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Lv.12 勇者御一行ドリームチーム
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事務所から大会のお知らせが届いた。
種目は俺のメインプレイングゲーム【FPSライジング・ガン】 通称ライガンである。
メールは俺と同じジャンルにプロゲーマーとして控える事務所メンバー全員に送られていて、希望するメンバーから選抜でチームを組む。
チーム戦で出場することになるので、単純なうまさだけでなく連携の取れる柔軟なタイプが適切と言える。
出場は確定だが、誰と組むかはかなり重要になる。
プルルッ
普段鳴らない電話が鳴った。
事務所からチームメンバーに入れとかの話だろうと予想したが、画面を見ると相手はシロサイだった。
「どうした?」
『ねぇ、来月、ライガンの大会あるって!』
「うん、らしいね」
俺には事務所からの通知が来るのだが、一般人は基本サイトなどで情報を得る必要がある。
それを考えるとこの段階で大会の存在を知ったシロサイもなかなか情報通だ。
『なんだやっぱり知ってたのかー。ね、高山くんってやっぱりプロ仲間と一緒に出るの?』
「そうなると思うよ。事務所にライガンプレイヤー多いし」
別の事務所の人とチームを組むことも出来るが、基本的に事務所対決を望む人間が多いので、大人の事情でメンバーが決まることがほとんどである。
『ねぇ……私が高山くんとチーム組むことって出来ないの?』
「シロサイと?」
『私結構、高山くんと相性いいと思うんだけど』
なるほど。俺もシロサイが仲間なら心強いかもしれん。
前例はないが、シロサイは他の事務所の人間というわけでもないし、事務所の許可が出やすいかもしれない。
「聞いてみる。待ってて」
『ほんと? 待ってるねっ』
……なんだ、可愛い。
事務所に連絡すると『格闘で2位になった子? いいじゃん可愛かったし、話題になるよ!』とノリノリで許可もらえてしまった。
ということで今日は、チームを組むことになったメンバー4人で顔合わせ兼、初練習である。
「初めまして、シロサイこと白井采花です」
シロサイが緊張しながらメンバーに向けて挨拶したのは、事務所の一室である。
パソコンとモニターが10台くらい置いてある、好きな時に使っていい練習部屋。
シロサイの入室許可が降りて、自由に使わせてもらえることになった。事務所側の思惑が何となく透けて見える。
「初めまして。ブルースです」
「よろしくね、レッドビーです」
ブルースさんとレッドビーさんは以前からダブルスをよく組む赤青コンビと呼ばれる2人で、その阿吽の呼吸は見事なものだ。
「ムジンの彼女?」
「違いますけど、手は出さないでくださいね」
早速4人でフリープレイをしてみる。
まずまずの手応えではあったが、装備の話になると〝攻撃力重視派〟と〝防御力も捨ておけない派〟で熱論になる。
「僕はこっちの方が慣れちゃってて、火力下げたらタイミングも変わるからやりにくくてさー」
「武器自体は問題ないよね?」
「私はやっぱり機敏性を高めたまま動きたいです」
「俺がスナイパーしましょうか?」
いくつか役割の交代もしつつお互いの得意を伸ばす方法を模索していると時間はあっという間に過ぎる。
「今日はかなり有意義だったね」
「シロサイちゃんもかなりやり込んでるみたいで安心したよ」
「お2人の意見も参考になりました」
「オンライン繋ぎながら、また作戦会議しましょう」
ブルースさんとレッドビーさんと解散しても、家が同じ方向のシロサイとは一緒に歩いた。
「楽しかったー」
「プレイも自然だったしすぐ馴染めて良かったな」
「安心した! 2人とも優しかったし」
大会まではあと数週間あるが、連携を取れるようになって初めて戦いになる。
「俺はシロサイが一番連携取りやすいけどね」
「えへへ……ムジンフリーリィの配信見て、高山くんの考え方は熟知してるから」
心がくすぐられるようなことを、シロサイは平気で口に出すんだよな。
種目は俺のメインプレイングゲーム【FPSライジング・ガン】 通称ライガンである。
メールは俺と同じジャンルにプロゲーマーとして控える事務所メンバー全員に送られていて、希望するメンバーから選抜でチームを組む。
チーム戦で出場することになるので、単純なうまさだけでなく連携の取れる柔軟なタイプが適切と言える。
出場は確定だが、誰と組むかはかなり重要になる。
プルルッ
普段鳴らない電話が鳴った。
事務所からチームメンバーに入れとかの話だろうと予想したが、画面を見ると相手はシロサイだった。
「どうした?」
『ねぇ、来月、ライガンの大会あるって!』
「うん、らしいね」
俺には事務所からの通知が来るのだが、一般人は基本サイトなどで情報を得る必要がある。
それを考えるとこの段階で大会の存在を知ったシロサイもなかなか情報通だ。
『なんだやっぱり知ってたのかー。ね、高山くんってやっぱりプロ仲間と一緒に出るの?』
「そうなると思うよ。事務所にライガンプレイヤー多いし」
別の事務所の人とチームを組むことも出来るが、基本的に事務所対決を望む人間が多いので、大人の事情でメンバーが決まることがほとんどである。
『ねぇ……私が高山くんとチーム組むことって出来ないの?』
「シロサイと?」
『私結構、高山くんと相性いいと思うんだけど』
なるほど。俺もシロサイが仲間なら心強いかもしれん。
前例はないが、シロサイは他の事務所の人間というわけでもないし、事務所の許可が出やすいかもしれない。
「聞いてみる。待ってて」
『ほんと? 待ってるねっ』
……なんだ、可愛い。
事務所に連絡すると『格闘で2位になった子? いいじゃん可愛かったし、話題になるよ!』とノリノリで許可もらえてしまった。
ということで今日は、チームを組むことになったメンバー4人で顔合わせ兼、初練習である。
「初めまして、シロサイこと白井采花です」
シロサイが緊張しながらメンバーに向けて挨拶したのは、事務所の一室である。
パソコンとモニターが10台くらい置いてある、好きな時に使っていい練習部屋。
シロサイの入室許可が降りて、自由に使わせてもらえることになった。事務所側の思惑が何となく透けて見える。
「初めまして。ブルースです」
「よろしくね、レッドビーです」
ブルースさんとレッドビーさんは以前からダブルスをよく組む赤青コンビと呼ばれる2人で、その阿吽の呼吸は見事なものだ。
「ムジンの彼女?」
「違いますけど、手は出さないでくださいね」
早速4人でフリープレイをしてみる。
まずまずの手応えではあったが、装備の話になると〝攻撃力重視派〟と〝防御力も捨ておけない派〟で熱論になる。
「僕はこっちの方が慣れちゃってて、火力下げたらタイミングも変わるからやりにくくてさー」
「武器自体は問題ないよね?」
「私はやっぱり機敏性を高めたまま動きたいです」
「俺がスナイパーしましょうか?」
いくつか役割の交代もしつつお互いの得意を伸ばす方法を模索していると時間はあっという間に過ぎる。
「今日はかなり有意義だったね」
「シロサイちゃんもかなりやり込んでるみたいで安心したよ」
「お2人の意見も参考になりました」
「オンライン繋ぎながら、また作戦会議しましょう」
ブルースさんとレッドビーさんと解散しても、家が同じ方向のシロサイとは一緒に歩いた。
「楽しかったー」
「プレイも自然だったしすぐ馴染めて良かったな」
「安心した! 2人とも優しかったし」
大会まではあと数週間あるが、連携を取れるようになって初めて戦いになる。
「俺はシロサイが一番連携取りやすいけどね」
「えへへ……ムジンフリーリィの配信見て、高山くんの考え方は熟知してるから」
心がくすぐられるようなことを、シロサイは平気で口に出すんだよな。
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