【第2部完結】悪役王女の跡継ぎはバッドエンドですか?

結月てでぃ

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鈴蘭編

5.恋人というものを教えて✦︎

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※軽い性描写あり。前戯~挿入

「あ、あ、あっあ……っ」
「すげえ敏感になってんな。この中もなんかされたのか」
 指を増やして中を擦ってくるレウの腕を太ももで挟み、首を振る。すぐにもう片方の手がエディスの性器の下をくぐり、足の狭間に指を潜り込ませてきた。ぐりぐりと会陰を押されたエディスは腰を跳ねさせ、慌てて待ったを掛けた。
「言いたくないことは言わなくていいって言ったじゃねーか!」
「そうだけどな……」
 ぶすっと眉を寄せて口を尖らせるレウに、エディスはぐぎ……っと歯を噛み締める。羞恥心とレウの心情を秤に掛けた結果、指を口にふくんだ。指の側面を歯に押し当てて考えてから口を開く。
「アイツ、変な手袋つけてて。痒くて……それだけだ」
 ぽそぽそと小さな声で言うと、レウはエディスの真っ赤になった顔を覗いてきて「それだけじゃねえだろ」と目を吊り上げる。ぬるりと這う舌の気持ち悪さを思い出したエディスは、体を捩じって後ろを向き、レウの首にしがみつく。あんな悍ましいこと、わざわざ口にしたくない。
「怒るなら、もうなにも言わねえからな」
「それは困る」と素直に降参したレウに、エディスはコイツは……と目を閉じた。大きな図体なのに、時たまに自分の方が年上だったかと思う時がある。
「今もうずうずしてるのか」
「え……うん、ちょっとだけ」
 どちらかといえば体の外側を触れられる方が刺激が強い。けれどーーあの男、クレマ・ラウヴェルは中に出される程に快感が強くなると言っていた。今でさえ体が疼いているのに、一体どうなってしまうのかと腹を手で擦る。気持ち悪がられてしまうだろうかと。
「それ、淫魔の紋章だろ」
 指摘されて体を起こしたエディスの頭を撫でてくる。なんで分かったんだと訊く前に、風呂に入れた時かと視線を落とす。
「アンタは淫魔の魔法が効かないからな……それの辛さを知らないだろ」
 屈強な男の軍人が淫魔に憑りつかれて殉職した過去例は知っている。けれど、それがどんな壮絶な最期だったのかは理解していない。
「解除に付き合ってほしいって言ったら、軽蔑するか」
「すると思っての発言か?」
 首を振ってから見上げると、レウはにっこりと微笑みかけてきた。
「頼ったのが別の男なら、怒るけどな」
 さっきは泣いて震えてたよなと手を広げられ、エディスは自分よりも高い体温を求めて彼の足の間に入り込む。木製のヘッドボードに凭れかかっているレウに抱き付き、擦り寄る。どこよりも安心していられる場所で、目を閉じて息を吐く。
「……可愛いな」
 肩から首に触れてくる手が、握り締めてくることはない。ミミズのように赤い線ができることも、足の指がじんじんと痛むこともなく、サミュエルに感謝の気持ちを抱いた。

「な、なあレウ。その、自分でしたい」
「自慰を見せてくれるってことか?」
 恥ずかしいのを我慢して言ったのに、茶化すような言葉が返ってくる。怒ったエディスが枕で叩こうとすると、レウは笑いながら「冗談だって」と腰に手を回してきた。
「積極的なアンタは大歓迎だ」
 ちゅっと音を立て、こめかみにキスをされる。エディスは口を尖らせながらも受け入れ、自分からも頬にし返す。
 レウの膝を跨いで腰掛けたエディスは、目の前にあるたくましい首の後ろに手を回して、手首を重ねる。期待するようにこちらを見つめてきている彼に笑って、自分からキスをした。
 裸の胸が触れ合って、気持ちがいい。太ももを掴まれ、さらに引き寄せられると性器が擦れた。
(なんも知らないみたいに言うけどさあ)
 これでも自分なりに調べたのだ。そういう本も読んだ。恥を忍んで北にいた時にシュウにも聞いた。なにを考えてるのか、何歳だと思ってるんだと、こめかみを拳で挟んでぐりぐり押さえつけられた痛みを思い出す。
(えっと、確かシュウはーー)
 絶対に成人してから、好きな人とするんだぞと言って教えてくれた知識を頭の中に作った引き出しから取り出す。エディスはもぞもぞと足を動かしてレウに近づき、性器をぴったりくっつけた。腰を揺らして擦りつけると、大きな手に腰を鷲掴まれて「ひゃっ!?」と声が飛び出す。
「おい、他の奴から聞いたことを試そうとすんな」
 こめかみに青筋を立てかねない様子のレウに凄まれ、エディスは顔を引き攣らせながら「ごめん……」と手を握った。だが、すぐにむっと眉間に皺を寄せて「あのなあっ」っと顔を寄せる。
「お前がそういうこと言うから、いつまでも俺が成長できないんじゃ」
「俺が教えることだけ覚えてほしいっつってんの」
 この優秀な頭から余計な情報を捨てろと頭を挟み込まれ、う……っと唇を閉じた。
「レウの処女好き」
「は? んだそれ、どこで」
「どこでだっていいだろ! 俺ももう成人したんだよ、猥談の一つや二つくらい」
 駄目だと断じられ、エディスはなんでそんなに頑ななんだよとむきになって言い返す。これでは、まるで恋人ではなく父親のようではないか。ミシアの言うことと変わりがない。
「アンタに猥談をするだけで興奮する奴がいてんだよ。だから駄目」
「……そ、そんな奴いるかぁ?」
「いるから言ってんだろ、アンタってほんっと危機感ねえな」
 ニヤけてる奴いただろと言われるが、そんな話の時に相手の顔をまじまじと見る奴がいるか? とエディスは眉を寄せる。
「エドとレイケネスなら……」
「ハッ、どんなお上品な話になるんでしょうかねえ」
 唇を合わせて下を向いたエディスの頬に、レウの手が触れてくる。顔を上げさせ、視線を合わせてきたレウに「大人しく諦めろよ」と挑発的な笑みを向けられたエディスは「~~~~ぅ、わ、かったよ……」と視線を外す。
「目を見て言えって」と言いながら口づけてくるレウに、納得がいっていないエディスは無言を貫き通した。放っておいて進めようとレウのズボンのチャックに手を触れる。ヂヂヂ……と下げていくと、「へんたーい」と小声で言われ、「なんだよ!」と叫ぶ。
「アンタがいきなり脱がそうとするから」
「上は勝手に脱いだだろ!?」
 驚いたんだからなと怒鳴ると、レウはうるせえなあと言う。だが顔は笑っていて、こちらを揶揄っていると分かりやすい。「いいから脱げ」と指を差して命じると、「もう愛人じゃねえんだけど」と反論されて口をぱかりと開けた。
「アンタは恋人に命令すんのか」
 そう言われ、エディスはう……とばつが悪くなって俯く。ごめんと謝ると、いいけどなと言って自分からズボンも下着も脱いでくれた。
「恋人としてのセックスだからな」
「わ、わかったって。でも、違いが分かんねえんだけど」
「そんなの俺も知るかよ」
 恋人がいたんじゃねえのかよと眉間に皺を作ると、レウは「あんなの恋人の範疇に入らねえって」と面倒臭そうに髪を掻き乱す。
「俺の恋人だってアンタだけ」と調子の良いことを言われ、言葉が出なくなってしまう。
「だからアンタも俺に教えろよ」
「そっ、そんなの分かるわけ……っ」
 ベッドに握った両手をついて近づき、眉を吊り上げるとレウは「二人で教え合えばいいだろ。なにがいいかさ」と言ってくる。
(そ、それもそうか? ……なんか、いいように言いくるめられてないか?)
 エディスはぐるぐると回る頭で考えようとするが、レウが「ほら、早く触ってくれよ」と握った性器を見せてくるので、ひえっと叫んで怖気づく。だが指摘される前に唾を飲みこみ、分かったと身を乗り出す。
 おずおずと触れた性器の熱さに驚き、手を引っ込めたエディスにレウが苦笑する。
「そんな調子でできるのか?」
 腰もっとこっち、と引き寄せられた。レウの顔に胸が当たり、謝る前にちゅっと口づけられて慌てる。舐められそうになった胸を手で隠し、それはいいんだよという意味をこめて睨むと肩を竦めた。
 後孔に先っちょを当てようとするがぬるぬると滑り、上手くいかない。見かねたレウに腰を固定され、押し当てられる。ぬぢゅっと押し入られて、ヒッと声が出た。ぬかるんだ後孔に亀頭が入り込んできて、エディスは体を跳ねさせた。
「ゃ、じぶんでやるって……っ」
「今のアンタに任せてたら一生終わらねえから。ほらもっと腰下ろせって」
「え……でも、こわい……」
「こんな浅いとこじゃアンタを気持ちよくすんのは簡単だけど、俺はイケねえって」
 ぐっと腰を下に引っ張られそうになったエディスは腰を上げ、レウの首に抱き付いた。「あーあぁ」と言ったレウが潤滑油をまぶした指を挿れてきて、ぎくんと背をのけ反らせる。
「出ちゃったじゃん、なにしてんだよ」
「い゙ッ、う、ぅあっ、ゆ、指やめ……っ」
 泡が立ちそうな程に攻めたてられ、エディスはぶるぶると震える手を肩にのせた。イキそうになり、ぎゅううと指を締め付けると勢いよく抜かれる。
「ぁひっ、あ、な、なんでぇっ?」
「アンタだけがイっても意味ないだろ。ほら、早く入れろって」
 じゃないと俺がするけどと言われ、エディスは首を振った。もう一度触れ、ゆっくり収めていこうとするとレウが背中や足を撫でてくる。
「力抜けるからやめろって」
 ただでさえ太く長いものに隘路を広げられて苦しいのに、そんなことをされたらとエディスは懇願した。だがレウはリラックスのためだと言って憚らない。
「は、はあ……っ、は、うぅ~~~~っ、は、いったあ……?」
 全て収めたエディスは、背中から回した手でレウの肩を掴んだ。快感を逃す為にしがみつくと、レウが腰を抱いてくる。そのまま尻を撫でてきた悪戯な手を「こら」と叩く。
「仕方ないだろ、触り心地いいんだから。つかこんくらい許せよケチ」
「ケ、ケチって……」
 俺の体なんだけどと、ぐにっと力を入れて揉みしだいてくるレウの腕を掴むが止まらない。おいと怒ろうとしたが腹に力が入ったことにより中に入っているものを意識してしまってへにゃりと力が抜ける。
「よく頑張ったな」
 額に口づけられ、エディスは尻揉む前に褒めろよと睨んだ。
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