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番外編
破れ鍋に綴じ蓋
しおりを挟む「やっぱりおかしい……」
汗をかいてベタつく身体をさっぱりさせようと、バスルームへ向かう。お風呂上がりの着替えにと、備え付けのチェストに常備しているバスローブを手に取り、ふと横を見て違和感を感じた。
……あれ?
僕の下着ってこんな少なかったっけ……?
僕の部屋には見られたくないものも多いので、極力メイド達は中に入れず、自分のことは自分でするようにしている。勝手に勘違いして褒めてくれるしね。
そのため、着替えやヘアセット含め自分でこなしている僕のために、お風呂上がりに必要な衣類はこのチェストに片付けてくれているはずなんだけど……。昨日と今日使った物があるとしても、明らかに数が減っている気がしてならない。
実をいうとここ最近、下着だけではなくて、お気に入りのハンカチや一日着ていたシャツとか、いろいろモノがいつの間にかなくなるんだよなぁ。変なの。
メイドが気を利かせて、洗ってくれた時に傷んでいるものを見つけたら、僕に言わずに処分してくれているのだろうか。
その時の僕は、多少の違和感を覚えながらも、特に誰に言及するでもなく、汗と一緒に疑問もシャワーで流してしまったのだった。
――― まさかその真相が、こんな風に発覚するだなんて、思いもせずに。
「ライナーさん……これ、僕のぱんつだよね……?」
「あっっ⁈ い、いや、それは……!」
今日も今日とて、愛しの巨根様にたくさん愛してもらおう♡と、両親や他の使用人たちが寝静まった頃を見計らって、ライナーさんの部屋へとやってきた。
ライナーさんの部屋にある備え付けのベッドは、使用人の部屋の物とはいえスプリングの効いているセミダブルのものだ。体格のいいライナーさんと二人で寝るには少し狭いけれど、逞しい身体に抱き締められながら眠るのは悪くない。
……って、そうじゃなくて!
「なんでライナーさんの枕の下から、僕のぱんつが出てくるのかな?」
「あ、あ……う……」
もごもごと口を動かしながら、意味のない言葉を発して青褪めているライナーさんに、僕は殊更可愛く微笑んで詳しい説明を求めた。
なんでも彼ら使用人は自分達でランドリールームを使い、各自で洗濯を行うそうなのだが、たまたまライナーさんが使用する時に、僕の洗濯物が置かれていることがあるらしい。中には両親のものや、姉のものだってあるはずなのだが、彼には僕の洗濯物だけ輝いて見えるとか。
……まぁ、それが事実かは置いておいて。とにかく他に誰もいない時を見計らい、自分の洗濯物に紛れ込ませて僕の洗濯物をくすねていたのが全ての原因だったようだ。
「うん。ごめん、ライナーさん……それはちょっと引くかも……」
僕のぱんつを使って、ナニをしていたかなんて、聞く必要もないくらい一目瞭然で。若干頬を引きつらせてそう言うと、ライナーさんはしょぼん、と肩を落として小さくなっていた。
「も、申し訳ありません……」
そんな姿を見て、僕は大きくため息をついた。
超絶美少年の僕と同じ屋根の下にいたら、そういうことをしたくなっちゃうのも分かるんだけど。なにより納得出来ないのが、ライナーさんが「僕」を差し置いて、「僕の物」でソロプレイを楽しんでいるってこと。
「ライナーさん……」
俯く大きな身体に擦り寄って、頬を優しく撫でながらこちらを向かせる。
「目の前に本物の僕がいるのに、ぱんつの残り香で満足しちゃうの?」
うっそりと笑いながら、捨てられた子犬のような顔をした男に向かって囁く。この人はセックスになると人が変わったように、強気で、いやらしく、少し強引なプレイをしてくれるというのに、普段はいかんせん自信が足りないのだ。
平常時は隠れている、色っぽく垂れた目元が見えるように、人一倍厚い前髪を寄せると、その奥に隠れていた情欲の炎が灯った瞳が現れる。
「ねぇライナーさん。僕はそんなのじゃ我慢できないよ……♡」
◇◇◇
「やぁあん……っ♡ ライナーさっ……だいすきっ♡ もっと…っ、んッ、ライナーさんっ♡ ぁああっ!」
バツンッ、バツンッ!と僕のお尻を叩くようにライナーさんの腰があたり、激しい音が部屋の中に響き渡る。極太のペニスにごりごりと抉られるように犯されて、僕の顔はオナニーでは味わえない最高の快感に顔を蕩けさせる。
そうこれこれ♡
このおちんちんがいつも僕を腰砕けにしてくれるんだ。
「あぁんっ♡ おちんちん♡ すきぃ……あっ、奥……♡ 入ってるよぉ……っ♡♡」
「……っ、坊ちゃんっ!」
淫らな僕の嬌声につられるように、胎内に咥え込んだライナーさんのおちんちんが、ぐぐぐ……と更に膨れ上がる。
際限を知らない彼の巨根は、今までの玩具ではこじ開けることの出来なかった、僕の最奥をいとも簡単に拓いてしまうのだ。
「、もっと……! 奥に入れてください……っ」
「っ、やぁぁっ♡ ぁっ! 気持ちい……っだいすき……っ…んっ……♡ライナーのおちんちん…♡だいすきぃ……っ♡♡」
「ぐぅっ、ユーリ様……っ!」
逞しい身体に脚を巻きつけて、胎内の奥深くに熱い飛沫を浴びる瞬間を待ちわびる。
「ぁあ……っぁああっ! もっとぉ……♡
イっちゃうっ♡ あぁっ♡♡ あっ♡♡ァアアッ……♡♡♡」
どぷっ、どぷっ……と流れ込む愛しい恋人の欲望を受け入れながらも、僕はこの後どうやって彼が集めた自分の残骸を取り上げるようかと、快楽にぼんやりとした頭で思考を巡らせるのだった。
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