【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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 何が食べたいか聞かれ焼肉と即答。
 血肉の争いをした後は肉に限る。戦ったのは画面の中のキャラだが。

「優勝したの見てたよ。達也くんすごいね」
「余裕でしたけどね。あざます」
「私どっちがたっちゃんか分かんなかったよ。たっちゃん、女の子のキャラクター使ってたんだね。逆かと思った」

 1ポイント取られたのだから余裕とは言えないが、あとは簡単にいなして優勝したのだからビッグマウスも許される。

 シロサイはメカニックな男性キャラを使用し、俺は美少女高校生キャラを使っていた。
 イメージで行けば逆かもしれないな。

 初めて会った割に、麻央の彼氏の圭人は話しやすかった。そこまでゲームに詳しいわけじゃないが、否定的ではない。

 麻央だけでなく俺にも優しい。
 弟だからと気を遣ってる風じゃなく、これがデフォルトなんだろう。普段からの喋り方や気の遣い方に丁寧さが滲み出てる。

「そういや今度挨拶に来てくれるとか麻央から聞いてたんすけど、今日わざわざ来てくれたんすね」
「麻央が達也くんの話をよくするから、早く会ってみたいと思ってて。それにゲームの大会も見てみたかったからちょうど良かった」

 麻央、あのことは話してないと言ってたが。
 他に面白おかしく話せるようなこと、俺と麻央の間に何かあったっけ?

 話してみた印象としては、圭人は隠れ狼なのではないかと判断した。

 優しさの塊のようで居て、実はセックスになると激しくてドSなタイプ。「どうして欲しいの?」「どこに何を入れて欲しいの?」なんて平気で聞きそうだ。

 多少俺に似ている。
 いや、俺は相手に言わせたい欲とかはないぞ。
 俺も優しいとこあるし。ちょっとだけSっ気があるってだけ。それだけだよ。

 何がそう見させるのかは具体的には言えないが、俺と気が合うってことは、間違いなくこいつもエロいってことだ。

 ふふ、麻央からすでに報告は受けたのだ。
 偏見だろうが何だろうが、まず間違いなく圭人は麻央を抱いたわけだからな。
 麻央のエロい身体に興奮したであろう時の表情が手に取るように分かるぜ。

 ───あんま男のそういうとこ、想像したくはないんだけど。ケホ。


 麻央がトイレに立った時も、初対面でありながら緊張しなかったのは似たもの同士の縁があるからかとも思ったが。

 そのタイミングで、圭人が急いで俺に会いたがった理由が判明した。

「初めて会っておきながら、ごめん。
 麻央の交友関係とか、達也くん詳しい?」
「交友関係、ですか?」

 麻央が何か疑われているのかと焦る。
 いや、疑っているのか心配しているのかはまだ不明だ。

 ただ、もし疑っているにしても心配しているにしても、その対象は麻央である。俺に向けた感情ではない。狼狽えるな。

「半年も会ってなかったら、やっぱり彼氏としては心配になるものでね」

 苦笑するその顔は確かに何かを気掛かりに思う表情で、疑っているというよりは憂慮と言った感じだ。

「何か、あったんすか?」
「何かあったというよりは、何もなければいいなと」

 うむ。大丈夫だ。
 こうして俺に聞いてくるということは、純粋に、俺を〝彼女の弟〟として頼っていると言うことだ。

「麻央は大丈夫っすよ」
「うん?」
「交友関係は別に詳しくないですけど、圭人さんが帰国するまでの半年間に男の話とか一切聞いたことないですし。毎日ちゃんと家に帰ってきてました。むしろ圭人さんが好きだからって、ハンバーグが食卓に並ぶ頻度高かったですよ」

 俺の言葉に、圭人がふっと安堵を見せた。
 圭人が何を懸念に思っているのかを、瞬時に俺が理解したことも伝わったらしい。

「そっか。ありがとう。聞いてみて良かった」

 他の男の心配より俺の存在を危惧した方がいいのに……なんてことを考えながら、平気で誤魔化せてしまった。

 嘘ではないからな。
 圭人さんは俺もどうやら嫌いなタイプじゃないみたいだし、麻央にも再度、口止めしなくては。

 麻央と圭人は仲良さそうだ。
 姉の彼氏がいい奴そうで良かったよ。

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