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Lv.5-3
しおりを挟む『……快勝! 快勝だ! ムジンフリーリィ2ポイント! シロサイは手も足も出せずーーー!
1, 2ラウンドでは目を見張るほどの戦いを見せたシロサイも、本気のムジンフリーリィを相手にすると、手のひらの上で転がされてしまったようだ』
3ラウンド目は最初から最後まで俺のペースに持ち込めた。全ては流れ。主導権さえ握らせなければ、でかい技を喰らうことはない。
スキル発動も、逃げることも、ジャンプ1つさえ自由にさせてやらない。
本気の俺で迎え撃ってやると、俺の敵ではないと見せつける結果になった。
向こうの席に居るシロサイの、なんとも悔しそうな顔がたまらん。そそるぜ。
ステージ上で最後の表彰式が行われた。
3位から順番にヒーローインタビューを受ける。
『3位の[ビリケツ魔神]さん、今のお気持ちを』
『表彰台に登ることができて心から嬉しいです。ビリケツじゃなくなりました。応援してくれた仲間に、ありがとうと伝えたいです!』
拍手。仲間らしきメンバーが手を振ってる。
同好会とか部活とかそんな感じだろうか。
『続いて、初参戦で2位に輝いたのは、[シロサイ]さん。 お気持ちをお聞かせください』
『あ……はい。ありがとうございます。次回は優勝します。そう遠くもないと思ったので』
『なかなかの強気発言ですね。ありがとうございます』
遠くない、ね。生意気な。
拍手。鼻の下を伸ばしてシロサイを見る童貞野郎の多いこと多いこと。
『では最後に、優勝した[ムジンフリーリィ]さん。お言葉を頂戴できますか?』
『まさか1ポイント取られるとは思ってなくて』
シロサイが俺に視線を向けた。
前向きな言葉をかけてもらえると期待でもしたか?
だが残念だな。俺はアンチ小娘を認めた発言なんてしてやらないのだ。
『次回からは気をつけます。手加減しすぎました』
会場に笑いが起こる。
俺の発言が本音だろうがそうでなかろうが、最後まで会場に残ったゲーム廃人たちには関係ない。
優勝したのはムジンフリーリィ。
その事実は変わらないのだから。
『それでは本大会はムジンフリーリィの優勝で幕を閉じます! 会場の皆様、生配信をご覧の皆様ありがとうございましたーーー』
ステージを降りるとまた知らない奴らからお祝いを言われた。
お礼を述べつつ良い顔をしておく。
優勝トロフィーは事務所に置いてもらうとして、優勝賞金も事務所に一旦渡るし俺が持って帰れるものは女以外ない。
今日はマトビも居ないし、俺とプライベートを楽しんでくれそうな女子も居なさそうだからな。ここに残る理由がないので、早くこの場を去りたい。
「たっちゃん」
聞き覚えのある声がして、振り返るとそこに居たのは姉の麻央だった。隣に見知らぬ男が居る。
「麻央来てたの? そちらは」
「彼氏の圭人。一緒に最後の試合見てたんだよ」
「どうも、斎藤です」
「あーどうも。姉がお世話になってます」
家に挨拶しに来ると言ってたのに、ここまで来たのか。ゲームが好きだとか言ってたけど、さすがに格闘ゲームの大会にまで興味を持つとは思わなかった。
「もう出られるの? 一緒にご飯行こ」
麻央に誘われて3人で急遽、晩飯を囲むことになった。
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