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保護犬ちゃん・譲渡編
11話 説明会と譲渡の無情な事実・前
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そんなに日を置くことなく、以前に面談した保護団体のお姉さんとの説明会の日。措定された保護団体の運営先へと向かう。
朝からドキドキとワクワク感が半端ない。あの子にも会えるかもしれない。現場に到着すれば、やっぱり居たよ。再会が嬉しい。
あの子もいる……!
嬉しい私。
一方の保護犬ちゃん。此処での名前は“桔梗ちゃん”。素敵な名前をもらった保護犬ちゃんは怯えた様子で警戒心丸出し。
そこで聞かされたのが桔梗ちゃんの辛い過去。
保護される以前は、ただの繁殖目的の為の「モノ」でしかなかった保護犬ちゃん。おかげで名前など必要とされなかった。名も無き保護犬ちゃんに、保護団体の心優しいお姉さんが名前を授け、沢山の愛情を注いでいた。
「桔梗ちゃん」
素敵な名前を貰った保護犬ちゃんだが辛い過去は消えない。だから、人間が怖い。次は何をされるのか分からないから。
* * * * * * * *
まだ一歳にも満たない以前の桔梗ちゃん。人間で云えば、まだ子供。それなのに無理やり子犬を産まされ、しかも帝王切開で取り出されている。傷跡が痛々しい。
おまけに劣悪な環境の中、ずっと檻に閉じ込められたままの状態が保護されるまで続く。水も餌も満足に与えてもらえず、保護されてからは異常な程の食欲を見せたとか。飢えていた保護犬ちゃん。
これが保護犬の桔梗ちゃんの過去の実情。
そうした経緯を踏まえれば、警戒心丸出しなのは仕方がない。非道な人間がそうさせたのだ。
と或る獣医師は告げる。虐待された保護犬ちゃんの警戒心を取るには、虐待され続けた年数の倍は掛かる。5年虐待され続けたのなら、また信頼してもらうのに10年は見て下さい……と。だから、保護犬ちゃんを引き取るということは、懐かないことを前提に全て受け入れる覚悟がいるのだ。
さておき。
私達夫婦との再会を果たした保護犬桔梗ちゃん。怯えた様子の揺らぐ瞳で訴える。
「おまえ達は誰だよ。見るんじゃないよ……また何かするのかよ……」
キューンっと耳を下げては、伺うように此方を見る保護犬ちゃん。やはり、見慣れない人間には不信感。「怖い……!」そうなる。
「この子とは……ゆっくりゆっくりと歩み寄って行こう。いつかは信頼してくれるはず……」
そう、私も覚悟しなければならない。保護犬ちゃん達には、ペットショップで売られているワンコちゃん達のような気安さはない。常に警戒心を丸出しで見てくる。
怖くないよ……と教えてあげたい。
* * * * * * * *
保護団体のお姉さんから教えてもらう。数ある家族の中から“我が家”を選んだ理由。どうしても聞きたい。
「これまで沢山の家族の様子を見て来たましたが、この間の面談の様子で貴方方家族になら、あの子をお任せしても大丈夫だと判断致しました。きっと可愛がって下さると思っています。これまで辛い環境に置かれていた桔梗ちゃんです。次こそは幸せにしてあげて下さい。どうか、この子をよろしくお願い致します」
切実な想いで告げる保護団体のお姉さん。彼女の必死さが伝わる。これまで保護犬桔梗ちゃんを手元で面倒を見て来たから余計だろう。
「もちろんです! 誓っても良いです。絶対に幸せにします。私の両親も保護犬ちゃん2匹を家族に迎え入れていますが、とても可愛がっているんですよ。もう、目に入れても痛くない程の可愛がりようです。私も負けてはいられません」
「そう言ってもらえると安心します。私達も慎重に慎重を重ねては、新しい家族の元へと保護犬ちゃんを託しているのですが……其の判断を下すのは難しいのですよ。意外と困難な事を思い知らされます」
「そうなんですか?」
「……はい」
そして話してくれたのだ。譲渡する事の難しさと現状と現実、そして悲惨な出来事があり、その度に打ちのめされる事を語って聞かせくれた。
「そんな事が……酷い……」
絶句する。聞き終わる頃には涙が止まらない。
保護団体のお姉さんが切なげに語った現状が、私には信じられない内容ばかり。残酷で非情な現実が譲渡後もあるとは思わなかった。
朝からドキドキとワクワク感が半端ない。あの子にも会えるかもしれない。現場に到着すれば、やっぱり居たよ。再会が嬉しい。
あの子もいる……!
嬉しい私。
一方の保護犬ちゃん。此処での名前は“桔梗ちゃん”。素敵な名前をもらった保護犬ちゃんは怯えた様子で警戒心丸出し。
そこで聞かされたのが桔梗ちゃんの辛い過去。
保護される以前は、ただの繁殖目的の為の「モノ」でしかなかった保護犬ちゃん。おかげで名前など必要とされなかった。名も無き保護犬ちゃんに、保護団体の心優しいお姉さんが名前を授け、沢山の愛情を注いでいた。
「桔梗ちゃん」
素敵な名前を貰った保護犬ちゃんだが辛い過去は消えない。だから、人間が怖い。次は何をされるのか分からないから。
* * * * * * * *
まだ一歳にも満たない以前の桔梗ちゃん。人間で云えば、まだ子供。それなのに無理やり子犬を産まされ、しかも帝王切開で取り出されている。傷跡が痛々しい。
おまけに劣悪な環境の中、ずっと檻に閉じ込められたままの状態が保護されるまで続く。水も餌も満足に与えてもらえず、保護されてからは異常な程の食欲を見せたとか。飢えていた保護犬ちゃん。
これが保護犬の桔梗ちゃんの過去の実情。
そうした経緯を踏まえれば、警戒心丸出しなのは仕方がない。非道な人間がそうさせたのだ。
と或る獣医師は告げる。虐待された保護犬ちゃんの警戒心を取るには、虐待され続けた年数の倍は掛かる。5年虐待され続けたのなら、また信頼してもらうのに10年は見て下さい……と。だから、保護犬ちゃんを引き取るということは、懐かないことを前提に全て受け入れる覚悟がいるのだ。
さておき。
私達夫婦との再会を果たした保護犬桔梗ちゃん。怯えた様子の揺らぐ瞳で訴える。
「おまえ達は誰だよ。見るんじゃないよ……また何かするのかよ……」
キューンっと耳を下げては、伺うように此方を見る保護犬ちゃん。やはり、見慣れない人間には不信感。「怖い……!」そうなる。
「この子とは……ゆっくりゆっくりと歩み寄って行こう。いつかは信頼してくれるはず……」
そう、私も覚悟しなければならない。保護犬ちゃん達には、ペットショップで売られているワンコちゃん達のような気安さはない。常に警戒心を丸出しで見てくる。
怖くないよ……と教えてあげたい。
* * * * * * * *
保護団体のお姉さんから教えてもらう。数ある家族の中から“我が家”を選んだ理由。どうしても聞きたい。
「これまで沢山の家族の様子を見て来たましたが、この間の面談の様子で貴方方家族になら、あの子をお任せしても大丈夫だと判断致しました。きっと可愛がって下さると思っています。これまで辛い環境に置かれていた桔梗ちゃんです。次こそは幸せにしてあげて下さい。どうか、この子をよろしくお願い致します」
切実な想いで告げる保護団体のお姉さん。彼女の必死さが伝わる。これまで保護犬桔梗ちゃんを手元で面倒を見て来たから余計だろう。
「もちろんです! 誓っても良いです。絶対に幸せにします。私の両親も保護犬ちゃん2匹を家族に迎え入れていますが、とても可愛がっているんですよ。もう、目に入れても痛くない程の可愛がりようです。私も負けてはいられません」
「そう言ってもらえると安心します。私達も慎重に慎重を重ねては、新しい家族の元へと保護犬ちゃんを託しているのですが……其の判断を下すのは難しいのですよ。意外と困難な事を思い知らされます」
「そうなんですか?」
「……はい」
そして話してくれたのだ。譲渡する事の難しさと現状と現実、そして悲惨な出来事があり、その度に打ちのめされる事を語って聞かせくれた。
「そんな事が……酷い……」
絶句する。聞き終わる頃には涙が止まらない。
保護団体のお姉さんが切なげに語った現状が、私には信じられない内容ばかり。残酷で非情な現実が譲渡後もあるとは思わなかった。
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