【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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Lv.23 勇者は攻略本が欲しい

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 プロゲーマーは所属している事務所からお給料をもらうわけだが、その金額は普通のサラリーマンとほぼ同じである。

 そこにいわゆるボーナス的なものが足されるのだが、その源となるのがスポンサーの依頼仕事、配信の収入などの分かりやすいもの。
 さらには大会の優勝賞金などがある。

「今回の収入、すごいことになってるんだけど」

 采花がはしゃいでた理由は、おそらく前回のライガンペア戦での優勝賞金が反映されたせいだと思われる。

「今回は意外と早かったな。振り込まれるまで数ヶ月かかることもあるんだよな」
「そうなんだ……!」

 プロゲーマーとしての暦は浅いため、采花はこんなに毎日ゲームして過ごしていいのかと疑問を持っていた。
 こんなので給料をもらえるのは、いつか厳しい仕事が強要されるからなんじゃないかと疑っていたらしい。

「私、達也くんってバイトくらいの収入しかないんだと思ってた。実は結構稼いでるの?」

 プロゲーマーの世界はシビアではある。
 だが大会で入賞したり実績を積み上げていけば、ファンがついて支持を受け、スポンサーが増えればそれだけ収入も上がる。

「シロサイのイメージを作ろうと事務所が画策してたのは、それが理由だよ」

 ある種の人気商売というわけだ。

「今はもう、みんなのシロサイは俺だけの采花になったんだけどねー」
「わ、急に。こそばいよ」
「ねーちゅーしよー」
「先に一緒にお掃除しようね?」
「ちゅー」
「もぉ……ちゅ。はいっ、お掃除するよ」
「もっと。ちゅっ。もっとしてーーー」
「だぁめ、掃除機かけるから、あっちょっと、ダメ……んっあぁん」

 気づけば俺の評判は「女好きプロゲーマー」から「ノロケ過ぎプロゲーマー」になった。

 そしてシロサイ含むチーム戦やペア戦でさらなるタイトルを獲得すると、新たなフォロワーが増えるころには「恋愛下手プロゲーマー」に変わっていた。



『いやさ、俺は毎日でもしたいわけだが』

[@Paul 性欲だけは変わらず健在か]
[@ハイジ ヤリすぎは良くないぞー]
[@りんりん させてくれないの?]

『ご飯食べないとダメ、とか。
 掃除終わってからだよ、とか。
 おあずけ食らうんだよなー』

[@get! 飯は食え。掃除はしろ]
[@ピカちゅ 切実ですね……]
[@ロ⭐︎リ 尻に敷かれて嬉しそうだな]

『ねぇ好きな女を抱きたいって思うのは当然だよな? 毎日でも抱きたいって思うよな?
 出しても出しても性欲がなくならない不思議』

[@ちぃちゃん 分かるけどさw 彼女でしょ?]
[@リモコン 他の女抱けばいいじゃねーか]
[@嘉門 ぜ つ り ん 系 ! ?]

『他の女ねぇ……』


 直近で優勝した格闘ゲームの大会を思い出した。

 久しぶりに会ったマトビが今まで通り自然と腕を組んできて、俺も違和感を感じず。
 会場の出入り口に向かいながらお誘いを受けた。

「マトビまたおっぱいおっきくなった?」
「確かめてみる?」
「うん。確かめる」
「ね、出番終わったんでしょ? 行こ」

 そんな会話の中、采花を見つけて声をかけた。

「采花。こちら、マトビ」
「……マトビさん、どうも」
「シロサイちゃんね。どうもー」

 組まれた腕を挟む大きなお胸をチラリと見て、采花は黙って俺を見た。
 嫉妬しているようだ。
 なので俺はちゃんと、采花に聞いた。

「采花、マトビとラブホ行っていい?」
「いいわけねぇだろ」

 食い気味に怒られたので、俺は泣く泣く腕に絡みつくマトビを丁寧に引き剥がした。

「彼女が怒るので行けません」

 マトビは意外そうな顔をしたけれど悲壮感はなく、ただ俺の反応を面白がった。

「ムジンくん変わったわね」
「エロい女は相変わらず好きなんだけどね」
「ウフフッ。よく言うわ。前みたいな、ヤリたくてしょうがないって顔はしてなかったわよ?」

 前はマトビを前にするともれなくそういう顔をしていたらしい。今日は全く惜しいと思わなかった。
 俺も丸くなったもんだ。


『他の女にはもう勃たなくなったかもしんない。
 俺は身も心も彼女に夢中なのさ。彼女を抱きたくて仕方ないんだ。
 我慢なんてしてられるか!
 今日も俺は彼女を抱くぞ!』

[@尻ビデ それでいいんだぞムジンよ]
[@若様 抱いてきたゲーマーの名前挙げてけw]
[@レオン 悩みはないということで]
[@福沢諭吉 幸せそうで何より]
[@大阪人 これ何の話?]



 配信を終えると采花はベッドで寝ていた。
 相変わらず寝顔が可愛くて、すぐにでも愛でたくなるけれど起こしはしない。

 抱きたいとかヤリたいとか当たり前に口から飛び出しはするけれど、結局は采花の横に居られればそれで満足なのだ。

 起こさないようにそっと抱きしめて、同じ夢を見られますようにと俺も目を閉じた。

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