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Lv.23-4
しおりを挟む「プレゼント……?」
「そっ。俺から采花に誕生日プレゼント」
「ううっ……うっあぁぁ」
「ストップ泣くのナシ、一旦待機」
「ふぇぇ……ヒクッヒック……泣いてない」
再度サイレンが鳴り響くのを止めて、プレゼントを開けてもらうことにした。
ちゃんとラッピングしてもらった包装紙をゆっくり開いていくと、全貌が明らかになっていく。
「……ネックレスだぁ」
「指輪はサイズ分かんないし手始めに」
「可愛いし、嬉しいし、泣きそう」
「いやん采花頼む笑顔を見せてくれ」
童貞諸君に聞いたアクセサリーの中で無難だと声の多かったネックレスである。
「それからこれー」
「まだあるの??」
2つ目のプレゼントも包装を解けば、今度は様子の違うものが見えた。
「あっ、新しいコントローラー!」
「最新型の可愛いやつ選んだー」
「買い換えようかなって思ってたの! 嬉しい!」
これは采花を観察していて気づいたものだ。
初期型の黒いコントーラーを使い古していたので、それを新調してあげたくて買った。
嬉しそうな笑顔が見られて俺も嬉しい。
「それから次がこれー」
「3つも?? なんか悪いよ」
「これは俺からの希望を込めて」
不織布の包装のリボンを外して中から取り出したのは、采花用の下着だ。上下セットである。
「たまにこれつけて欲しい」
「あ……うん、ありがとう」
「サイズもちゃんとチェックしたから安心して」
「そうだね、ピッタリっぽいよ」
歓喜で表情が固まってしまったか。
大喜びである。
「そんで次は、これ」
「ねえいくつあるの? たぶんプレゼントって普通、こんなにたくさん用意しないよね?」
「開けて開けてー」
次の箱からはポシェットタイプのカバンが出てきた。
「采花が持ってるのと同じメーカー? ブランド?
よく分かんないけどその違うやつ」
「欲しかったけどちょっと高くて諦めたやつだ」
「欲しかったの? さすが俺」
色は迷ったけど赤髪に合うように赤にした。
実際に持ってみると予想より似合う。
「それとー」
「まだあるの?? がんばりすぎだよ」
もう采花の涙は乾いているし、笑顔も見れた。
でも用意したのはこれがラスト。
もしかしたらこれが一番喜ぶんじゃないかとも思っている。
「サウジアラビア行きのチケット……?」
「俺たち、青赤コンビとチーム組んで、ライガンの世界大会に出よう」
「世界……大会? ほんと?」
オンラインゲームの大会は世界規模である。
そのサウジアラビア大会が決まり、出場チームのメーカー推薦枠があると知って俺はこの計画を立てた。
先に青赤コンビに声をかけておけば、事務所からのプッシュもあり推薦されやすくなる。すぐに2人とコンタクトを取った。
それさえ決まれば、国内大会での実績があるので推薦されるためのアピールは十分だった。
「実はもう出場が決まってる」
「……すごい」
「采花が嫌だったらなんかごめんだけど」
「イヤなんて思うわけないじゃない、すごいよ達也くん! 出場できるなんて夢みたい」
やはり采花は〝シロサイ〟である。
今日一番の笑顔を見られて俺は満足だ。
「よーし。景気付けにケーキでも!」
「けいきづけのけいき……」
「親父ギャグじゃないよ? ローソク立てよ」
「もしかしてこのロウソクに火を灯して、ふーってするの?」
「するよー」
目の輝きは小学生みたいにキラキラしている。
「歌い終わったらふーするんだよ」
「分かったっ」
「ハッピバースデーとぅーユー♪
ハッピバースデーとぅーユー♪」
「あははっ達也くん下手くそ」
「ハッピバースデーでぃーあ采花ちゃあーん♪」
采花は初めてだと言った。
両親が消えたのが采花が高校2年の頃のことなら、それまでは家族で居たはずだ。
だけど今回が初めてで泣くほど嬉しいということは、いい思い出として残るようなことは何もしてもらってこなかったんだろう。
それがサプライズのことなのか、バースデーケーキのことなのか、それとも誕生日を祝われること自体なのか。
それは聞かなかった。
いい思い出はこれから増やしていってやる。
采花のしてこなかったことを俺が教える。
「ハッピバースデーとぅーーー♪
ゆぅぅーーーーーーーっ」
「ふーっ」
「おめでとーーー!!」
「えへへっありがとう」
「来年はみんなでやろっ」
「うんっ。楽しみ!」
今までできなかったことがあるのなら、これから全部、やらせてあげよう。
俺が初めての人になってやればいい。
サプライズは失敗したけど、今後の色んな未来の展望を思い描くと、俺の方が楽しみになった。
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