新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり

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保護犬きーちゃん・帰省編

19話 きーちゃんの初めての帰省と犬社会

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年末年始中、実家へはきーちゃんと一緒に連泊することになる。道中は車で移動。きーちゃんはワンコ用バスケットの中。あり得ない程に震えているきーちゃん。

(……きっと……不安だよね……)

人間の言葉がわからないきーちゃんには、実家に行くとは分からない。もしかしたら「何か酷い事されるの……?」と思っているのかもしれない。不安になるのは当然。実際、私も不安がないわけではない。でも、母の言葉を信じて実家にGO!

ちょいとここで、私の両親に引き取られた保護犬ちゃん2匹の話をするね。

最初の保護犬ハッサクちゃんは、先住犬ヨークシャテリアのレミちゃんから犬社会を学び、次の保護犬ミカンちゃんも保護犬ハッサクちゃんから犬社会を学んでいる。

犬社会って何だ……と思うよね?

普通であれば、母犬が我が子に生き抜く術を色々教えるらしい。でも、子犬の頃に母犬から引き離され、生き抜く術を学べなかった場合は、先住犬ちゃん達が教えるらしいの。獣医師さんもそう言っていたよ。

ご飯は誰がくれるよ……とか、この家のボスは誰か?とか……あとはオシッコの仕方等々、色々と学ぶらしい。現に、常に2匹のワンコちゃんは一緒。寝るのも共に寄り添っている。安心しきっている。

だからね、実家の保護犬ちゃん達は最初から怯えることもなく、ワンコちゃん同士で寄り添っては仲良く遊び、良く食べては、両親にも……というか、特に母には良く懐いてくれているとか。

此処でも母は流石だね。勿論ながら、父もワンコ愛が半端ないよ。

きーちゃんもそうなれば良いよね。

おかげ様で私の心配をよそに、きーちゃんにも変化が起こるの。それは実家の保護犬ちゃん達のおかげでもあるけど、1番の理由は私の娘っ子のおかげかな。娘っ子の根気の良さには称賛もの。なにせ、きーちゃんの警戒心を解き、信頼されたんだからさ。

娘っ子に完敗だよ。正直、羨ましいよ。




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