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Lv.21-2
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シロサイの方へ近づいて行くと、俺に気づいたメガネたちは「じゃあね」とステージの反対側へと走って行った。
「何か言われた?」
シロサイに聞くと、俺の顔を見て明らかに取り繕った。
「ううん、何でもない」
「何でもない訳ないよなー?」
「何でもないっていうか、うん、大丈夫」
「大丈夫じゃなさそーなんですけど?」
気まずそうに目を逸らすのが怪しすぎる。
絶対にあの2人から余計なことを吹き込まれたに違いない。
「シロサイが傷つくようなことを言った、言ってない、どっち?」
「傷ついては……ない」
「高校時代のこととか整形したこととか言われた、言われてない、どっち?」
「言われてない」
ふむ。確かに昨日と比べたら落ち着いていて、傷ついた感じではないが動揺はしているようだ。
「いける? いけない?」
「いける!」
「おけ」
もう時間もない。
何を言われたかも分からなければ、掘り下げてフォローすることもできなかった。
ここはシロサイの言葉を信じるしかない。
『昨日は操作ミスが目立ちましたが、今日は覚醒したかのように華麗な連携を見せてくれています。
本日は見事な撃破連発でここに来た!
ムジンフリーリィ&シロサイ!』
歓声と共に壇上へ上がった。
階下には青赤コンビも見てくれて居るし、否定的な視線は今はどこからも感じない。
本領発揮したシロサイとなら優勝だって余裕だ。
『自由自在に動ける機動力の高さが神レベル。
敵を欺き翻弄する様々な仕掛けを施して、自らのペースに巻き込む天才が、優勝候補でもある!
伊達メガネ&まるメガネ!』
俺たちと相対して向こう側から登壇したのはやはり、先ほどシロサイに話しかけてきたメガネたちだった。
ちらりとシロサイの様子を窺ってみた。シロサイはもう画面に視線を向けて集中している様子だ。
何を言ったか知らないが、優勝は譲る気などない。シロサイを傷つけた奴らを見返して、俺は合法的にそいつらを殴る。シロサイは優勝してもっかい俺に告白するんだ。
『では両者、セットしてください』
座ってヘッドホンをつけると外界の音は遮断された。ここから俺たちは、ゲームの世界に入り込む。
『勝つぞ』
『うん』
『それでは、ペア戦最後の勝負!
2ポイント先取です!
優勝戦、バトルスタートッッ!』
ステージはバトル開始時にランダムで決まる。
俺たちがあまり得意ではないステージになってしまったが、苦手だと自覚があるからこそ何度も練習してきた。
『谷の防壁から』
『うん』
『突っ込みすぎるなよ』
『援護して』
メガネーズと対峙するまでにこちら側の罠を仕掛けておく作戦である。
左右のどちらから攻めるか、近場まで様子を探りに進めては地雷や毒壺を設置。
するといきなりプシューという音がして、噴射された煙で周囲に霧が発生した。
『これ、目眩しなのかな?』
『一旦進むの中止だな』
『こっちから来てる音は聞こえない』
『距離ありそう?』
『うん。出来れば敵をここまで誘い込みたいね』
その時突然、視界の悪い中から敵の銃弾が飛んできた。広範囲の銃弾を浴びてシロサイが後ろに飛ばされた。
『おぉ大丈夫か』
『意外と喰らっちゃった』
『14時方向、1人』
視界を塞いでの銃撃もセオリーではあるが、俺たちの位置をある程度しっかり把握しているのはさすがだ。
『弾おくる?』
『先に擲弾するから影見てて』
投げ込んだ手榴弾が爆破するも、どうやら霧に紛れたらしい。少しずつ霧が晴れていくも敵の姿が捉えられない。
『俺が前出るから援護いける?』
『私が行くよ』
『そ? じゃスナイプで追走するわ』
「何か言われた?」
シロサイに聞くと、俺の顔を見て明らかに取り繕った。
「ううん、何でもない」
「何でもない訳ないよなー?」
「何でもないっていうか、うん、大丈夫」
「大丈夫じゃなさそーなんですけど?」
気まずそうに目を逸らすのが怪しすぎる。
絶対にあの2人から余計なことを吹き込まれたに違いない。
「シロサイが傷つくようなことを言った、言ってない、どっち?」
「傷ついては……ない」
「高校時代のこととか整形したこととか言われた、言われてない、どっち?」
「言われてない」
ふむ。確かに昨日と比べたら落ち着いていて、傷ついた感じではないが動揺はしているようだ。
「いける? いけない?」
「いける!」
「おけ」
もう時間もない。
何を言われたかも分からなければ、掘り下げてフォローすることもできなかった。
ここはシロサイの言葉を信じるしかない。
『昨日は操作ミスが目立ちましたが、今日は覚醒したかのように華麗な連携を見せてくれています。
本日は見事な撃破連発でここに来た!
ムジンフリーリィ&シロサイ!』
歓声と共に壇上へ上がった。
階下には青赤コンビも見てくれて居るし、否定的な視線は今はどこからも感じない。
本領発揮したシロサイとなら優勝だって余裕だ。
『自由自在に動ける機動力の高さが神レベル。
敵を欺き翻弄する様々な仕掛けを施して、自らのペースに巻き込む天才が、優勝候補でもある!
伊達メガネ&まるメガネ!』
俺たちと相対して向こう側から登壇したのはやはり、先ほどシロサイに話しかけてきたメガネたちだった。
ちらりとシロサイの様子を窺ってみた。シロサイはもう画面に視線を向けて集中している様子だ。
何を言ったか知らないが、優勝は譲る気などない。シロサイを傷つけた奴らを見返して、俺は合法的にそいつらを殴る。シロサイは優勝してもっかい俺に告白するんだ。
『では両者、セットしてください』
座ってヘッドホンをつけると外界の音は遮断された。ここから俺たちは、ゲームの世界に入り込む。
『勝つぞ』
『うん』
『それでは、ペア戦最後の勝負!
2ポイント先取です!
優勝戦、バトルスタートッッ!』
ステージはバトル開始時にランダムで決まる。
俺たちがあまり得意ではないステージになってしまったが、苦手だと自覚があるからこそ何度も練習してきた。
『谷の防壁から』
『うん』
『突っ込みすぎるなよ』
『援護して』
メガネーズと対峙するまでにこちら側の罠を仕掛けておく作戦である。
左右のどちらから攻めるか、近場まで様子を探りに進めては地雷や毒壺を設置。
するといきなりプシューという音がして、噴射された煙で周囲に霧が発生した。
『これ、目眩しなのかな?』
『一旦進むの中止だな』
『こっちから来てる音は聞こえない』
『距離ありそう?』
『うん。出来れば敵をここまで誘い込みたいね』
その時突然、視界の悪い中から敵の銃弾が飛んできた。広範囲の銃弾を浴びてシロサイが後ろに飛ばされた。
『おぉ大丈夫か』
『意外と喰らっちゃった』
『14時方向、1人』
視界を塞いでの銃撃もセオリーではあるが、俺たちの位置をある程度しっかり把握しているのはさすがだ。
『弾おくる?』
『先に擲弾するから影見てて』
投げ込んだ手榴弾が爆破するも、どうやら霧に紛れたらしい。少しずつ霧が晴れていくも敵の姿が捉えられない。
『俺が前出るから援護いける?』
『私が行くよ』
『そ? じゃスナイプで追走するわ』
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