18 / 37
保護犬ちゃん・トライアル編
〈小話〉ワンコが犬好きな私とお姉さん
しおりを挟む
保護団体のお姉さんとの面談時。実は、ちょっとした犬好きの話題で盛り上がったりもした。特にワンコちゃんが食べる物を「餌」とは言わない私達。
「……ですよね! わかります。餌とは絶対言いませんよね。“餌”ではなく“ご飯”と言いますよね!」
「もちろんですよ~」
私の言葉に保護団体のお姉さんも嬉しそうに賛同する。
「家族ですから当然の言い方ですよね。きーちゃんも保護された当初は全然食べてくれなかったんですが、今ではご飯を沢山食べてくれるからぽっちゃりな感じに……それも可愛いんですけどね」
あははっ……と苦笑する保護団体のお姉さん。
沢山食べてくれる……その言葉が「羨ましい」と切実に思うことになるとは、此の時には全く思わない。
同時に、人間不信の保護犬桔梗ちゃんから、確実に信頼を得ていた保護団体のお姉さんの根気と優しさに頭が下がる。
保護犬桔梗ちゃんと一緒に過ごした時間は短くても、しっかりと信頼関係を構築していたのだ。絆を築いていた。だから本当に凄い。それは保護団体のお姉さんから頂いた保護犬桔梗ちゃんの写真や動画からも分かる。
動画には、保護団体のお姉さんに甘える保護犬桔梗ちゃんの姿。写真に映るのは、2人で仲良く散歩する姿。保護犬桔梗ちゃんの安心し切った顔が全てを物語る。体さえ弾ませている保護犬桔梗ちゃん。
「きーちゃんはお姉さんを信頼しているんだね」
羨ましいかな。
* * * * * * * *
当時、保護団体のお姉さんが胸を張って太鼓判を押したのが、保護犬桔梗ちゃんが、如何にお利口さんで良く出来たチワワちゃんか……というかこと。我が子自慢のように教えてくれた。
「きーちゃんは本当にお利口さんなんです。物静かで吠えることもなく、まさに当たりのワンコちゃんです。それにお顔も可愛い……!」
豪語する保護団体のお姉さん。
それが真逆だった事も後で分かる。
ただね、やんちゃなきーちゃんは本当に可愛い。人間不信だった頃を思えば、当たりだろうがハズレだろうが、どちらでも構わない。
きーちゃんは家族。家族は愛おしい。
「……ですよね! わかります。餌とは絶対言いませんよね。“餌”ではなく“ご飯”と言いますよね!」
「もちろんですよ~」
私の言葉に保護団体のお姉さんも嬉しそうに賛同する。
「家族ですから当然の言い方ですよね。きーちゃんも保護された当初は全然食べてくれなかったんですが、今ではご飯を沢山食べてくれるからぽっちゃりな感じに……それも可愛いんですけどね」
あははっ……と苦笑する保護団体のお姉さん。
沢山食べてくれる……その言葉が「羨ましい」と切実に思うことになるとは、此の時には全く思わない。
同時に、人間不信の保護犬桔梗ちゃんから、確実に信頼を得ていた保護団体のお姉さんの根気と優しさに頭が下がる。
保護犬桔梗ちゃんと一緒に過ごした時間は短くても、しっかりと信頼関係を構築していたのだ。絆を築いていた。だから本当に凄い。それは保護団体のお姉さんから頂いた保護犬桔梗ちゃんの写真や動画からも分かる。
動画には、保護団体のお姉さんに甘える保護犬桔梗ちゃんの姿。写真に映るのは、2人で仲良く散歩する姿。保護犬桔梗ちゃんの安心し切った顔が全てを物語る。体さえ弾ませている保護犬桔梗ちゃん。
「きーちゃんはお姉さんを信頼しているんだね」
羨ましいかな。
* * * * * * * *
当時、保護団体のお姉さんが胸を張って太鼓判を押したのが、保護犬桔梗ちゃんが、如何にお利口さんで良く出来たチワワちゃんか……というかこと。我が子自慢のように教えてくれた。
「きーちゃんは本当にお利口さんなんです。物静かで吠えることもなく、まさに当たりのワンコちゃんです。それにお顔も可愛い……!」
豪語する保護団体のお姉さん。
それが真逆だった事も後で分かる。
ただね、やんちゃなきーちゃんは本当に可愛い。人間不信だった頃を思えば、当たりだろうがハズレだろうが、どちらでも構わない。
きーちゃんは家族。家族は愛おしい。
61
あなたにおすすめの小説
【完結】初めてアルファポリスのHOTランキング1位になって起きた事
天田れおぽん
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのHOTランキング一位になった記念のエッセイです。
なかなか経験できないことだろうし、初めてのことなので新鮮な気持ちを書き残しておこうと思って投稿します。
「イケオジ辺境伯に嫁げた私の素敵な婚約破棄」がHOTランキング一位になった2022/12/16の前日からの気持ちをつらつらと書き残してみます。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染みの君が言うには
六つ花えいこ
青春
「おかえりなさい」
「あぁ、いらっしゃい」
同じマンションに住む陽介と実里は幼馴染。
最近では話すことさえなくなった二人であったが、ひょんなことから、実里は陽介のために毎晩家に通っておさんどんをすることになった。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
手と手を合わせて、心を繋いでいく二人の、のんびりとしたお話。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる