【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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 嗅ぎ慣れたシロサイの匂いは俺に安心感と安らぎを与えてくれた。癒しそのものであるシロサイを、泣きそうなくらいに離したくないと思わされた。

 たくさん触れて、たくさん味わって、たくさん感じて、たくさん愛したい。

 性欲とかじゃなく、ただシロサイが欲しかった。
 抱きたいとかじゃなくて、ただシロサイと繋がりたかった。

 俺がシロサイに満たされていく最中、シロサイも同じことを考えてくれてると感じた。確証も何もないけど、そう思った。

「やばいもう……すげぇ好き」
「んっ……私も」
「采花」
「ぁ……名前」

 ソファの上で乱れ、たくさん温もりを伝え合い、心も身体も満たされると、やっぱり離したくないと思った。

 全てを出し切ってしまって満たされてからも采花を離したくなかった。
 お互いを抱きしめ、幸せな夢に誘われるまま、俺たちは眠った。



 朝の日差しが眩しくて目が覚めたのか、それとも騒々しさに耳が先に起きたのか。
 ぼんやりと現実に戻ろうとする感覚があった。

「えー誰もたっちゃんに連絡してないの?」
「麻央がするかと思ってた」
「私、パパがすると思ってたよー?」
「急に帰ったらびっくりするんじゃない?」
「まだ寝てるよきっとー」
「達也くんちゃんとご飯食べてたかなあ?」
「えっ」
「えっ?」
「あっ」
「おっ?」

 うるさいな……と目を擦り上体を起こすと、玄関方面に人の気配が。

「……何? 帰ってきたの?」

 そこにはよく知った顔が4つ並んでいた。
 父、母、麻央、圭人さん。
 俺が寝ぼけた頭で呟いてみると、全員が呆けた顔でこちらを見ていた。

「ん……夢?」
「たっちゃん。朝勃あさだちは仕方ないけど、采花ちゃんの身体くらい隠してあげなさいよ」
「え?」

 父と圭人さんが慌てて背中を向けた。
 母と姉の視線の先には、采花が寝ている。その寝顔はあどけなさもありながら、平穏を感じさせる愛おしい人である。

「ふふふ。可愛い寝顔だなー」
「たっちゃん、そんなこと言う前にー」

 麻央に促され気づけば、投げ捨てられた衣類が散乱したリビングのソファで、俺たち2人は真っ裸だった。

 リビングを見回して、近くに落ちていた服を拾い上げると采花の身体を隠した。

「采花、起きて」
「ん……達也くん……朝?」

 そしてやっと、本人を揺り起こす。
 采花は目を覚ますと人の気配に気づいて悲鳴をあげた。

「きゃーーーっ!!」
「あ、家族です」
「……きゃーーーっ!!」

 そして状況を理解してもう一度悲鳴をあげた。

 父と圭人さんは気を遣って後ろを向いてくれたにせよ、まあ入ってきた時には見られたわけだ。

「すまん、昨日は我慢できんかった!」

 采花が急いで自分の服を探して着込んでいく間に、家族に向かって謝罪を述べた。
 仁王立ちして、堂々と。

「そんなに堂々と見せなくていいんだよ?」
「たっちゃん、立派な息子をお持ちなのね」
「おいおい、一応自分の息子なんだから」
「じゃあ立派な息子の立派な息子だわ」
「たっちゃんも采花ちゃんも激しいのね。まるで私と圭人みたい。最近はしてないけど」
「達也くんごめんねー。みんながそれぞれ、誰かが連絡してると思ってたんだよー」

 朝勃ちしてようが寝癖がすごかろうが別に構わない。家族なのだから、見られて恥ずかしいとかの感情もない。
 でも采花のことは俺が隠してあげないと。

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