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Lv.5 勇者は女に弱いわけではない
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隣にマトビが居なくても、いきなり話しかけてくる熱烈な女子は居ないらしい。
別に取って食いやしないのに。
照れてるのか?
恥ずかしくてドキドキしちゃうのか?
予選の時よりガチ勢が増えていて、キャピキャピしたミーハーギャルが少ないのも一つの要因だな。
今日の俺は本戦に参加するため、昨日と同じ会場に来ていた。
目的は大会への出場であるが、出会いを求めちゃいけないなんてルールは大会の規定にも注意事項にもなかった。
別に可愛い子と出会いたいとか思っているわけではない。昨日マトビにお世話になったばかりだし、性欲が溜まってるとかでもない。
ただ、男としては俺に興味を持ってくれる女が居たらそりゃあ嬉しいだろ。
だからいつ話しかけられても良いように、俺の心の扉をフルオープンにしているだけだ。
ついでに女の匂いセンサーも稼働中である。
昨日の予選はクジ割で決められたグループでの総当たり戦。残ったのは各ブロック内で勝ち上がった、成績上位の12名のみ。
本戦はトーナメントとなるが、俺が最大の敵だと認識しているのは前回大会で優勝者の[紅のタブー]さんただ1人。
会場に漂う雰囲気からも、紅さんと俺のガチバトルを期待されているのが分かる。
まるで仕組まれたクジを引かされたかのように、トーナメント表では逆サイドに位置した。
前回は俺が不参加だったために優勝できただけのラッキー勝利だったと思い知らせてやらねば。
その意気込みはすぐに打ち砕かれた。
別に俺が負けたわけじゃない。
紅さんが、ノーマークのルーキーに負けたのだ。
『まさかまさかの大番狂わせです! 優勝候補として期待されていた紅のタブーが、突如として現れた新星シロサイに敗れました!』
マイクを通した実況の声が会場内に響いた。
シロサイ……だと?
聞き間違えではなかった。
肩を落とした紅さんの向かい側で、無表情にも小さくガッツポーズを見せていたのはあの赤髪のアンチ小娘、シロサイだった。
『一般枠から予選を通過した唯一の女性プレイヤーですが、プロ顔負けのコンボが素晴らしいかったです!』
会場内が湧いたのは本命が2回戦負けという思いがけない展開にか、それともゲーム界隈では目を引く見た目のシロサイが良いからか。
とにかく生意気にも実力はあるらしい。
シロサイもトーナメント表では逆サイドなので、もしこのまま勝ち上がり俺と相まみえることになるとすれば優勝戦である。
紅なき今、俺には優勝の2文字が当たり前の獲得であるように思えた。
その予想通り、予選を勝ち抜いてきた出場者ではあったが本戦出場者たちも俺の敵ではなかった。トーナメントを順調に勝ち進み、最後の勝負を迎えた。
相手はやはりというべきか、あいつだ。
実況者は最後の戦いを盛り上げようとマイクで勢いよく華を添える。
『やはりこの男がここに立ちました。無駄のないスティック捌きと、正確な高速コマンドで相手に隙を与えない! 縦横無尽な動きからその名がつけられた、ムジンフリーリィ!』
幾台かのカメラ、会場全員の視線と歓声を浴びて、中央ステージに登壇した。
この上から見る景色も見慣れたものだ。
次に向こう側から上がってくるのは、あいつだ。
『本大会、大本命の紅のタブーを沈めた注目のルーキー! その限界はまだ未知数だが、操作するキャラクターが華麗に舞う姿はまるで意志の宿る分身体。その手腕は本物だ!シロサイ!』
登壇したシロサイは観客やカメラに目を向けることもなく、俺を真っ直ぐ見つめてきた。
目が合えば俺から逸らす必要もない。
今日一日を通して見た女の中でも一番力強い目をしている。熱量高く、まるで俺との距離を詰めるタイミングをやっと迎えたかのような色。
見つめるというより、睨まれているなこれは。
見据えたといった感じで非常に生意気である。
女としてのそれか、アンチとしてのそれか。
俺はそいつを倒すだけだ。
もちろんゲームの中で。
別に取って食いやしないのに。
照れてるのか?
恥ずかしくてドキドキしちゃうのか?
予選の時よりガチ勢が増えていて、キャピキャピしたミーハーギャルが少ないのも一つの要因だな。
今日の俺は本戦に参加するため、昨日と同じ会場に来ていた。
目的は大会への出場であるが、出会いを求めちゃいけないなんてルールは大会の規定にも注意事項にもなかった。
別に可愛い子と出会いたいとか思っているわけではない。昨日マトビにお世話になったばかりだし、性欲が溜まってるとかでもない。
ただ、男としては俺に興味を持ってくれる女が居たらそりゃあ嬉しいだろ。
だからいつ話しかけられても良いように、俺の心の扉をフルオープンにしているだけだ。
ついでに女の匂いセンサーも稼働中である。
昨日の予選はクジ割で決められたグループでの総当たり戦。残ったのは各ブロック内で勝ち上がった、成績上位の12名のみ。
本戦はトーナメントとなるが、俺が最大の敵だと認識しているのは前回大会で優勝者の[紅のタブー]さんただ1人。
会場に漂う雰囲気からも、紅さんと俺のガチバトルを期待されているのが分かる。
まるで仕組まれたクジを引かされたかのように、トーナメント表では逆サイドに位置した。
前回は俺が不参加だったために優勝できただけのラッキー勝利だったと思い知らせてやらねば。
その意気込みはすぐに打ち砕かれた。
別に俺が負けたわけじゃない。
紅さんが、ノーマークのルーキーに負けたのだ。
『まさかまさかの大番狂わせです! 優勝候補として期待されていた紅のタブーが、突如として現れた新星シロサイに敗れました!』
マイクを通した実況の声が会場内に響いた。
シロサイ……だと?
聞き間違えではなかった。
肩を落とした紅さんの向かい側で、無表情にも小さくガッツポーズを見せていたのはあの赤髪のアンチ小娘、シロサイだった。
『一般枠から予選を通過した唯一の女性プレイヤーですが、プロ顔負けのコンボが素晴らしいかったです!』
会場内が湧いたのは本命が2回戦負けという思いがけない展開にか、それともゲーム界隈では目を引く見た目のシロサイが良いからか。
とにかく生意気にも実力はあるらしい。
シロサイもトーナメント表では逆サイドなので、もしこのまま勝ち上がり俺と相まみえることになるとすれば優勝戦である。
紅なき今、俺には優勝の2文字が当たり前の獲得であるように思えた。
その予想通り、予選を勝ち抜いてきた出場者ではあったが本戦出場者たちも俺の敵ではなかった。トーナメントを順調に勝ち進み、最後の勝負を迎えた。
相手はやはりというべきか、あいつだ。
実況者は最後の戦いを盛り上げようとマイクで勢いよく華を添える。
『やはりこの男がここに立ちました。無駄のないスティック捌きと、正確な高速コマンドで相手に隙を与えない! 縦横無尽な動きからその名がつけられた、ムジンフリーリィ!』
幾台かのカメラ、会場全員の視線と歓声を浴びて、中央ステージに登壇した。
この上から見る景色も見慣れたものだ。
次に向こう側から上がってくるのは、あいつだ。
『本大会、大本命の紅のタブーを沈めた注目のルーキー! その限界はまだ未知数だが、操作するキャラクターが華麗に舞う姿はまるで意志の宿る分身体。その手腕は本物だ!シロサイ!』
登壇したシロサイは観客やカメラに目を向けることもなく、俺を真っ直ぐ見つめてきた。
目が合えば俺から逸らす必要もない。
今日一日を通して見た女の中でも一番力強い目をしている。熱量高く、まるで俺との距離を詰めるタイミングをやっと迎えたかのような色。
見つめるというより、睨まれているなこれは。
見据えたといった感じで非常に生意気である。
女としてのそれか、アンチとしてのそれか。
俺はそいつを倒すだけだ。
もちろんゲームの中で。
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