【第2部完結】悪役王女の跡継ぎはバッドエンドですか?

結月てでぃ

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番外編:どこだこの部屋!?

7.こんなの、ただの実験の結果さ✦︎

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「おっと……これは、」

 困ったなという言葉が口から出そうになったレイケネスは上唇に指を押し当てる。
 卓上に置かれたモニターを両手に持って歩いていき、片方をエディスに渡してベッドの方へと行く。

「はあぁ? なんだこれ!」

 背後で元気よく悪態をついているエディスに、レイケネスは「悪趣味だろう」と笑う。
 モニターには「半裸または全裸で性器を露出し、感想を言い合う」と書いてあった。

「ホントにな」

 呆れた顔を見せたエディスが他二人の肩を叩いてベッドの方へ行けと指示を送る。
 一人先にベッドの方まで来たレイケネスは、さてどうしたものかと冷や汗を滲ませた。

「いきなり卑猥になったな。こんなもん見せ合ってなにがあるんだ」

「女がいなくて残念だったか」

 お前結構遊んでそうだもんなと、エディスに冷ややかに見られたレウが慌てる。

「そうは言ってないだろ」

「うるっせ、さっさと取り出せよ」

 声を荒げたが、エディスが有無を言わさずにレウのズボンのチャックを下ろす。

「おい、一斉にやろうぜ、一斉に。なんで俺だけ見せなきゃいけないんだよ」

 だが、その手を止めて服を脱いでいく。

「エクセは鍛えてるから分かるけど、なんでネージュまで腹が割れてんだよ」

 憎々し気に王子が言う。

「そりゃ、ネージュさんだからね。なんだって優れているのさ」

「俺やエクセリオさんより逞しいのは納得がいかないな」

 身長もネージュが一番高いので服を着ていても体格差をまざまざと感じさせるのに、脱いでもこうだと敗北感が出てくる。
 苦い顔をするレウやエディスに、ただ感嘆するだけのレイケネスはそういうものだろうかと首を傾ぐ。

 ぶるんっというか、ぼろんというか。
 パンツをずり下ろすと飛び出てきたネージュのブツにエディスが顔を青ざめさせて呟く。

「鈍器……」

「魔法で収納してんのか」

 レウまでもが口を手で覆い、見ないフリをした。
 言われても仕方がないレベルの圧倒的な質量のそれに、レイケネスは「まあ、大きいね」とため息を吐く。

 ネージュの男性器は根元はさほどでもないがでっぷりと中太りで、亀頭が膨れている。竿の太さも長さも段違いだ。
 改めて見ると、よくあんな大きさのものが自分の中に入るなと気が遠くなりそうだった。
 悍ましい物を下着の中に収めたネージュは不服そうな顔をしているが、誰もが言われるだろという顔をしている。

「はあ、なんか馬鹿馬鹿しくなってきたな」

 さっさと済ませようとレウが下着から取り出したものに、レイケネスは眉間の皺を深める。
 こちらはこちらで、しっかりと太い幹に先端のエラが張った男性器だ。
 太さはネージュのモノと比べるとそこまでだが、長さがある。

「お前のもそうネージュと変わらないだろ」とエディスが呆れて言う。

 感想を言わなければならないレイケネスも横目で見て、眉を顰めた。

「なんだか長くないかい」

 あんなものを小柄な王子に挿れるのは紳士的じゃないなと下世話なことを考えて嘆息する。

「二人とも、これで勃起してないんだから嫌になるぜ」

「いいからアンタも早く見せろよ」

 一気に済ませようって言っただろとレウが呆れていたが、エディスはそうだったなと焦りながらズボンのチャックを下ろす。
 下着のスリットから取り出したエディスは、羞恥からすぐに隠させてくれという気分になる。
 こんなことなら一番最初に見せればよかったと後悔すらしていた。なにせ、自分の性器は前二人と比べると子どものような大きさなのだから。

「大変申し訳ないが、安心するよ」

 平均的でいいと思うと安心して頬を緩めたレイケネスに、エディスは緊張から解放された。

「そう、平均なんだよ俺は!」

 だが、「学生のとそう変わらないな」と後ろから聞こえて拳を握って振り返る。

「これと遊ぶ神経が知りたい。まるで子どもではないか」

「コイツ、殴りてえ~~~~っ」

 側頭に手を当てて背を曲げ、なにを言っても腹立つんだよと低く呻いたエディスにネージュはふんと鼻を鳴らした。

「先の色が」

 と、とんでもないことを言おうとしたレウの後頭部をレイケネスが叩く。
 レウはまさかレイケネスに叱責されるとは思っていなかったのか、呆然とした様子でこちらを見てきた。

「下劣」

 一言だけ呟いてまたベッドに腰かけ、長い足を組む。
 機嫌の悪さを露わにされたレウは謝るしかなく、エディスも叱られたことを揶揄う気にならず黙り込む。

『レウ・バスターグロス。別の感想を』

「見慣れてるけど、アンタのは綺麗だと思いますよ。形も色も」

 そりゃお前のに比べればな――とエディスは遠い目になった。

「……レイケネスのは」

 体格的にどうせレイケネスのもでかいんだろうなと思って訊かれるが、体ごと背ける。名前を呼ばれても決してそちらを見ない。
 一人ベッドに座り、脱ごうともしていないレイケネスに三人の視線が集中してくる。三度声を掛けられると首を振った。

「あ、あのさあエクセ……全員男なんだから、そんな照れなくてもいいだろ」

 トイレや公衆浴場でもよく見るんだからと言われたレイケネスは顔がほんのりと赤くなり、腕を組む。

「見慣れてなんかいないさ」

 密やかに出された声にエディスがレウの顔を見上げる。
 説明を求められると、レイケネスはむっちりと筋肉のついた足を擦り合わせた。

「その、俺には君たちと同じものはついていない」

 だから見せられないと言うと、レウが「あ……」と呟く。

「そのままの意味だよ」

 言わせるのかいと鋭い目線を向けられたレウは口ごもり、襟足に手を触れて髪を引っ張る。

「レイケネスは生まれつき、女性器を持っている。彼には粗野な男性器などない」

 人体の神秘だと、ふふ、とネージュが口だけで笑う。
 美しい体だと自慢げに顎を上げるネージュに、レイケネスはこめかみに指の腹を押し当てる。

『女性器を見せなさい』

 響いた機械音声にレイケネスの肩が跳ねた。

「なんだって?」

 天井を睨むが、同じ言葉が繰り返された。
 絶句するレイケネスだったが、エディスに声を掛けられると眉を寄せる。

『レイケネス・エクセリオ、足を開きなさい』

「エクセ、一瞬でいいから」

 王子に促されるが、あなたにこんなものを見せるわけにはと唇を噛み締める。
 成人したとはいえど、まだまだ幼げな彼に見せるべきではないと躊躇ってしまう。

『レイケネス・エクセリオに罰を与えます』

 だが、無情にも部屋に響いた機械音声にレイケネスは瞠目した。天井から触手が伸びてきたのを見て取ったネージュが焼き払う。

「私の伴侶になにをする」

 レイケネスさえいなければこの部屋を壊すことなど容易いとばかりの威圧を放つネージュに、『仕方ありません』と中止が告げられる。

『自分の手で割れ目を開いて見せなさい』

「そんなこと!」

『ではアンビトン・ネージュ以外の男にしてもらいますか』

 できるはずがない。
 唇を噛んだ後、そろりと反対側のベッドにいる二人に視線を送る。

「驚かせてしまうんだが」と断った上で足を開く。

 屈辱のあまり出そうになる声を押し殺し、手を伸ばして大陰唇に指を当ててそっと外側に引っ張る。

「こ、これでいいかい?」

 声が震えたレイケネスの肩をネージュが抱く。
 早く隠したい、彼以外に見られたくないという気持ちが強まっていくのに、機械音痴が良しとしない。

「二人とも、早く見ないか……!」

『エディス・ティーンス、レウ・バーンズグロス。近くに寄るのです』

 はあ!? と叫ぶが、指令に従わないと終わらないと分かっているしこの場合罰を与えられるのはレイケネスだ。
 反対側のベッドから移動してきたレウとエディスに見つめられ、顔にじわじわと羞恥が集まってくる。

『見た感想は』

「って言われても……初めて見たからよく分かんねえな。こんな構造だったのかって」

「感想って、まあすげえピンクだなと」

「極上だろうとも」

 蹴り飛ばしてやろうか! と率直に口を開いたレウを睨み見た。エディスはともかく、君は見慣れている上で話しているだろうと奥歯を噛み締める。

『レウ・バーンズグロス。手と口で愛撫しなさい』

「拒否する」

 即座にレウが指令を跳ね除けたので、レイケネスは驚いて彼を見た。だが、彼は首を横に振って「嫌だろ」と気遣わし気な目を向けてくる。

「あ、あぁ……無理だ、ネージュさん以外は……」

 震えそうになる体を腕で押さえる。体が急に冷えてきて、隣のネージュの肌に熱を求めた。
 数ヶ月前、敵から辱めを受けたことがあり、それが記憶に根強く焼き付けられてしまったのだ。
 愛を持って接してくれるネージュ以外からの行為をレイケネスはひどく恐れている。

『次からは指令に従いなさい』

 でなければ違う相手に犯させるということかとエディスは嘆息し、レウの腕を掴んで元いたベッドへと戻っていく。

「性格悪ぃな」と彼の口から小さな声が零れ出た。
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