【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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Lv.22-3

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 シロサイが俺の家を出ていくことになった。

「お世話になりました」
「本当に行くの? 行くなよ、俺、悪いところがあったら直すから……! 行かないでくれよ」

 去っていこうとするシロサイに抱きついて、離れたくないと懇願した。

「……でもね、もうここには居られない」
「行かないでくれよシロサイ!」
「ごめんねっ……」


「はいはい、2人とも、そろそろいいかしら?」


 和葉が呆れ顔で俺たちを見守ってくれていた。
 松葉杖が取れてからも俺の家に無理やりシロサイを居座らせていたのだが、怪我が完治したのを機にいよいよ自宅に戻ることになったのだ。

 シロサイのPCを再度自宅まで運び込むのも俺がやったのだけれど、実際に帰ろうとする姿を見ると寂しくて仕方なかった。

 付き合う前からそれなりに長い時間、ずっと一緒に居たから離れるなんてことが信じがたい。

「近いし、すぐ会えるし大丈夫だよ」
「うん……」
「ね? 我慢して? 高山くん」
「うん……分かった……」
「泣きべそかかないでよ! 達也、女々しい!」

 甘える俺にとことん優しいシロサイに対し、和葉は心ないほどに冷たい。



 ということで。
 俺はまたこの広い家に1人になった。

 両親が亡くなって1人になって、叔父さんが俺を養子にして親子になって、叔父さんが結婚して家族が増えて、みんなして海外に行って1人になって。

 そんでシロサイがうちに居候して、彼女になって、でもまた1人になった。

 1人になるのは慣れていたはずだが、両親と姉夫婦が出ていった時とは、気持ちの面で違っていた。

「あ、寂しいかも」

 寂しいなんて感情はずっと分からなくなってた。
 それは多分、叔父さんだったり、麻央だったり、例えば和葉もそうだ。

 誰かしらが俺のそばにいてくれて、孤独になる時間を与えないでくれたからだ。
 今までそれに気づかなかったのは、当たり前のように提供してくれた人たちが居たからだった。

 だけど俺自身が選んで手に入れた〝居場所〟であるシロサイが急に居なくなると、部屋が広くなった気がした。急に寒さも感じるほど、心細くなった。

「あれー、俺、なんでこんな寂しいんだろ」

 時計の針はもう日を跨ごうとしている。
 今からシロサイに会いに行ったら迷惑になるよなって考えて、寝てしまえば朝になるとも思った。

「でもすげー会いたい」

 出て行った直後なのに、もう会いたい。
 ベッドから飛び起きて上着を羽織った。

 寝てたら謝ろう。

 そう思って階段を降りているとき、携帯が鳴った。着信はシロサイからで、まずはまだ起きててよかったと思った。

「もしもし」
『高山くん? 起きてた?』
「あのさシロサイ、今から会いに行っていい?」
『ぇ……ぁ、今』

 何かまずかったかな、と玄関で立ち止まる。

 よく考えたらこの時間にいきなりって、どうかしてると思われるか。
 付き合い始めてシロサイが彼女になってから俺、シロサイに執着しすぎてね?

『実は……』
「ごめ、無理言ったよな」
『ううん、あの、今、会いに来たの』
「え?」

 それを聞いて、まさかと思いながらも勢いよく扉を開けた。
 そこにはシロサイが立っていた。

「あ……ごめん。久しぶりに家に帰ったら、誰も居ない部屋が寒いっていうか、ちょっと寂しくて」

 帰ったばっかりで戻ってきたことにバツが悪そうな顔をしているけれど、俺と同じ気持ちだったことが無性に嬉しかった。
 無意識にぎゅっと抱きしめてた。

「俺の方が会いたくてたまんなかった」
「う、嬉しい。そんな風に思ってくれたの?」

 家の中に再度招き入れると、どちらからともなくキスをした。抱きしめあって、求めて、何度も何度もたくさんキスをした。

 2階へ上がるのも面倒で、すぐ横のリビングに入ると訳もわからずお互いを求め合った。
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