【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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Lv.14-2

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 家だと麻央が居て余計な気を遣われると思った。
 だからここに来たのだが、シロサイは変に緊張しているようだ。

「ら、ラブホテルに来たの、初めてで」

 ついさっきまで大勢がひしめき合う環境に身を置いていたのに、いきなり2人きりのしっぽりした雰囲気に戸惑っている。

 会場からのホテルへの移動は何度も経験がある俺も不思議とそわそわした。

 でもここに来た限りは、シロサイも嫌がってない。俺との繋がりを受け入れるつもりがある。

「シロサイ」

 広いベッドの上に隣に座っているシロサイの頬を手で引き寄せる。
 キスはもう、当たり前に交わされた。

 フレンチキスから、もう少しだけ深く。
 こっちが口を開くと、慣れないながらもそれに応えようとする小さな動きが愛らしかった。

 初めての時のようにゆっくり、熱を伝えながら。
 痛くないように、シロサイの表情を見て、シロサイの声を聞いて、シロサイの反応に集中して。

 気遣うことが心地良かった。



 
「高山くんあったかい」

 終わった後にやっぱり俺は、シロサイを抱きしめ労わっていた。

「やっぱりすごく優しかったぁ」
「惚れちゃったー?」
「……もう惚れてるよっ」

 前回は麻央の時と似ているなんて考えたけど、今日はまったく他の女のことが頭をよぎらなかった。
 シロサイだけに集中して、シロサイだけに夢中になった。

「俺さ」
「うん?」
「麻央と色々してたじゃん?」
「……うん」

 頭ではなく脊髄で、勝手に喋りたくなった。
 口が勝手に動いたが俺は、シロサイが静かに聞いてくれると確信していた。

「実際に本番はしてないけど、そういうことしてたらさ。やっぱ男としては入れたくなるわけよ。

 毎回、麻央をイカせて終わるんだけど、その時は俺の方も暴発寸前の状態で。
 麻央はイッてるから濡れまくってるし、俺のも完全勃ちしてるし、入れようと思えば入れられる状況なわけ。

 むしろ入れても麻央が拒まないどころか、もっと声上げて喜ぶんだろうなとか考えてた」

 腕の中で、おとなしくしているシロサイは起きているし聞いている。でも何も返してこない。

「ヤろうと思えばヤれる状況で、入れてみようかとか何度も思った。もう無理やりにでもって。
 何度も兄弟の一線を越えようとしてきたんだよ。
 でも、出来なかった。しなかったんじゃなくて、出来なかったんだよね」

「それは、どうして?」

「身体は好みで、血のつながりもなくて、触ってれば興奮するのに。
 結局は姉として見てたってことなんだろうな」

 言ってて納得感が迫ってくる。
 弟として姉に頼まれたことをやっただけ。
 麻央には圭人という彼氏が居るし、何より戸籍上は兄弟の関係なのだ。

「それでも、やましい気持ちがなかったわけじゃないから後ろめたいとも思ってた。
 ヤリたい願望はいつだって消えなかったから。

 だけど、麻央が俺を利用してたって言って、なんだ俺だけじゃなかったんじゃんって思った。

 お互いにやましい気持ちで接してたんなら、お互い様だし、持ちつ持たれつで、助け合いの範疇ってことで済むんじゃんって」

 やっとこんな汚い気持ち、吐き出せた。

 和葉に言われるまでもなく、姉とそんなことするなんておかしいって思ってたんだ。

 分かってたけど、繋がってないことだけを言い訳にいかに正当化するかを重視してきたから、図星を突かれて和葉にイラついた。

「そんな俺なので、どうしようもなく、どうしようもない男です」

 言いたいことを言うだけ言って、この着地は考えてなかった。

 どうしようもない男だから、俺なんかやめとけよ。

 そんなことも言おうかと思ったのに、それは言えない。好きとかの感情は全く分からないのに、やっぱり手放したくないんだ。

 するとシロサイは俺の背中に回した腕にぎゅっと力を込めた。

「今はまだ、待機時間ってことだね」
「え?」
「私からの告白のお返事はもうちょっと、ゆっくり考えるタイミングだ」

 こんなこと、言われると思ってなくて心の奥の方がこそばい感じがした。
 言葉にならない想い。

 俺もシロサイをぎゅっと抱きしめた。
 
 都合のいい女になるなよ、シロサイ。



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