新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり

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保護犬きーちゃん・日常編②

〈閑話・過去〉粗末にされた命と辛い記憶

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※後半に可哀想な描写があります。苦手な方はご注意下さい。



* * * * * * * *


随分と前の出来事なんだけど、ずっと頭から離れない光景がある。それは鬼畜な所業としか思えない凄惨な光景。その光景を目にした時、息を呑んだよ。胸が苦しくて、子供ながらに涙したことを覚えている。

粗末に捨てられた哀れな命。

忘れられるはずもなく、そして誰にも話してはいない。あまりにも酷すぎて話せなかった……と言った方が正しいのかもしれない。

ワンコちゃん好きの両親は、きっと涙する。哀しませるだけの出来事。

やっぱり言えなくて……車の後部座席で独りで泣いたんだよね。

今回ご縁があって、こうして保護犬ちゃんのエッセイを書く機会に恵まれたからこそ、自分が見た凄惨な光景を書き記し、少しでも可哀想な子が減ることを切実に願うよ。



* * * * * * * *


子供の頃。両親と車で外出中の最中、と或る川の上に掛かる橋に差し掛かった時のこと。橋の欄干の隙間からは、眼下に流れる川が見えるの。何気に見ていたら、あり得ない光景が視界に入ってきたんだよ。

子供ながらに絶句した。

実はね、川岸に1匹のワンコちゃんの亡骸が浮いていたの。捨てられた生活ゴミに混じっては浮いていた事も覚えている。灰色がかった中型犬で、かなり薄汚れているし、骨が浮き出るくらいに痩せ細った酷い有り様。もう息をしていない事が見て分かる。おそらくは何日も経っている。

それ以上に私の胸を突いたのが、そのワンコちゃんの凄惨な状態。両手足は赤い紐で縛られ、口さえも赤い布でグルグルに縛られていたの。身動きが取れない状態にされ、おそらくは……これ以上は、敢えて言う必要はないよね。口出すのも憚られる。あまりにも痛ましいから。

あまりにも無慈悲な光景。

当時は子供だった私にだって分かる。

どうして……そんな酷いことができるのか? 

どうして……ワンコちゃんの命を粗末に奪えるのか?

辛い記憶。だから、後部座席でひっそりと涙したよ。

これが今でも忘れられない記憶。だからこそ、保護犬だったきーちゃんを余計に大事にしたいと切に想うよ。

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