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学園要塞ー後編ー
9.おはよう朝、旅へ出よう!
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「う、んん……」
どろどろに蕩けさせられて、ようやく解放されたのは昨日の夕方のことだ。乱れに乱れて、最後は自分からはしたなく足を巻き付けて強請ってしまった。
恥ずかしさを押さえ込んで起き上がるが、腰がミシリと音を立てて砕けてしまいそうな具合で、ベッドに手を突いてへたり込む。
仕方なく自分で回復魔法を掛けた。
隣を見下ろすと、ふわふわの髪をベッドの上に散らばらせたネージュさんがすやすやと心地良さそうな寝息を立てていた。この分だと暫くの間は起きないだろう。
あんなに凶暴なもので人を串刺しにしておいてと唇をすぼめる。
落ちてくる横髪を手で押えて、上体を倒す。
額に口づけてから、ゆっくりとベッドを抜け出す。
普段と変わらずキッチリと服を着込んでから、音を立てずにドアを開ける。
もう一度ベッドへ戻って、ネージュさんの肩に薄手の布団を掛け――唇を奪う。
目を開けてはくれないだろうか、その布団の中に入れてはくれないかと期待する心を振り切ってドアへと向かう。
今度こそドアを開けて外へ出た。
ゆっくり手を握り、魔力を全身に行き渡らせる。
身体強化の魔法で底上げすれば、ギクシャクと関節の動きにくい体も元通りだ。
床を蹴って欄干を飛び越え、ドーリーに気付かれないように玄関から外へ出ようと足を踏み出す。
ズキッと腰が痛んだレイケネスは顔を顰めて手を当てた。
崩れ落ちそうになり、塀にもたれ掛かりながら息を詰める。
それでも行かなければならない所があるのだと――レイケネスは鋭く前を見据え、歩いていく。
ホームを出発した機関車に、レイケネスは舌を打った。
足に魔力を移動させ、腕を振って跳ぶ。ゆっくり動き出した汽車の最後方にある展望デッキに飛び移れはしたが、腰の鈍痛に奥歯を噛み締めてうずくまる。
「えっ……え、エディス! あの人、誰ッスか!?」
「は? なに……えぇっ、領主!?」
列車に急制動が掛かり停車し、扉を隔てた向こう側から慌てるような声が近づいてくる。
だが、レイケネスは腰を押さえたまま立てなかった。
「う、うぅ……っ、は」
中から扉が開いて温かい空気が頬にかかる。年下の子たちにこんなところを見せるわけにはと思っていると、なにかが頭から被せられた。
「顔色が悪いですよ、ご領主」
声に顔を上向けると、白金の髪の男が優しい眼差しでこちらに微笑み掛けてくる。
まるきり小説に出てくる男主人公そのものの気障な態度、麗しい顔に照れが先んじてしまう。
元来、ネージュかドーリー以外とはビジネスでしか言葉を交わしてこなかったのもあり、どう口を開けばいいのかさえ分からない。
思わず顔を下げて床に向かって礼を言ってしまった。
肩からずり落ちた布――ひざ掛けを掛け直されると余計に顔に血が集まってくるような気がする。
友人の手紙には散々顔が良いと書かれてはいたが、まさかここまでの美貌だなんて分かるはずがない。
「乗り移ってきたら危ないだろ、怪我してねえか?」
なぜか傍で見守っている男とは違う、少年期を乗り越えても尚高い声質の声。
一音一音の響きがよく、聞き取りやすい。
現王の息子が引き連れてきた面々を考えると、この声が長い間文通してきた友人のもののはずだ。
声の主を確かめようと顔を上げたレイケネスは、呆けた顔を晒してしまった。
「えっと……誰だい、君は」
予想していたよりも、彼の顔は圧倒的な美を誇っていた。
いや、昨夜見はした。目に入れた。
けれど距離があったから、髪色くらいしか分からなかったんだ。
”親父には全然似てない、目だけだってさ”とか”どっちかというと母親似らしいけど、そんな目立つもんでもない”し”レウなんか俺と歩いてても綺麗な女の人を見てたりするぞ”などと手紙には書かれていた。
がが、周囲の視線を集めることに慣れ過ぎているか、余程鈍いだろう君!? と詰め寄りたくなる。
「誰って、……ずっと手紙で話してただろ。エディスだよ、エディス!」
ほらこの髪! と左右で長さの違う白銀の髪を掴んで見せてくれた。
そういえば左の髪だけを二の腕あたりまで伸ばしてると言っていたなと思い出して、だが人形でもそうはいかないぞという毛質の良さに目が眩みそうだ。
近づいてきた顔なんて、くすみ一つない抜けるように白い肌に大振りの宝石のような青い瞳が印象的で。小さな色づいた唇に高い鼻梁に、これはドーリーの造形に使えそうだなとまじまじと見てしまう。
「……おーい?」
目の前で手を振られて我に返るが、後ろにいる騎士――レウ・バスターグロスが「アンタが急に顔を近づけるからだろ。誰だって驚く」と後ろにエディスを下がらせてくれる。
肩を抱く騎士に、なんで? と無防備に首を傾げる王子に「ん゙んっ……」と口を手で覆う。
実に絵になる二人だ。
「それで、えーっと。どうした? 追っかけてきてくれたのか?」
嬉しいけど大丈夫なのかと言うエディスに手を差し出され、レウと二人で立ち上がらせてくれる。
その時にレウが眉を顰めたので、慌てて襟元を握り締めた。
首も胸も窮屈になるから嫌なんだが、今日はシャツのボタンを上まで留めている。なのに、まさかネージュさんにつけられた跡が見えたはずがないよな……と心臓が早鳴った。
「旅の準備ッスか? それ」
見たこともない少年――いや、淡いアイボリー色の髪の青年がレイケネスが持ってきた本革のトランクを指差す。
肯定し、エディスの両手を取って少年から彼を見つめる。
「友として、君の手助けをしたい」
俺も連れていってくれと言うと、エディスは後方のボステルク領の入口を見て眉を下げた。
「……いいのか? ネージュは納得とか」
「してないさ」と言って、レイケネスもボステルクを振り返る。
愛おしい城塞、死の間際でも想うだろう領民たち――風でなびく横髪を手で押さえて、忘れ得ぬ景色を目に焼き付けた。
「これでいいんだ。俺の意思は固まったからね」
出してくれと微笑み掛けると、エディスは分かったと遠慮がちに頷く。
後から来た名前も知らない青年が走っていこうとした時だった――エディスが前に乗り出して指を差したのは。
「レイケネス、あれ! ネージュじゃないか!?」
寝起きのまま飛び出してきたのだろう、髪がふわふわと乱れたネージュがホームに現れた。
伝説の魔王もかくやという形相に、青年がうわっと叫んで車内に引っ込む。
「永遠を誓ったというのに、どこに行くというのだね!?」
走ってきた勢いのまま叫んだネージュに、レイケネスは人前でなんてことを言うんだと慌てた。
目が合ったレウは、全く説得できていないじゃないかという顔で腕を組んだ。
「ネージュさん、そういうのは外では言わないでくれ!」
「ならば何故、寝室から逃げ出したのだ……」
「誓ったけどね、一生あなたの寝室にいるわけにもいかないだろう」
体が錆びてしまうし、なによりレイケネスは子どもの頃よりももっと貪欲に成長してしまった。
「俺のいない世界は面白くないんだったね」
絶望に駆られたまま見上げてくるネージュを見下ろす。いつも見上げていた、敬愛する伴侶を。
「川の向こうには海が広がり、その先の大海に外つ国がある」
目を閉じて息を吐いて腰に手を当てて呆れている素振りを取ってから、ふっと目を開けた。
「あなたは早々に面白くないと決めつけたが、そうではないと俺が証明してみせようじゃないか」
大仰なことを言ったレイケネスは、両手を広げて「おいで」と最高峰と謳われている魔人を外界へと誘う。
「世界を見に行こう、ネージュさん。大丈夫だ、俺が受け止める」
怖くないよと手負いの獣に接するような態度を取るレイケネスに、ネージュは「私は子どもか獣かね」と腕を組む。
「子どもより厄介さ。俺の言うことを聞いてくれないんだからね」
困ったものだと、両腕で八の字のような形を描いたレイケネスは笑う。
「あなたと同じ時を生きる……俺なら魔人にだってなれるだろう?」
今で十分その素質があるんだからねと、長い刻を過ごしてきた魔人に笑いかける。
空中を蹴って、見えない階段を上がってくるネージュを、レイケネスはにこにこと微笑んで欄干に両肘をついて、手のひらの上に顎をのせて待つ。
バージンロードを歩いてくる花嫁を見守る、夫のように泰然とした態度で。
展望デッキの手前、レイケネスと目線が合うようにしゃがみこんだネージュは「……私と君の子どもは」とふて腐れたようにぼそぼそと呟いた。
可愛らしい人に手を伸ばして抱きしめてやり、頬に唇を押し当てる。
「子どものことは今度考えよう。折角副職を増やすんだからね」
ドーリーと視界を共有すればボステルクの領主も続けられるからと言うレイケネスに、ネージュの瞳が輝く。
僅かな変化ではあるが、ハッキリと他人の目にも笑顔であると分かる表情になったネージュが展望車に降りてくる。
魔人がこんな子どものような顔をするのかと驚いているエディスたちの視線を背に受けながら、ネージュの腕の中へと落ち着いた。
「俺たちの旅は長いんだからね、ゆっくり楽しまないと」
あなたといる俺は世界一の幸せ者なのだと、この世に知らしめるように。
顔を綻ばせて笑い、ネージュの広い背中に腕を回した。
どろどろに蕩けさせられて、ようやく解放されたのは昨日の夕方のことだ。乱れに乱れて、最後は自分からはしたなく足を巻き付けて強請ってしまった。
恥ずかしさを押さえ込んで起き上がるが、腰がミシリと音を立てて砕けてしまいそうな具合で、ベッドに手を突いてへたり込む。
仕方なく自分で回復魔法を掛けた。
隣を見下ろすと、ふわふわの髪をベッドの上に散らばらせたネージュさんがすやすやと心地良さそうな寝息を立てていた。この分だと暫くの間は起きないだろう。
あんなに凶暴なもので人を串刺しにしておいてと唇をすぼめる。
落ちてくる横髪を手で押えて、上体を倒す。
額に口づけてから、ゆっくりとベッドを抜け出す。
普段と変わらずキッチリと服を着込んでから、音を立てずにドアを開ける。
もう一度ベッドへ戻って、ネージュさんの肩に薄手の布団を掛け――唇を奪う。
目を開けてはくれないだろうか、その布団の中に入れてはくれないかと期待する心を振り切ってドアへと向かう。
今度こそドアを開けて外へ出た。
ゆっくり手を握り、魔力を全身に行き渡らせる。
身体強化の魔法で底上げすれば、ギクシャクと関節の動きにくい体も元通りだ。
床を蹴って欄干を飛び越え、ドーリーに気付かれないように玄関から外へ出ようと足を踏み出す。
ズキッと腰が痛んだレイケネスは顔を顰めて手を当てた。
崩れ落ちそうになり、塀にもたれ掛かりながら息を詰める。
それでも行かなければならない所があるのだと――レイケネスは鋭く前を見据え、歩いていく。
ホームを出発した機関車に、レイケネスは舌を打った。
足に魔力を移動させ、腕を振って跳ぶ。ゆっくり動き出した汽車の最後方にある展望デッキに飛び移れはしたが、腰の鈍痛に奥歯を噛み締めてうずくまる。
「えっ……え、エディス! あの人、誰ッスか!?」
「は? なに……えぇっ、領主!?」
列車に急制動が掛かり停車し、扉を隔てた向こう側から慌てるような声が近づいてくる。
だが、レイケネスは腰を押さえたまま立てなかった。
「う、うぅ……っ、は」
中から扉が開いて温かい空気が頬にかかる。年下の子たちにこんなところを見せるわけにはと思っていると、なにかが頭から被せられた。
「顔色が悪いですよ、ご領主」
声に顔を上向けると、白金の髪の男が優しい眼差しでこちらに微笑み掛けてくる。
まるきり小説に出てくる男主人公そのものの気障な態度、麗しい顔に照れが先んじてしまう。
元来、ネージュかドーリー以外とはビジネスでしか言葉を交わしてこなかったのもあり、どう口を開けばいいのかさえ分からない。
思わず顔を下げて床に向かって礼を言ってしまった。
肩からずり落ちた布――ひざ掛けを掛け直されると余計に顔に血が集まってくるような気がする。
友人の手紙には散々顔が良いと書かれてはいたが、まさかここまでの美貌だなんて分かるはずがない。
「乗り移ってきたら危ないだろ、怪我してねえか?」
なぜか傍で見守っている男とは違う、少年期を乗り越えても尚高い声質の声。
一音一音の響きがよく、聞き取りやすい。
現王の息子が引き連れてきた面々を考えると、この声が長い間文通してきた友人のもののはずだ。
声の主を確かめようと顔を上げたレイケネスは、呆けた顔を晒してしまった。
「えっと……誰だい、君は」
予想していたよりも、彼の顔は圧倒的な美を誇っていた。
いや、昨夜見はした。目に入れた。
けれど距離があったから、髪色くらいしか分からなかったんだ。
”親父には全然似てない、目だけだってさ”とか”どっちかというと母親似らしいけど、そんな目立つもんでもない”し”レウなんか俺と歩いてても綺麗な女の人を見てたりするぞ”などと手紙には書かれていた。
がが、周囲の視線を集めることに慣れ過ぎているか、余程鈍いだろう君!? と詰め寄りたくなる。
「誰って、……ずっと手紙で話してただろ。エディスだよ、エディス!」
ほらこの髪! と左右で長さの違う白銀の髪を掴んで見せてくれた。
そういえば左の髪だけを二の腕あたりまで伸ばしてると言っていたなと思い出して、だが人形でもそうはいかないぞという毛質の良さに目が眩みそうだ。
近づいてきた顔なんて、くすみ一つない抜けるように白い肌に大振りの宝石のような青い瞳が印象的で。小さな色づいた唇に高い鼻梁に、これはドーリーの造形に使えそうだなとまじまじと見てしまう。
「……おーい?」
目の前で手を振られて我に返るが、後ろにいる騎士――レウ・バスターグロスが「アンタが急に顔を近づけるからだろ。誰だって驚く」と後ろにエディスを下がらせてくれる。
肩を抱く騎士に、なんで? と無防備に首を傾げる王子に「ん゙んっ……」と口を手で覆う。
実に絵になる二人だ。
「それで、えーっと。どうした? 追っかけてきてくれたのか?」
嬉しいけど大丈夫なのかと言うエディスに手を差し出され、レウと二人で立ち上がらせてくれる。
その時にレウが眉を顰めたので、慌てて襟元を握り締めた。
首も胸も窮屈になるから嫌なんだが、今日はシャツのボタンを上まで留めている。なのに、まさかネージュさんにつけられた跡が見えたはずがないよな……と心臓が早鳴った。
「旅の準備ッスか? それ」
見たこともない少年――いや、淡いアイボリー色の髪の青年がレイケネスが持ってきた本革のトランクを指差す。
肯定し、エディスの両手を取って少年から彼を見つめる。
「友として、君の手助けをしたい」
俺も連れていってくれと言うと、エディスは後方のボステルク領の入口を見て眉を下げた。
「……いいのか? ネージュは納得とか」
「してないさ」と言って、レイケネスもボステルクを振り返る。
愛おしい城塞、死の間際でも想うだろう領民たち――風でなびく横髪を手で押さえて、忘れ得ぬ景色を目に焼き付けた。
「これでいいんだ。俺の意思は固まったからね」
出してくれと微笑み掛けると、エディスは分かったと遠慮がちに頷く。
後から来た名前も知らない青年が走っていこうとした時だった――エディスが前に乗り出して指を差したのは。
「レイケネス、あれ! ネージュじゃないか!?」
寝起きのまま飛び出してきたのだろう、髪がふわふわと乱れたネージュがホームに現れた。
伝説の魔王もかくやという形相に、青年がうわっと叫んで車内に引っ込む。
「永遠を誓ったというのに、どこに行くというのだね!?」
走ってきた勢いのまま叫んだネージュに、レイケネスは人前でなんてことを言うんだと慌てた。
目が合ったレウは、全く説得できていないじゃないかという顔で腕を組んだ。
「ネージュさん、そういうのは外では言わないでくれ!」
「ならば何故、寝室から逃げ出したのだ……」
「誓ったけどね、一生あなたの寝室にいるわけにもいかないだろう」
体が錆びてしまうし、なによりレイケネスは子どもの頃よりももっと貪欲に成長してしまった。
「俺のいない世界は面白くないんだったね」
絶望に駆られたまま見上げてくるネージュを見下ろす。いつも見上げていた、敬愛する伴侶を。
「川の向こうには海が広がり、その先の大海に外つ国がある」
目を閉じて息を吐いて腰に手を当てて呆れている素振りを取ってから、ふっと目を開けた。
「あなたは早々に面白くないと決めつけたが、そうではないと俺が証明してみせようじゃないか」
大仰なことを言ったレイケネスは、両手を広げて「おいで」と最高峰と謳われている魔人を外界へと誘う。
「世界を見に行こう、ネージュさん。大丈夫だ、俺が受け止める」
怖くないよと手負いの獣に接するような態度を取るレイケネスに、ネージュは「私は子どもか獣かね」と腕を組む。
「子どもより厄介さ。俺の言うことを聞いてくれないんだからね」
困ったものだと、両腕で八の字のような形を描いたレイケネスは笑う。
「あなたと同じ時を生きる……俺なら魔人にだってなれるだろう?」
今で十分その素質があるんだからねと、長い刻を過ごしてきた魔人に笑いかける。
空中を蹴って、見えない階段を上がってくるネージュを、レイケネスはにこにこと微笑んで欄干に両肘をついて、手のひらの上に顎をのせて待つ。
バージンロードを歩いてくる花嫁を見守る、夫のように泰然とした態度で。
展望デッキの手前、レイケネスと目線が合うようにしゃがみこんだネージュは「……私と君の子どもは」とふて腐れたようにぼそぼそと呟いた。
可愛らしい人に手を伸ばして抱きしめてやり、頬に唇を押し当てる。
「子どものことは今度考えよう。折角副職を増やすんだからね」
ドーリーと視界を共有すればボステルクの領主も続けられるからと言うレイケネスに、ネージュの瞳が輝く。
僅かな変化ではあるが、ハッキリと他人の目にも笑顔であると分かる表情になったネージュが展望車に降りてくる。
魔人がこんな子どものような顔をするのかと驚いているエディスたちの視線を背に受けながら、ネージュの腕の中へと落ち着いた。
「俺たちの旅は長いんだからね、ゆっくり楽しまないと」
あなたといる俺は世界一の幸せ者なのだと、この世に知らしめるように。
顔を綻ばせて笑い、ネージュの広い背中に腕を回した。
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