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Lv.21-3
しおりを挟む前を走るシロサイが焦ったようにガンガン突っ込んで行く。
『突っ込みすぎじゃない?』
『居た』
相手を捉えた時には相手もこちらを捉えて居る。
『避けて』
俺の指示でしゃがみ込んだシロサイを通過したスナイパーライフルの弾は、シロサイを狙って銃を構えている敵の頭部に命中した。
防具があっても一番弱点となるのが頭部だ。
一発で仕留めた。
『おけ、あと1人』
『ナイスヘッドショット。見えた。11時』
『避難』
『うんっ……あっ』
ここでシロサイが凡ミスした。
本来俺との距離を取った位置取りで回避するはずが、俺側に流れ込んできた。
パッと視界に入った敵の武器を判断するに、的中率に優れて居るが連射は不可能なライフル。
シロサイに再度弾が当たれば確実に撃破される。
だが比較的、被弾数の少ない俺に敵の狙いが定まればまだ、生き残れる可能性はある。
2人居ればやりようはいくらでもあるのだ。
『下がって』
『ごめんっ』
俺が前に出て的になる。
一旦やはり俺が撃たれ、HPは雀の涙ではあれど計算通り2人生き残った。
その瞬間にもこちらからの反撃をするも、重厚装備に撃破には至らず、お互いにリロード時間があると踏み体勢を立て直そうとした瞬間に手榴弾が投げ込まれた。
命中したわけでもなかったが、掠っただけだが俺は撃破された。
『あーごめん油断した』
『私のせいだ』
『左に逃してトラップゾーンに嵌めて』
狙った方向に移動させるための無駄撃ちをするが、敵は狙いに気づいたのか左右への回避ではなく一旦後ろに引いた。
『相手ももうHPないよね』
『いきなり前出ない方がいい』
『範囲弾で落とす』
『身を隠して煙幕した方が』
そんな俺の言葉を聞くより先に動き出したシロサイはもう、飛び出していた。
突っ込めば相手の思うツボになると思ったが時すでに遅し。
しっかり敵の迎撃を受け沈没した。
『1ポイント目は伊達メガネ&まるメガネ!
先に1人落とされるも、粘着質な対応で敵を翻弄し見事撃破!』
『焦った? シロサイ』
『ごめん……』
『らしくないよー?』
2ポイント先取なので、次勝てばもう1戦ある。
これで負けが決まったわけじゃない。
気持ちを切り替えるところだが、いつものシロサイなら絶対にむやみに突っ込んで行かなかったはずだ。
俺たちの会話も会場内には聞こえているので、詳細に今、シロサイの話を聞いてやれない。
『あんま得意じゃないステージだったし、ここは切り替えよ』
『うん……ごめん』
切り替えがうまくいきそうな顔をしてない。
確実にメガネーズに何か言われたんだろうとは思うが。
俺はヘッドホンを取って、シロサイにも外すように伝えた。
試合中だが、インターバルだ。
会場内がうるさいのでシロサイの耳元に口を近づけた。
「優勝してもっかい告白してくれるんじゃないの?」
「……していいの?」
そう聞かれると、いいよと言うのも何か見下した態度な気がして答えられないのだが。
「勝とうや」
ヘッドホンを付け直すと、それに倣ってシロサイも準備を整えた。
『出るから追付いよろ』
『援護する』
『敵の手技が多いから、今度は一気に攻めて余計な手間省いていく』
『うん。もう容赦なし』
持っている武器とアイテムを全弾投入するつもりで対峙すると、敵は姑息な技を使いにくそうだった。
意外にも攻略しやすそうである。
すると気分が乗ったのか、シロサイの手腕が本領発揮され始めた。
『ええーい! 全部打ち砕く!』
『おーナイス意気込み』
『ぶっ潰ぅーす!』
『おーナイス威嚇』
いつも以上に気合いが入ったようだ。
リロード計算も完璧で揺動と攻撃、さらには無駄のない移動で敵との距離を一気に詰め撃破した。
『イエス』
『よしっ!』
俺たちのキャラは満身創痍ではあるが、2人とも生き残った。これはメガネたちとの格差を披露してしまったな。
『1ポイント目とは全く違う様相で、勝負有り!
先ほどまでの動きとまるで違いました。
このゲームはステージごとの特色も違い、いかに有利な戦略を駆使できるかで戦況が大きく変わります。それも魅力の一つ!
ポイントを取り返し1-1の激戦!
ついに、ついに、次の1戦で決まります!
ラストバトル、スタートッッッ!』
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