魔宮

やなぎ怜

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 一宏は毎日、いかにして間宮を犯すかという議題で頭をいっぱいにさせた。

 最初は単に間宮の中で射精することだけに重点を置いていた一宏だったが、そのうちにそれだけでは満足できなくなった。

 一宏が求めているのは、あの日、兄と交わって喘いでいた間宮の姿なのである。

 間宮は未だに一宏との――一方的な――セックスの中で射精はおろか、勃起すらしていなかった。

 なので一宏はこのところはあの手この手で間宮を勃起させようと試みていた。

 間宮の穴を犯しながら彼のペニスをしごいたり、前立腺なるものを意識して刺激しようとしていた。

 しかしそのどれもがあまり成果を上げられずにいた。

 ロケーション――大体がトイレの個室――にも閉塞間を覚え始めた一宏は、思い切って間宮を犯す場所を変えることにした。新規開拓である。

 夜中に間宮と待ち合わせをして連れ込んだのは、間宮邸からそう遠くはない公園だった。

 緑化に力を入れている地域だけあって、その公園は広大かつ緑多く――言ってしまえば、隠れてコトに及ぶには絶好のロケーションであった。

 さすがに高級住宅街の中に位置するだけあって、一宏のような不埒な輩はいないようだ。

 しかし意外とひとけはあった。多くが軽装のランナーで、その中にときどき犬を散歩させている人間が混じる。

 公園の中に立つ外灯の間隔もそう離れてはおらず、こうこうとした光が闇に沈む公園の歩道を照らし出していた。

「ねえ、本当にここでするの……?」

 一宏の後ろをついて歩く間宮が、不安そうな声を上げる。

 見つかれば大事になることは目に見えていた。

 しかしそのリスクを犯すからこそ、興奮は増す。

 何度も放課後の無人の教室で間宮を辱めていた一宏は、無意識のうちに更なるスリルと快感を追い求めていた。

 一宏たちは歩道を外れ、太い幹が立ち並ぶ木立ちの中へと足を進めた。

「ここでいいか」

 森の中にぽつんとあるベンチを見つけて、だれともなしに一宏はつぶやく。

 その言葉は夜のしんとした闇の中へと溶けるように消えたが、当たり前だがそばにいた間宮の耳にはしっかりと入っていた。

「こんな……隠すようなものもない場所で?」

 振り返れば、間宮の目が動揺に泳いでいる。

 リスクの高さだけを測れば、自宅が近い間宮のほうが身バレという危険性があるぶん、慎重にならざるを得ないのだろう。

 一宏はもちろんそれをよく理解しているからこそ、わざわざこの場所を選んだのである。

 もしもこんな場所で男に犯されていたなんてことがバレればどうなるか――。

 それを考えるだけで単純な一宏は股間を熱くさせた。

「今日は全部脱がなくていいよ」

 一宏がそう言うだけで、間宮は少しだけ安堵したようだ。浅く、息を吐く。

 それを見るだけで一宏は気持ちの良い支配欲で満たされて、満足する。

 何度も一宏に犯され、辱められた間宮は、近頃は反論するようなことは少なくなっていた。

 脱げと言われれば大人しく裸になったし、ペニスを舐めろといえば忠実にフェラチオに励んだ。

 それは一宏に絶大な優越感をもたらしたが、同時にマンネリの感も覚え始めていた。

「ベンチに手をついて」

 ズボンと下着を足首まで下ろした間宮は、一宏の命令に素直に従う。

 背を向けて、尻を突き出すような形でベンチの座部に手をついた。

 暗闇の中でも、間宮の色白な尻は良くわかる。

 一宏は鞄の中からローションを取り出した。

 大人しく命令に従っているあいだは服は汚さない。そんな不文律さえ行為を繰り返すうちに生まれていた。

 なので一宏はローションを手のひらに出すと、間宮の肛門の内に送り込むようにして、手慣れた様子で指を挿入する。

 じゅぷっ、ぶちゅっ、じゅっ、ぶっ。

 そんな粘性のある、下品な水音が静かな夜を騒がせる。

 一宏はぐりぐりと間宮の前立腺を探るように指を動かした。

 未だにどこが前立腺なのやらわかっていない。勃起していたほうがわかりやすいらしいが、未だに間宮は完全に勃起したことはなかった。

 しかし、いつもの調子で間宮のペニスに手をやった一宏は、いつもと違うその様子に気づいた。

「――あれ? ちょっとってる?」
「っ!」

 びくりと間宮の肩が跳ねた。

 暗くて良くは見えないが、その耳が赤くなっている、気がした。

 思えば、心なしかな間宮の息が上がるのも早かった。

 間宮は――この状況に、興奮している?

 そんな疑念が一宏の中で急速に湧き上がった。

「興奮してるの? 間宮」
「ち、ちがう……!」
「でも間宮のちんぽ、ちょっと勃ってるじゃん」
「ちがうっ……――んあっ?!」

 ぐりぐりと間宮の中で動かしていた一宏の指が、なにか少しだけ固い部分をかすった。

 その途端、間宮の尻が跳ねた。

 そして一宏の手の中にあった間宮のペニスはびくんと震えて、それから海綿体を膨らませ――完全に勃起した。

「え? ここ? ここがいいの?」
「あっ、ああっ……! だめっ、そこっ、やめてっ、やあん……っ!」

 にやける口元を押さえたいような気になりながらも、一宏は容赦なく間宮の前立腺を刺激してやる。

 ぐりぐりと押し込むたびに間宮はびくびくと震えて、ついには一宏の手の中にあるペニスは先走りを垂れ流した。

「あっ、あうぅっ! だめえっ、だめだめっ……!」

 待ちに待った、間宮の甘い声。

 こちらに媚を売るようなか細く、そして女のように高い嬌声。

 はっはっ、と犬のように荒い息をこぼしながら、女のように股を閉じて、ぶるぶると太腿を震えさせている。

 腸内から前立腺を押したり、引っかいたりするたびに、間宮の肛門はぎゅっと一宏の指を締めつけた。

 そしてその穴からはだらだらと、ローションなのか腸液なのかわからない、ねっとりとした液体を漏らしている。

 それからぐねぐねと動き、わななく直腸内は、一宏の指を抱きしめて、まるでおねだりするようにびくびくと痙攣している。

「だめぇっ、だめっ、だめええっ! きちゃううううぅっ――!」

 甘い声を張り上げて、間宮は射精した。

 一宏に指で穴を犯され、前立腺を責め立てられながら、だらしなく精液を発射した。

「あっ、あっ、ああっ、あっ……」

 断続的に言葉になっていない音を喉からこぼしながら、間宮は頭を仰け反らせ、びゅっびゅっと一宏の手のひらに白濁液を飛ばす。

「前立腺責められただけでイっちゃったな」

 ひと通り射精が終わったあと、嘲笑するようにそう言えば、間宮の落ちた肩が震えたような気がした。

 完全ではないにせよ、間宮を屈服させた気分を味わった一宏のペニスは、すでに熱く勃起している。

 ズボンをずり下ろせばぶるんと勢い良くペニスが飛び出た。

 そんなペニスに手をやって、間宮の体液だかローションだかわからない液体でべちゃべちゃになった肛門へと、亀頭を押しつける。

 間宮の腰はびくりと震えたが、しかし彼はなにも言わなかった。

 いや、それどころか間宮がこれからされる行為を期待しているような空気すら、一宏は感じた。

「前立腺どこかわかったし、ちんぽでいっぱいイジメてやるよ」

 熱く出来上がった間宮の肛門に、亀頭を潜り込ませる。

 たったそれだけで間宮は「あっ」と媚びるような甘い声を出した。

 一宏は前言通りに、あまり深くはない箇所にある間宮の前立腺めがけて、ペニスを押し入らせた。

「ああっ」

 一番幅を取るカリ部が肛門を通過して、充血した亀頭が間宮の前立腺を押しつぶすようにすりつけられる。

 それだけで間宮はびくりびくりと体をわななかせて、力を失っていたペニスを再び勃起させた。

「ん~っ……おおっ、ふっ、おぅっ」

 一宏が腰を動かしピストン運動を始めると、間宮は獣のような下品な喘ぎ声を上げ始める。

 普段のキレイな間宮からは想像もつかないようなその声に、一宏は海綿体を膨らませた。

「あっ! ああ~~~っ! それだめえっ、だめだよおぉ――!」

 悲鳴のような声を上げる間宮だったが、その言葉とは裏腹に腰は一宏の動きにあわせてゆらゆらと揺らめいていた。

 間宮の中も、きゅんきゅんと甘えるように一宏のペニスを締めつけている。

「間宮っ! 脅されて犯されてるのに感じてるのかっ?!」
「やだぁっ……! やめてっ、言わないでぇっ……!」
「やっぱり男のちんぽ大好きなんじゃねえか!」
「ちがっ! ちがうのっ! これはちがうのぉっ……!」

 間宮の細腰をつかみ、快楽のままにズコズコと腰を突き入れる。

 互いの息は上がり、双方ともに顔を真っ赤にさせていた。

 一宏は知らず知らずのうちに、興奮で口の端からつばを垂らしていた。

「んおぉっ……! おおっ、うぅ、あっ! あ~~~ダメええぇっ――!」

 か細い声を上げて、間宮はまた頭を仰け反らせた。

 そうするとがくがくと足が震え、びくんびくんと腰が跳ねる。

 どうやら射精したようだ。

 そしてそれにあわせて間宮の腸内もびくりびくりとわなないて、一宏のペニスをこれでもかというほど締め上げた。

「~~~! おうっ、うっ、出すぞ出すぞ出すぞ!」
「あっ、ああっ、あうぅっ……!」

 一宏の言葉に、間宮は答えられないようだった。

 ただ言葉になっていない声を漏らすばかりだ。

 そんな間宮に構う様子もなく、一宏は彼の最奥で精液を発射した。

 びゅーっと鈴口から勢い良く白濁の液が飛び出て、間宮の腸内を汚して行く。

「んっ……あ……出てる……」

 陶酔しきった間宮の声に誘われて、一宏は最後の一滴まで彼の中に注ぐ。

 そのあいだ、間宮は暴れることも嫌がることもせず、大人しく射精されるがままだった。

「ふーっ」

 ひと息ついて、一宏はじっとりと全身に汗をかいていることに気がついた。

 それでも間宮の中に入れっぱなしのペニスは、まだ芯を持っていた。

 一発だけでは物足りない。一宏の若い性は再び目の前の穴を犯さなければ気が済まないようだった。

「――んひぃっ?!」

 腰を動かし間宮の体を突き上げる。

 突然の衝撃と刺激に、間宮はそんな奇妙な声を出した。

「もう一発ヤるからな」

 そんな一宏の宣言に、間宮は「は、はい……」と従順な答えを返すのだった。
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