【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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 ことの顛末を説明するには面倒くさく、ここは軽くあしらうのが正解だ。
 色々言うと必ず10倍になって返ってくる。

「子どもには分かんない話だよ」
「誰が子どもよっ。ねぇいつまでゲームやるの?」
「そんなシラけること聞くなよ」
「あ、でももうこんな時間だね。本当にそろそろお暇しようかな」

 シロサイの態度を見てたらわかる。和葉に無駄に気を遣ってるのは明らかだ。
 二十歳を優に超えた独身大人にとって、急いで帰らなくちゃならない時間なんてないのに。

 仲良くなかった同級生とか、正直無理だよな。

「高山くん、色々ありがとう。参考になったよ」
「えーもう帰んの?」
「またオンライン繋いでよ」
「配信中のソロだけは辞めて?」
「あは。気をつける」

 シロサイが和葉から逃げるようにそそくさと帰ろうとしたとき、また和葉が通る声で聞いた。

「ほんとに2人付き合ってないんだよね?」
「ひつこいなお前は」
「つ、付き合ってないよ! 高山くんはモテるし彼女居ないの不思議だけど」
「……そんなにモテるの?」

 和葉は疑っているようだが、シロサイはゲーマー界隈の噂話も知ってるんだ。

「同じ事務所のパプリカちゃんって子と仲良さそうって話があるし」
「実際仲はいいよ。パプリカちゃん彼氏居るけど」

「そういえばこの間の大会でも、女の人と腕組んでたりして」
「ああマトビでしょ?」
「彼女かなって思ったけど違うんだよね?」
「マトビはただのセフレ」

「えっ?」

 和葉はその感情を抑えずしっかり驚いてくる。
 そんな顔しなくても。

「セフレ居るんだ、高山くん……」
「本当にお互いしたい時だけね」
「何それっ、なんで?」

 和葉がいつも通りうるさい。

「需要と供給、ギブアンドテイク」
「そんなの良くないっ」
「俺の勝手だろ……」

 何だか和葉の熱が上がってきたようなので、これ以上気まずくなる前にシロサイを帰してあげよう。

「シロサイ1人で帰れる?」
「うん、近いし大丈夫」

 行ってしまった。もうちょっと遊びたかった。
 訪問してきた時の勢いなどとうに忘れたが、話してみればシロサイはいい奴だ。


「で? お前はいつまで居んの」
「セフレってほんと?」
「本当。嘘つく理由ないでしょ」
「彼女が居ないのはほんと?」
「本当。だから嘘つく理由も必要もないって」

 ひつこいくらいに同じことを聞かれるが、毎回和葉は俺を疑ってかかる。

 さっきまでシロサイが居た椅子が恋しい。
 性欲が湧き出ることもなく、ただゲームを2人で楽しんだ。これは俺にとってはすごいことだぞ。

 頭も使って疲れては居るけど、何よりも俺を包み込むのは充実感だ。
 1人でやってる時よりやり切った感がある。

「もうすぐ麻央帰ってくるから飯でも食ってけば? どうせそれ待ちだろ?」
「達也」
「俺はちょっと寝るからリビングでも行っとけよ」

 ベッドに仰向けになると目を閉じた。
 脳内で新ステージの光景がリピートされる。
 新しい装備の使い方もさほど難しくないし、使える。しかしこれまでと少し趣向を変えただけで、新たな戦術と言えるだろうか。

 ぎし、っと音を立てたと同時にベッドに何か動力が加わった。直後、俺の腹部から下辺りに人らしきものが乗っかった。

 天井から照らす電気の明かりが遮られたのが分かり、目を開けてみると和葉が見える。

「何してんの」

 俺の上に、和葉が跨ったのである。


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