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胡蝶編
3.依代なりえる者
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「あなたは、どうしてこの国に来たんだ」
国交は断絶されているはずだがと訊くと、飛踊は厳めしい顔つきへと変わった。先ほど、トリエランディア大将に甘えていた少年と同一人物とは思えぬ、老熟した表情である。
「謀反よ」
「謀反!?」
飛踊はひとつ頷き「左様。私が隣国に行っており不在の時にな」と口の片側だけを吊り上げて皮肉な笑みを作った。
「祖父の代からか、奸臣ばかり育てたらしくてな」
奸臣という言葉にエディスの胸がどきりと跳ねる。
「王権を簒奪され、双子の弟が人質に取られているのだ」
一刻も早く国を取り戻したいと言う飛踊の顔は、苦々しく眉を寄せていた。手は強く握りしめられ、痛々しいとさえ思えてくる。
「私は故郷と神岩を奪還したい。その一心で単身海を越え、この国まで来たのだ」
噂に聞く魔法の国へと言う飛踊に、エディスは噂になっているのかと訊いた。眉唾物であったがと肯定した飛踊は、辿り着いて魔法を見た時は我が目を疑ったという。
ーーそれは、外の世界には魔法が存在しないことを差していた。エディスは外の国へ行くことを夢見てはいないが、それでも落胆を隠せない。楽しみにしていた小説のネタバレを聞いてしまったかのようだった。
「ヒョウ様、ですが……力を貸したくとも、……国交を閉ざしたのは父です」
「いいやーー貴殿がいるではないか」
飛踊の焔のように赤い目に明かりが灯る。膝に手を当てて体を折った彼を、エディスはなにをと不可思議に見つめた。
「私は貴殿に頼みたいのだ」
なにをと訊くと、飛踊は傍らに座る男の手を握り真っ直ぐな視線を向けてくる。
「どうか、この国の大将であるトリエランディア殿を私にくれないだろうか。彼を我が国へ迎え入れたい」
「くれって……」とエディスは困惑したが、すぐにトリエランディア大将へ顔を向けた。
「相談は受けましたか? ああ、えっと……個人として聞かせてほしいんですが」
そう言うと、トリエランディア大将はおやと目を丸くした。そして微笑むとゆっくり頷く。
「なるほど。では、俺が許可を出せば彼について行ってもいいと考えておられる」
「常々考えていたのです。私がこの国にできることは残っているのだろうかと」
「私は己を人生の落伍者と捉えていまして、西部に移ってきたのもそれが原因です」
国内にはびこる謀略、終いえぬ魔物との戦い、数十年を共にした親愛なるパートナーの死が彼の精神を疲弊させたことは計り知れる。ならば引き留めるべきではないが、この話にどうにも引っかかってしまう。
「あなたに言うべきではないのですが、国の為に戦うのはこりごりです」
「だが、彼はあなたを騎士……悪く言えば兵器として運用するように私には聞こえたのですが」
「ああいや、そういうつもりでは……」
「ではなんだというのです。我ら兵士、国の為に戦うことはあれど、心まで失ったわけではない! そう大将も言っておられたではないですか」
なににこだわっているのだと、飛踊から厭わしげな視線を受けたエディスは苛立った。王になる者が臣下を物や駒扱いするのかと睨む。大将も大将だ。これでは反逆の意思ありと取ってもおかしくはない話だ。これがーーこれが、長年国に仕えてきた大将から出る言葉だというのか。
暗闇に放り投げられたようだ。座っている床の感覚まで失くなって、崩れ落ちてしまいそうになる。だが、しかと腕を握られて引っ張り上げられーー顔を向けると、怒気を発するレウが立っていた。
「大将。あなたは今、反逆の意志ありと取れる発言をなされたな。王子の目の前でだ!」
どういう了見だと怒るレウに「このような者と話すことはなにもない」と肩を抱かれて歩くよう促される。
「……君が聞きたかったのはこれでいいかな、ジェネアス」
「正解じゃね~ッスけど、まあ合格点ってとこッスかね」
むくっと起きあがったジェネアスが髪を掻き乱して、大きな欠伸をする。かと思えばエディスを手招きするので、レウの手を離して彼の隣に座った。するとジェネアスはエディスの膝の上に頭をのせて横になる。
「僕としては、今のでほぼ合格ってとこッスかね」
まあ減点方式の人間なんで気をつけてほしいとこなんですけどね~と寝ぼけたような声を出すジェネアスに、エディスはなんのことだと首を傾げた。
「寝てていいから、ちゃんとブランケット掛けろって」
お前腹出して寝るんだからと掛けてやると、ジェネアスは「寝ないッスよお」と言って目を閉じる。寝てんじゃねえかと言いたくなって、けれどレウがエディスを守るように隣に膝を立てて座ってきた。
「大将、俺を試すなら王子と関係ない時にしてくださいよ」
どこまでが冗談だったんですと訊かれたトリエランディアは「国の為に戦うのはこりごりってところだけだよ」と白状する。
「脅かせないでくださいよ……」
レウを試したという意味も分からないが、トリエランディアの傍らで無垢な顔つきで彼を見上げる男の考えはさらに掴めない。彼は自然と大将のことを己の物にしたいと言っていたのだから。
エディスが警戒心を込めて見ると、彼は何故か妙に照れくさそうに上目がちに見てきた。口をもごつかせて、頬を僅かに赤らめーーなんでそんな態度なんだ? とエディスは困惑する。
この後におよんで自分の顔を見て照れたなど言われれば、手が出てしまう気がする。危機感を覚えたエディスはジェネアスの頭を撫でくり回した。だが、なにをしているんだと、こちらをチラッと見たレウに手を握って止められてしまったので、今度は彼の手を揉んだり指の形を辿って気晴らしをする。
「とりのご両親は亡くなっているから、言うなら王子しかいないと思ってしまったんだ。本当にすまない」
「俺はいいんです、。謝るなら大将にしてください」
「彼には私の意図は伝わっている。先程の言葉は、私の婿に貰えないだろうか。という意味で言ったのだ」
えッという声が喉を突いて出る。次いで、汗が全身から吹き出してきそうになった。トリエランディア大将は確か四十そこそこ、飛踊はーーどう見てもエドワードよりも幼く見える。
「一度は”息子さんを私にください。”というのがやってみたかったのだ」
誤解させてしまったようだなと恥じらう飛踊に、膝の上のジェネアスが転げ落ちていく。ごんっという音がした後、彼は床に手を突いて起きあがった。
「エディス、だまされんなッスよ! こんなオッサン、誰が」
体のいい言い訳だとジェネアスが言おうとするが、レウがそうかあ? と否定する。最近目が肥えてきてしまったエディスも同調してしまう。
「大将は初代広告塔に任命されてた人だぞ」
「オッサンって言われちゃった」と袖で拭おうとしている目元に皺はなく、肌は年の割には瑞々しく張りがある。派手ではないが落ち着きがあり、年を取ったからこその美しさに満ちている人だ。
「ひとまず、その理由で納得しましょう」
エディスがそう言うと、飛踊はにこっと微笑んだ。どうも捕らえようのない人で扱いにくい。ミシアにも似ているが、本心が掴めない分こちらの方が厄介だ。奸臣の中で生き抜く為に身につけた技術なのだろう。
「大将の力があれば、国を立て戻すのは可能でしょう。婿の件は、互いによく相談してください」
この国では同性婚も可能だ。そもそもが魔法で性別を変えたり、生殖機能を一部だけ取り替えてしまうなどの荒技ができるので性別のくくりは重要ではないーーと言って、法を変えたのはエディスの母親だ。
父に関しては未だ分かりかねるが、この母については。単に全てを平等に扱いたいが為に横暴だったのではないかと疑い始めてきてしまった。それだけエピソードが無茶苦茶なのだ。最先端を走りすぎて考えが難解すぎるし、反発が起こるのも納得だった。
「エディスくん、僕がいても役に立つかどうかは五分五分だよ」
「大将でですか?」
どういうことか訊ねたエディスに、トリエランディアは苦笑いを浮かべる。そして、説明を促すように飛踊の方を見やるのだった。
「ヒョウ様、それはあなたに能力が二つあることと関係していますか」
だが、隣から発された声にエディスは驚き、弾かれるようにレウの方に体を向ける。そんなこと報告されてないぞと睨むと、レウは小声で「すみません」と呟いた。報告し損じたことへの厳重注意は後ですることにし、飛踊へと向き直る。
「ああ、そうだ。エディス殿、私だけではない。外つ国には能力を二つ持つ者が他にも大勢いる」
そんなーーと喉がひりつく。たった一人、一つの能力を持つ者がいるだけで戦況は大きく変えられる。だというのに、二つ持つ者がいるとは。
「それだけではないのだ。この国は根本から違えている」と飛踊はふるりと首を振るい、哀れむような目を向けてきた。
「外つ国に魔法はない。だが、全ての民が能力を持って生まれてくるのだ」
「全員が……?」
そうだと首肯した飛踊に、エディスは怖気が走る。地を這う者のような制圧力を、シトラスのような死にかけの者でも治す力をーー何十万人、何百人もが持つ世界。
「滅亡前に崇められていた神々……この国では古代の神と呼ばれている存在だが。異星の神と混じり合うことで、一つの大きな宝玉へと成るのだ」
エディスは、それが大聖堂にあるという大きな隕石なのだろうかと考えた。
「神は依代となる者を選び、世代を越えて一国の繁栄をさせる」
そしてと口を開いた飛踊に、エディスは息を吸い込みーー飲みこんだ。
「依代となった者は生まれ持った能力とは別に、神と同じ能力を得る。それが私が二つ持っている理由だ」
どんなに遠く離れようとも、この身は神の恩恵を受けているのだと微笑む飛踊にエディスはぎこちない笑みを浮かべる。だが、彼は弓のように細めた目でこちらを真っ直ぐ射止めた。
「神は愛情深い人が好きなのだ。エディス殿ならば依代になりえるであろうな」
国交は断絶されているはずだがと訊くと、飛踊は厳めしい顔つきへと変わった。先ほど、トリエランディア大将に甘えていた少年と同一人物とは思えぬ、老熟した表情である。
「謀反よ」
「謀反!?」
飛踊はひとつ頷き「左様。私が隣国に行っており不在の時にな」と口の片側だけを吊り上げて皮肉な笑みを作った。
「祖父の代からか、奸臣ばかり育てたらしくてな」
奸臣という言葉にエディスの胸がどきりと跳ねる。
「王権を簒奪され、双子の弟が人質に取られているのだ」
一刻も早く国を取り戻したいと言う飛踊の顔は、苦々しく眉を寄せていた。手は強く握りしめられ、痛々しいとさえ思えてくる。
「私は故郷と神岩を奪還したい。その一心で単身海を越え、この国まで来たのだ」
噂に聞く魔法の国へと言う飛踊に、エディスは噂になっているのかと訊いた。眉唾物であったがと肯定した飛踊は、辿り着いて魔法を見た時は我が目を疑ったという。
ーーそれは、外の世界には魔法が存在しないことを差していた。エディスは外の国へ行くことを夢見てはいないが、それでも落胆を隠せない。楽しみにしていた小説のネタバレを聞いてしまったかのようだった。
「ヒョウ様、ですが……力を貸したくとも、……国交を閉ざしたのは父です」
「いいやーー貴殿がいるではないか」
飛踊の焔のように赤い目に明かりが灯る。膝に手を当てて体を折った彼を、エディスはなにをと不可思議に見つめた。
「私は貴殿に頼みたいのだ」
なにをと訊くと、飛踊は傍らに座る男の手を握り真っ直ぐな視線を向けてくる。
「どうか、この国の大将であるトリエランディア殿を私にくれないだろうか。彼を我が国へ迎え入れたい」
「くれって……」とエディスは困惑したが、すぐにトリエランディア大将へ顔を向けた。
「相談は受けましたか? ああ、えっと……個人として聞かせてほしいんですが」
そう言うと、トリエランディア大将はおやと目を丸くした。そして微笑むとゆっくり頷く。
「なるほど。では、俺が許可を出せば彼について行ってもいいと考えておられる」
「常々考えていたのです。私がこの国にできることは残っているのだろうかと」
「私は己を人生の落伍者と捉えていまして、西部に移ってきたのもそれが原因です」
国内にはびこる謀略、終いえぬ魔物との戦い、数十年を共にした親愛なるパートナーの死が彼の精神を疲弊させたことは計り知れる。ならば引き留めるべきではないが、この話にどうにも引っかかってしまう。
「あなたに言うべきではないのですが、国の為に戦うのはこりごりです」
「だが、彼はあなたを騎士……悪く言えば兵器として運用するように私には聞こえたのですが」
「ああいや、そういうつもりでは……」
「ではなんだというのです。我ら兵士、国の為に戦うことはあれど、心まで失ったわけではない! そう大将も言っておられたではないですか」
なににこだわっているのだと、飛踊から厭わしげな視線を受けたエディスは苛立った。王になる者が臣下を物や駒扱いするのかと睨む。大将も大将だ。これでは反逆の意思ありと取ってもおかしくはない話だ。これがーーこれが、長年国に仕えてきた大将から出る言葉だというのか。
暗闇に放り投げられたようだ。座っている床の感覚まで失くなって、崩れ落ちてしまいそうになる。だが、しかと腕を握られて引っ張り上げられーー顔を向けると、怒気を発するレウが立っていた。
「大将。あなたは今、反逆の意志ありと取れる発言をなされたな。王子の目の前でだ!」
どういう了見だと怒るレウに「このような者と話すことはなにもない」と肩を抱かれて歩くよう促される。
「……君が聞きたかったのはこれでいいかな、ジェネアス」
「正解じゃね~ッスけど、まあ合格点ってとこッスかね」
むくっと起きあがったジェネアスが髪を掻き乱して、大きな欠伸をする。かと思えばエディスを手招きするので、レウの手を離して彼の隣に座った。するとジェネアスはエディスの膝の上に頭をのせて横になる。
「僕としては、今のでほぼ合格ってとこッスかね」
まあ減点方式の人間なんで気をつけてほしいとこなんですけどね~と寝ぼけたような声を出すジェネアスに、エディスはなんのことだと首を傾げた。
「寝てていいから、ちゃんとブランケット掛けろって」
お前腹出して寝るんだからと掛けてやると、ジェネアスは「寝ないッスよお」と言って目を閉じる。寝てんじゃねえかと言いたくなって、けれどレウがエディスを守るように隣に膝を立てて座ってきた。
「大将、俺を試すなら王子と関係ない時にしてくださいよ」
どこまでが冗談だったんですと訊かれたトリエランディアは「国の為に戦うのはこりごりってところだけだよ」と白状する。
「脅かせないでくださいよ……」
レウを試したという意味も分からないが、トリエランディアの傍らで無垢な顔つきで彼を見上げる男の考えはさらに掴めない。彼は自然と大将のことを己の物にしたいと言っていたのだから。
エディスが警戒心を込めて見ると、彼は何故か妙に照れくさそうに上目がちに見てきた。口をもごつかせて、頬を僅かに赤らめーーなんでそんな態度なんだ? とエディスは困惑する。
この後におよんで自分の顔を見て照れたなど言われれば、手が出てしまう気がする。危機感を覚えたエディスはジェネアスの頭を撫でくり回した。だが、なにをしているんだと、こちらをチラッと見たレウに手を握って止められてしまったので、今度は彼の手を揉んだり指の形を辿って気晴らしをする。
「とりのご両親は亡くなっているから、言うなら王子しかいないと思ってしまったんだ。本当にすまない」
「俺はいいんです、。謝るなら大将にしてください」
「彼には私の意図は伝わっている。先程の言葉は、私の婿に貰えないだろうか。という意味で言ったのだ」
えッという声が喉を突いて出る。次いで、汗が全身から吹き出してきそうになった。トリエランディア大将は確か四十そこそこ、飛踊はーーどう見てもエドワードよりも幼く見える。
「一度は”息子さんを私にください。”というのがやってみたかったのだ」
誤解させてしまったようだなと恥じらう飛踊に、膝の上のジェネアスが転げ落ちていく。ごんっという音がした後、彼は床に手を突いて起きあがった。
「エディス、だまされんなッスよ! こんなオッサン、誰が」
体のいい言い訳だとジェネアスが言おうとするが、レウがそうかあ? と否定する。最近目が肥えてきてしまったエディスも同調してしまう。
「大将は初代広告塔に任命されてた人だぞ」
「オッサンって言われちゃった」と袖で拭おうとしている目元に皺はなく、肌は年の割には瑞々しく張りがある。派手ではないが落ち着きがあり、年を取ったからこその美しさに満ちている人だ。
「ひとまず、その理由で納得しましょう」
エディスがそう言うと、飛踊はにこっと微笑んだ。どうも捕らえようのない人で扱いにくい。ミシアにも似ているが、本心が掴めない分こちらの方が厄介だ。奸臣の中で生き抜く為に身につけた技術なのだろう。
「大将の力があれば、国を立て戻すのは可能でしょう。婿の件は、互いによく相談してください」
この国では同性婚も可能だ。そもそもが魔法で性別を変えたり、生殖機能を一部だけ取り替えてしまうなどの荒技ができるので性別のくくりは重要ではないーーと言って、法を変えたのはエディスの母親だ。
父に関しては未だ分かりかねるが、この母については。単に全てを平等に扱いたいが為に横暴だったのではないかと疑い始めてきてしまった。それだけエピソードが無茶苦茶なのだ。最先端を走りすぎて考えが難解すぎるし、反発が起こるのも納得だった。
「エディスくん、僕がいても役に立つかどうかは五分五分だよ」
「大将でですか?」
どういうことか訊ねたエディスに、トリエランディアは苦笑いを浮かべる。そして、説明を促すように飛踊の方を見やるのだった。
「ヒョウ様、それはあなたに能力が二つあることと関係していますか」
だが、隣から発された声にエディスは驚き、弾かれるようにレウの方に体を向ける。そんなこと報告されてないぞと睨むと、レウは小声で「すみません」と呟いた。報告し損じたことへの厳重注意は後ですることにし、飛踊へと向き直る。
「ああ、そうだ。エディス殿、私だけではない。外つ国には能力を二つ持つ者が他にも大勢いる」
そんなーーと喉がひりつく。たった一人、一つの能力を持つ者がいるだけで戦況は大きく変えられる。だというのに、二つ持つ者がいるとは。
「それだけではないのだ。この国は根本から違えている」と飛踊はふるりと首を振るい、哀れむような目を向けてきた。
「外つ国に魔法はない。だが、全ての民が能力を持って生まれてくるのだ」
「全員が……?」
そうだと首肯した飛踊に、エディスは怖気が走る。地を這う者のような制圧力を、シトラスのような死にかけの者でも治す力をーー何十万人、何百人もが持つ世界。
「滅亡前に崇められていた神々……この国では古代の神と呼ばれている存在だが。異星の神と混じり合うことで、一つの大きな宝玉へと成るのだ」
エディスは、それが大聖堂にあるという大きな隕石なのだろうかと考えた。
「神は依代となる者を選び、世代を越えて一国の繁栄をさせる」
そしてと口を開いた飛踊に、エディスは息を吸い込みーー飲みこんだ。
「依代となった者は生まれ持った能力とは別に、神と同じ能力を得る。それが私が二つ持っている理由だ」
どんなに遠く離れようとも、この身は神の恩恵を受けているのだと微笑む飛踊にエディスはぎこちない笑みを浮かべる。だが、彼は弓のように細めた目でこちらを真っ直ぐ射止めた。
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