29 / 37
保護犬きーちゃん・日常編①
26話 激オコきーちゃんの抗議と譲歩
しおりを挟む
そうそう、胃腸障害を患ったきーちゃん。色々な薬を試し、主食のドックフードもアレルギー用だったり、スキンケアだったりと色々と試したよ。担当獣医さんの指示で、動物病院からは色々な種類のドックフードのお試しサイズが提供されたの。
「試供品をお渡ししますので色々と試してみて下さい。その中できーちゃんが下痢を起こさず、食べた物を主食にしましょう」
担当の獣医さんに提案される。
そもそもだ。全てが低脂肪。美味しいはずがない。味に煩いきーちゃんのお口に合う物はなく、下痢も止まらない。
最終的には、胃腸障害を起こすきーちゃんを考慮し、消化器サポートのドックフードを選び、それに決める獣医さん。しかも大粒だと食べない。おかげで、動物病院でしか売っていない小粒サイズの消化器サポートのドックフード1kgを定期購入することに。しかも、お値段は1kg3000円弱。値段だけみれば、なかなかなドックフード。だが、不味い。
納得のいかないきーちゃんは不満顔。
当初は3kg入りの其のドックフードを購入したが、全てを食べ切る前に飽きてしまうきーちゃんがいる。そうなってしまえば、断固として食べない。ドックフードの開け口はチャック付きとはいえ、一度開けてしまえば、日に日に風味は落ちて行く。それを理解するきーちゃん。侮れない。
「きーちゃんは風味に煩いようなので……」
獣医さんにも言われ、食べ切りサイズの1kgのドックフードを購入することにしたにもかかわらず、味に煩いきーちゃんはすぐに飽きる。風味と鮮度にも煩いと来たもんだ。
困ったきーちゃんだね。
グルメのワンコちゃんといえば聞こえは良いけど、実際は食に煩いきーちゃんとでも言おう。なにしろ、牛肉も安いお肉は食べない。霜降りなら食べる。なんだかなぁ。おまけに娘っ子のおやつを欲しがるきーちゃんだが、そこいらのスーパーマーケットで売っているクッキーは食べない。だが、百貨店クオリティーなら一瞬の隙を付き、持ち逃げする。弾む足取り。
それはさておき。
美味しくもないドックフードを与えられた時のきーちゃん。怒ったね。怒り方が可愛いの……もとい、やっぱり半端ないの。
きーちゃんの抗議が始まる。どうするかって?
お皿に入るドックフードを大きなお鼻を使い、全て押し出してしまう。おかげで辺り一面ドックフードが散乱。明らかに激オコなきーちゃん。上目遣いで此方をジッと睨んだまま微動だにしない。一向に動かない。まん丸お目々には怒りが浮かび、かなりご立腹。
如何に怒っているか……を全身で訴えるきーちゃんには恐れ入る。
「よくもこんな不味いご飯を寄越したな! 怒っているんだぞ!」
そう言いたげ。まさにそうかも。
全身を使って反抗の意思を見せるきーちゃん。ずーっと睨んだまま微動だにしない。あまりにも無視されるとクッションに噛みつき、しまいには自分の尻尾や前足の爪を「ガガガガガっ!!」と噛み続ける姿が凄まじい。
当然、きーちゃんの爪は所々が割れ、きーちゃんの尻尾は咬み傷で出血。おかげで動物病院行き。
困りましたね……の獣医さんと私。
自傷行為に走るのはいただけない。
百歩譲ってやむを得ず、多少の事には目をつむる。なるべく無添加の物を選び、不味いだろうドックフードに混ぜ合わせ、一応の終着。ただ、抗生物質薬は欠かせない。それで下痢を抑えているのだから、客観的にみれば何をやっているんだか。
でもね、人間が良かれと思ってしている事が、必ずしもきーちゃん自身の為とは限らない。なにせ食欲旺盛で味にも煩いワンコちゃん。そのきーちゃんにとっては、抗生物質薬で下痢が抑えらえているのなら、どうしたって「食べたい!」に尽きるんだよ。
「試供品をお渡ししますので色々と試してみて下さい。その中できーちゃんが下痢を起こさず、食べた物を主食にしましょう」
担当の獣医さんに提案される。
そもそもだ。全てが低脂肪。美味しいはずがない。味に煩いきーちゃんのお口に合う物はなく、下痢も止まらない。
最終的には、胃腸障害を起こすきーちゃんを考慮し、消化器サポートのドックフードを選び、それに決める獣医さん。しかも大粒だと食べない。おかげで、動物病院でしか売っていない小粒サイズの消化器サポートのドックフード1kgを定期購入することに。しかも、お値段は1kg3000円弱。値段だけみれば、なかなかなドックフード。だが、不味い。
納得のいかないきーちゃんは不満顔。
当初は3kg入りの其のドックフードを購入したが、全てを食べ切る前に飽きてしまうきーちゃんがいる。そうなってしまえば、断固として食べない。ドックフードの開け口はチャック付きとはいえ、一度開けてしまえば、日に日に風味は落ちて行く。それを理解するきーちゃん。侮れない。
「きーちゃんは風味に煩いようなので……」
獣医さんにも言われ、食べ切りサイズの1kgのドックフードを購入することにしたにもかかわらず、味に煩いきーちゃんはすぐに飽きる。風味と鮮度にも煩いと来たもんだ。
困ったきーちゃんだね。
グルメのワンコちゃんといえば聞こえは良いけど、実際は食に煩いきーちゃんとでも言おう。なにしろ、牛肉も安いお肉は食べない。霜降りなら食べる。なんだかなぁ。おまけに娘っ子のおやつを欲しがるきーちゃんだが、そこいらのスーパーマーケットで売っているクッキーは食べない。だが、百貨店クオリティーなら一瞬の隙を付き、持ち逃げする。弾む足取り。
それはさておき。
美味しくもないドックフードを与えられた時のきーちゃん。怒ったね。怒り方が可愛いの……もとい、やっぱり半端ないの。
きーちゃんの抗議が始まる。どうするかって?
お皿に入るドックフードを大きなお鼻を使い、全て押し出してしまう。おかげで辺り一面ドックフードが散乱。明らかに激オコなきーちゃん。上目遣いで此方をジッと睨んだまま微動だにしない。一向に動かない。まん丸お目々には怒りが浮かび、かなりご立腹。
如何に怒っているか……を全身で訴えるきーちゃんには恐れ入る。
「よくもこんな不味いご飯を寄越したな! 怒っているんだぞ!」
そう言いたげ。まさにそうかも。
全身を使って反抗の意思を見せるきーちゃん。ずーっと睨んだまま微動だにしない。あまりにも無視されるとクッションに噛みつき、しまいには自分の尻尾や前足の爪を「ガガガガガっ!!」と噛み続ける姿が凄まじい。
当然、きーちゃんの爪は所々が割れ、きーちゃんの尻尾は咬み傷で出血。おかげで動物病院行き。
困りましたね……の獣医さんと私。
自傷行為に走るのはいただけない。
百歩譲ってやむを得ず、多少の事には目をつむる。なるべく無添加の物を選び、不味いだろうドックフードに混ぜ合わせ、一応の終着。ただ、抗生物質薬は欠かせない。それで下痢を抑えているのだから、客観的にみれば何をやっているんだか。
でもね、人間が良かれと思ってしている事が、必ずしもきーちゃん自身の為とは限らない。なにせ食欲旺盛で味にも煩いワンコちゃん。そのきーちゃんにとっては、抗生物質薬で下痢が抑えらえているのなら、どうしたって「食べたい!」に尽きるんだよ。
40
あなたにおすすめの小説
【完結】初めてアルファポリスのHOTランキング1位になって起きた事
天田れおぽん
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのHOTランキング一位になった記念のエッセイです。
なかなか経験できないことだろうし、初めてのことなので新鮮な気持ちを書き残しておこうと思って投稿します。
「イケオジ辺境伯に嫁げた私の素敵な婚約破棄」がHOTランキング一位になった2022/12/16の前日からの気持ちをつらつらと書き残してみます。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染みの君が言うには
六つ花えいこ
青春
「おかえりなさい」
「あぁ、いらっしゃい」
同じマンションに住む陽介と実里は幼馴染。
最近では話すことさえなくなった二人であったが、ひょんなことから、実里は陽介のために毎晩家に通っておさんどんをすることになった。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
手と手を合わせて、心を繋いでいく二人の、のんびりとしたお話。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる