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凱旋編
9.愛で世界を救いましょう
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『さて、エディス様が近臣に誰を選んだのか。我々もまだ知りません!』
屈んで走り寄ったジェネアスが「近臣の情報ッス。シュトー様にも許可貰ってるから、このまま読んでもらってもいいッスよ」と言って紙の束を渡す。さりげなくトリエランディアの徽章を見せることも忘れない。
記者は自分に任された仕事を果たす為に、エディスが乗る車の後方に位置する馬車に乗る青年はと紙束から探す。
『これは……なんと、』と声を詰まらせた記者が顔を上げる。高揚で顔を赤らめた彼は、『至上初と言えるでしょう』と拳を握った。
大画面に映り込んだ青年の整った美貌に、多くの女性が顔を赤くして悲鳴を上げる。その青年は歓声が自分に向けられていると悟ると、照れ臭そうに微笑んだ。
『この美丈夫は、ボステルク領の領主だそうです! 名は――レイケネス・エクセリオと』
特等席を用してもらっていた貴族が、「ええっ!?」と慌てふためいて立ち上がる。大画面と馬車で優雅に足を組んで座っている麗しい青年を何度も交互に見た。
「じゃあ――あの人が、アンビトン・ネージュなの……!?」
「魔法使いの原祖、魔法書の魔人……彼がボステルクの城外に出てくるなど、信じられんぞ」
彼の肩辺りに煙っていた魔人は人々に見えるように輪郭を露わにする。
これはとんでもないことになってきたと湧き上がる民衆の前を装甲車が通り抜けた。その車には西部軍司令塔の紋章が入った旗が立てられていると、見つけた者が騒ぐ。
「サミュエル殿、準備はよろしいか」
「はっ、はい……」
ごくりと唾を飲み込んだ少年は、座席から立ち上がって両手を大きく振る。
「おじいさま――っ、サムが、サムが帰ってまいりました!」
両手を挙げる柔らかそうな金髪の少年は、黒い神官服に身を包み込んでいる。
「金髪の神官……!?」と見上げていた民衆の肩を、神官が掴む。その神官の頬を涙が流れていき、地面に座り込んで手を握り合わせた。
『王の為の神官一族、アマリア家! 彼はその血を引く唯一の子ども。皆さんの中には覚えている人もいるでしょう……「サミュエルくん誘拐事件」の、被害者です!』
神官が慌てふためいて「アマリア神官に知らせを!」と走っていく。
『なんと、西の辺境伯クレマ・ラウヴェルの屋敷に監禁されていたところを、エディス殿下が助けたとのことです』
「監禁……!?」
「ラウヴェル卿といえば、キシウ様と繋がっているという噂だろう。親は奴隷商人だったとか」
「じゃあ、無理矢理ハイデ殿下に従わせようとしたってこと?」
それってどうなのかしら、という厳しい目がクレマの姿を捜す。だが、彼の姿はない。それどころか、暁の舞台にもいた北の公爵――ギジア・トリドットの姿すらないのだ。
「集まっていないのかしら……」
疑念は不審に繋がり、暗く落ち込んだ顔をするハイデを皆は睨み付けた。
『クレマ・ラウヴェルは顔も見せられないのでしょうか、私、非常に卑怯者だと憤っております!』
「彼奴は来ん!」
ドンと鞘に入れたままの刀を床に突き、低く響く少年の声が場に響く。
「今も西部軍で調べている最中での。式典までには間に合うといいが」
鞘の上に両掌をのせた飛踊が皮肉気な笑みを浮かべる。小さい体ながら、雄々しい姿に見上げた民衆はどこの家の方なのかしらと見惚れた。
記者は大画面と手元の紙を見比べ、目を見開いて驚く。
『彼は……、これまた驚きました。遠く極東にある国の王子とのことです!!』
もはや笑いすら出てくると、一体自分はなにを見ているのかと目を擦る。
『その起源はアンビトン・ネージュによると、六世紀頃からと云われ……ええと、六世紀とはなんでしょうか。分かりませんが、私にも凄い国だということは分かります!』
なんだか今代は面白いことになりそうだと賑わう人々を見ていたエディスは、ふと顔を上げた。
「エディス、お願いがありますの」
一角獣を地面に下ろしてきたレイアーラが、並走させながらこちらに顔を向けてくる。
「レウ様とキスしてくださいませんこと?」
キス。キスとはなんだっただろうかと、エディスは顎に手を当てて正面を見る。このお姫様が示すキス――「はあ!?」と立ち上がりかけて、レウに危ないと腰を引き寄せられた。
「いやだって、なんで!?」
「惑わせの魔法の解除方法は、好きな人からのキスでしょう」
エドワードに教えてもらったのと言うレイアーラに、エディスは頷きを返す。
「ここにいる大勢の民は掛かったままですわ。私、それを解放してさしあげたいの」
――協力、してくださいませんこと。
真っ直ぐこちらを射抜いてくる王女の視線に、エディスはごくりと唾をのみ込んだ。頷くことまではできたが、膝の上で手を握って俯いてしまう。
(こ、こんな人前で……出来るかよ……!)
一体何人の民が集まってきていると思っているんだと、どんどん赤くなってくる顔に手を当てる。
「エディス、他に方法があるだろ」
そうシュウが提案するが、混乱しきった頭では考えられない。
ふにふにと唇を指で触って、意を決して顎を上向ける。レウの両肩に手を置いて顔を近づけるが、決心が鈍って身を反らしてしまう。
「ご、ごめ……」
嫌だから避けたんじゃないと謝ろうとしたエディスの頬を、温かな両手が包む。レウの顔が近づいてきて、薄い唇が瞼に触れた。
思わず目を閉じてしまったエディスの唇は奪われて、すぐに犯人は離れていく。名残惜しくて手探りで腕に触れると、口のすぐ傍に息が掛かった。
鼻にかかった声が漏れ出た口をまた塞がれる。何度も啄むように触れてくるキスが心地よくて、エディスは人前だということも忘れて受け入れた。
だが、ブーーッという大きなクラクションの音に我に返って、慌てて彼の胸を押して体を離す。
「あ……」
手で口を覆うが、顔が一気に熱くなってくる。レウが腕を広げ、自分の肩掛けマントの中に隠してくれた。
「あまり可愛い顔を他の奴に見せないでほしいんですが」と囁かれて、反射的に怒鳴ってしまいそうになるが、あまりの羞恥心から声が出ない。
熱狂する民衆に、なんてことをしてしまったんだと頭を抱えそうになるが、気持ち良くて陶酔してしまった自分がいるせいでレウを責めることも出来なかった。
だが、ぐわんと頭が揺れるほどの絶叫が上がって、慌ててマントから出て周囲を見渡す。
「な、なんだ!?」
前方から雄叫びや、喉を切り裂かんばかりの悲鳴が聞こえている。それどころか、最初は前方だけだったのが周囲に広がってきていた。
呆気に取られたエディスたちが原因を探ろうとしていると、大画面にデューの姿が映し出された。キシウの隣で立ち上がった彼女は両手を口に当てて、大きく腕を広げた。
「愛が世界を救うのよ!」
四方八方に飛ばしている彼女に、シュウが小さく吹き出して笑う。くっくと肩を揺らして笑う彼が楽しそうで、見た時は派手な奴だな~と呆れていたエディスも、面白い奴だなと思った。
「デュー様、私もそう思っていますのよ!」
様子を見ていたレイアーラは、手を合わせてにこりと微笑む。
そして、戦う意思はもうないのだと言うかのように一つに結んでいた髪を下ろした。そして一角獣を一撫ですると、横向きに乗ってドレスの裾を花びらのように舞わせる。
「皆さま、私も愛しておりますわ~」
柔らかく恋人を包み込むような微笑みを浮かべて、立てた二本の指を唇に押し当てた。
「これは、今も南部で戦う、私のレイヴェン様へ捧げます!」
デューを真似て片目を閉じ、キスを投げ飛ばす。
「さあ、皆さまも! 愛の輪を繋げていきましょう」
両手を広げて、民衆に向かって愛の言葉を贈った。その姿を見ていた民は傍らにいる恋人や伴侶と目を交わし合う。
最初は、恐る恐る姫様が言うのであればという、ぎこなさ。だが、その輪はどんどん広がっていった。
ドラゴンから飛び移ったアーマーが手綱を握って一角獣を飛ばす。レイアーラは彼女の背中に抱き付いて、涙が滲んだ声で義妹の名前を呼ぶ。
「アーマー、私は王女としての務めを果たせていますか」
「お姉様は、いつでも尊敬に足る素晴らしい方です。大兄様も、必ず見ています」
人々から滲み出た惑わせの魔法が暗雲となる。アーマーが一つ頷くと、エディスが丸めたレウの両手の間に描いた紋章から光を放つ。
「すげえな、シルク様の姉さんは」
万感が籠ったレウの言葉にエディスは「そうだな」と笑顔を見せて、魔法を発動させる。
暗雲に星が散って、空が澄み渡っていく。それは、この国がキシウの支配から抜け出した証だった。
「なにをしているのよ、デュー~~っ、どうして奴らを焚きつけるの!」
「あら、私がカリスマすぎたのね。みーんな~っ、崇め奉っていいのよ~!」
「それを止めなさいと言っているの!!」
顔を真っ赤にしてデューに掴みかかって怒っているキシウに、運転しているマディが「暴れんなって、おばさん。馬車が揺れる!」と制止をかける。
「なによ、なんなのよ……っ、アンタたちも、あの不細工どもも!」
「まあまあ、おばさま。今マディを落としたりしたら、ほんっとーに危ないですから!」
今度は御者席に座るマディに掴みかかろうとして体を乗り出そうとしたキシウを、デューが抱き付いて止める。
エディスは大液晶画面に映るその光景を見て、「……アイツら、なにしてんだろうな?」と首を傾げた。
屈んで走り寄ったジェネアスが「近臣の情報ッス。シュトー様にも許可貰ってるから、このまま読んでもらってもいいッスよ」と言って紙の束を渡す。さりげなくトリエランディアの徽章を見せることも忘れない。
記者は自分に任された仕事を果たす為に、エディスが乗る車の後方に位置する馬車に乗る青年はと紙束から探す。
『これは……なんと、』と声を詰まらせた記者が顔を上げる。高揚で顔を赤らめた彼は、『至上初と言えるでしょう』と拳を握った。
大画面に映り込んだ青年の整った美貌に、多くの女性が顔を赤くして悲鳴を上げる。その青年は歓声が自分に向けられていると悟ると、照れ臭そうに微笑んだ。
『この美丈夫は、ボステルク領の領主だそうです! 名は――レイケネス・エクセリオと』
特等席を用してもらっていた貴族が、「ええっ!?」と慌てふためいて立ち上がる。大画面と馬車で優雅に足を組んで座っている麗しい青年を何度も交互に見た。
「じゃあ――あの人が、アンビトン・ネージュなの……!?」
「魔法使いの原祖、魔法書の魔人……彼がボステルクの城外に出てくるなど、信じられんぞ」
彼の肩辺りに煙っていた魔人は人々に見えるように輪郭を露わにする。
これはとんでもないことになってきたと湧き上がる民衆の前を装甲車が通り抜けた。その車には西部軍司令塔の紋章が入った旗が立てられていると、見つけた者が騒ぐ。
「サミュエル殿、準備はよろしいか」
「はっ、はい……」
ごくりと唾を飲み込んだ少年は、座席から立ち上がって両手を大きく振る。
「おじいさま――っ、サムが、サムが帰ってまいりました!」
両手を挙げる柔らかそうな金髪の少年は、黒い神官服に身を包み込んでいる。
「金髪の神官……!?」と見上げていた民衆の肩を、神官が掴む。その神官の頬を涙が流れていき、地面に座り込んで手を握り合わせた。
『王の為の神官一族、アマリア家! 彼はその血を引く唯一の子ども。皆さんの中には覚えている人もいるでしょう……「サミュエルくん誘拐事件」の、被害者です!』
神官が慌てふためいて「アマリア神官に知らせを!」と走っていく。
『なんと、西の辺境伯クレマ・ラウヴェルの屋敷に監禁されていたところを、エディス殿下が助けたとのことです』
「監禁……!?」
「ラウヴェル卿といえば、キシウ様と繋がっているという噂だろう。親は奴隷商人だったとか」
「じゃあ、無理矢理ハイデ殿下に従わせようとしたってこと?」
それってどうなのかしら、という厳しい目がクレマの姿を捜す。だが、彼の姿はない。それどころか、暁の舞台にもいた北の公爵――ギジア・トリドットの姿すらないのだ。
「集まっていないのかしら……」
疑念は不審に繋がり、暗く落ち込んだ顔をするハイデを皆は睨み付けた。
『クレマ・ラウヴェルは顔も見せられないのでしょうか、私、非常に卑怯者だと憤っております!』
「彼奴は来ん!」
ドンと鞘に入れたままの刀を床に突き、低く響く少年の声が場に響く。
「今も西部軍で調べている最中での。式典までには間に合うといいが」
鞘の上に両掌をのせた飛踊が皮肉気な笑みを浮かべる。小さい体ながら、雄々しい姿に見上げた民衆はどこの家の方なのかしらと見惚れた。
記者は大画面と手元の紙を見比べ、目を見開いて驚く。
『彼は……、これまた驚きました。遠く極東にある国の王子とのことです!!』
もはや笑いすら出てくると、一体自分はなにを見ているのかと目を擦る。
『その起源はアンビトン・ネージュによると、六世紀頃からと云われ……ええと、六世紀とはなんでしょうか。分かりませんが、私にも凄い国だということは分かります!』
なんだか今代は面白いことになりそうだと賑わう人々を見ていたエディスは、ふと顔を上げた。
「エディス、お願いがありますの」
一角獣を地面に下ろしてきたレイアーラが、並走させながらこちらに顔を向けてくる。
「レウ様とキスしてくださいませんこと?」
キス。キスとはなんだっただろうかと、エディスは顎に手を当てて正面を見る。このお姫様が示すキス――「はあ!?」と立ち上がりかけて、レウに危ないと腰を引き寄せられた。
「いやだって、なんで!?」
「惑わせの魔法の解除方法は、好きな人からのキスでしょう」
エドワードに教えてもらったのと言うレイアーラに、エディスは頷きを返す。
「ここにいる大勢の民は掛かったままですわ。私、それを解放してさしあげたいの」
――協力、してくださいませんこと。
真っ直ぐこちらを射抜いてくる王女の視線に、エディスはごくりと唾をのみ込んだ。頷くことまではできたが、膝の上で手を握って俯いてしまう。
(こ、こんな人前で……出来るかよ……!)
一体何人の民が集まってきていると思っているんだと、どんどん赤くなってくる顔に手を当てる。
「エディス、他に方法があるだろ」
そうシュウが提案するが、混乱しきった頭では考えられない。
ふにふにと唇を指で触って、意を決して顎を上向ける。レウの両肩に手を置いて顔を近づけるが、決心が鈍って身を反らしてしまう。
「ご、ごめ……」
嫌だから避けたんじゃないと謝ろうとしたエディスの頬を、温かな両手が包む。レウの顔が近づいてきて、薄い唇が瞼に触れた。
思わず目を閉じてしまったエディスの唇は奪われて、すぐに犯人は離れていく。名残惜しくて手探りで腕に触れると、口のすぐ傍に息が掛かった。
鼻にかかった声が漏れ出た口をまた塞がれる。何度も啄むように触れてくるキスが心地よくて、エディスは人前だということも忘れて受け入れた。
だが、ブーーッという大きなクラクションの音に我に返って、慌てて彼の胸を押して体を離す。
「あ……」
手で口を覆うが、顔が一気に熱くなってくる。レウが腕を広げ、自分の肩掛けマントの中に隠してくれた。
「あまり可愛い顔を他の奴に見せないでほしいんですが」と囁かれて、反射的に怒鳴ってしまいそうになるが、あまりの羞恥心から声が出ない。
熱狂する民衆に、なんてことをしてしまったんだと頭を抱えそうになるが、気持ち良くて陶酔してしまった自分がいるせいでレウを責めることも出来なかった。
だが、ぐわんと頭が揺れるほどの絶叫が上がって、慌ててマントから出て周囲を見渡す。
「な、なんだ!?」
前方から雄叫びや、喉を切り裂かんばかりの悲鳴が聞こえている。それどころか、最初は前方だけだったのが周囲に広がってきていた。
呆気に取られたエディスたちが原因を探ろうとしていると、大画面にデューの姿が映し出された。キシウの隣で立ち上がった彼女は両手を口に当てて、大きく腕を広げた。
「愛が世界を救うのよ!」
四方八方に飛ばしている彼女に、シュウが小さく吹き出して笑う。くっくと肩を揺らして笑う彼が楽しそうで、見た時は派手な奴だな~と呆れていたエディスも、面白い奴だなと思った。
「デュー様、私もそう思っていますのよ!」
様子を見ていたレイアーラは、手を合わせてにこりと微笑む。
そして、戦う意思はもうないのだと言うかのように一つに結んでいた髪を下ろした。そして一角獣を一撫ですると、横向きに乗ってドレスの裾を花びらのように舞わせる。
「皆さま、私も愛しておりますわ~」
柔らかく恋人を包み込むような微笑みを浮かべて、立てた二本の指を唇に押し当てた。
「これは、今も南部で戦う、私のレイヴェン様へ捧げます!」
デューを真似て片目を閉じ、キスを投げ飛ばす。
「さあ、皆さまも! 愛の輪を繋げていきましょう」
両手を広げて、民衆に向かって愛の言葉を贈った。その姿を見ていた民は傍らにいる恋人や伴侶と目を交わし合う。
最初は、恐る恐る姫様が言うのであればという、ぎこなさ。だが、その輪はどんどん広がっていった。
ドラゴンから飛び移ったアーマーが手綱を握って一角獣を飛ばす。レイアーラは彼女の背中に抱き付いて、涙が滲んだ声で義妹の名前を呼ぶ。
「アーマー、私は王女としての務めを果たせていますか」
「お姉様は、いつでも尊敬に足る素晴らしい方です。大兄様も、必ず見ています」
人々から滲み出た惑わせの魔法が暗雲となる。アーマーが一つ頷くと、エディスが丸めたレウの両手の間に描いた紋章から光を放つ。
「すげえな、シルク様の姉さんは」
万感が籠ったレウの言葉にエディスは「そうだな」と笑顔を見せて、魔法を発動させる。
暗雲に星が散って、空が澄み渡っていく。それは、この国がキシウの支配から抜け出した証だった。
「なにをしているのよ、デュー~~っ、どうして奴らを焚きつけるの!」
「あら、私がカリスマすぎたのね。みーんな~っ、崇め奉っていいのよ~!」
「それを止めなさいと言っているの!!」
顔を真っ赤にしてデューに掴みかかって怒っているキシウに、運転しているマディが「暴れんなって、おばさん。馬車が揺れる!」と制止をかける。
「なによ、なんなのよ……っ、アンタたちも、あの不細工どもも!」
「まあまあ、おばさま。今マディを落としたりしたら、ほんっとーに危ないですから!」
今度は御者席に座るマディに掴みかかろうとして体を乗り出そうとしたキシウを、デューが抱き付いて止める。
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