ。溜まりに溜まった性欲を吐き出すと身も心も洗練されたようにスッキリ。
ゲームがきっかけで知り合った女ではあるが、こうして身包みを剥いで裸の付き合いとなれば付き合いの長さなど関係ない。
マトビはただの一般女性だし、今の俺は名のあるプロゲーマーでも何でもない。
1人の男に戻った完全なプライベートである。
余計な荷物を下ろして身軽になった気分は、欲しかったレア武器を手に入れ、出陣するに相応しい装備を整えきった時と似ている。
明日の格闘大会では無双できる気がした。
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