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保護犬きーちゃん・日常編②
31話 きーちゃんの犬種と体毛の色
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我が家で常に議題に上がるのが、きーちゃんの犬種問題。
保護犬探しでは、先代犬が「チワワちゃん」だったから、飼い慣れている犬種の方が良いと思い、次の子もチワワちゃんで決定。
「チワワちゃん」探しが始まる。
きーちゃんの里親募集要項には、確かに犬種は「チワワ」と記されていた。
「此の子……チワワちゃんだよね?」
多少の違和感はあったけど、一目惚れしたのが此のきーちゃんだったから仕方がない。ただね、周りの人が言うんだよね。
「きーちゃんはチワワではなくてミックス犬だよ。絶対に何かと何かが混ざっているよ」
やたらと言うわけよ。
そこまで言うなら、いったい何が混ざっているんだよ……てね?
毎月、きーちゃんはトリミングの為に犬の美容院に通っている。人の良い奥様と旦那様が切り盛りしている素敵なドッグサロン。其処の奥様がね、はっきり言ったのよ。
「きーちゃん……コーギーが混ざっているよね? この太い手足と長い胴体はチワワものとはちょっと違うよ……でも、可愛いけどね」
何故か、皆んなが「チワワではないよね?」と疑念を抱く。
確かにね。先住犬のピースちゃんは歴としたチワワの両親を持つ血統書付きのワンコちゃん。紛れもなくチワワ。そのチワワのピースちゃんに比べたら、きーちゃんはタイプが違う?
まず、お目々が離れているのが特徴のチワワちゃんに比べたら、きーちゃんのお目々はやたらとデカくて、しかも中心に寄っている。小さな鼻のチワワちゃんと違い、きーちゃんの鼻はデカい。それに舌も大きくて長いのも驚く。
極めつけは胴体と手足。
ほっそりとした手足のチワワちゃん。胴体もスラリとしている。一方のきーちゃんは手足は太くて短く、胴体は長く太い。おまけに手と肉球もガッシリとしてデカい。
そう、何もかもが小柄なチワワちゃんと比べてデカいきーちゃん。おかげで、足音も立てずに歩いていた先代犬ピースちゃんに比べ、きーちゃんが歩くと「ドドドドドーっ!」と地鳴りのような地響きのような重い足音が響く。何処にいるのかも丸分かりのきーちゃん。気配があり過ぎる。
寝息も「ブフっ、ブフブフっ……」と煩いきーちゃん。寝言も酷くて、白目を剥きながら吠えている。でも、確かに寝ているんだよ。
「ワンっ……ワン! ウウっー……ワンワンっ!」
寝る度に毎日煩いきーちゃん。良く吠える吠える。おかげで「寝れないんだよね」と娘っ子が言う。でも、怒らないし嫌がらない娘っ子にも称賛ものだよ。
ある時、私の両親がきーちゃんの写真を検索に掛けたらしいの。
「きーちゃん……チワワとは出なかったよ!」
豪語する両親。しかも、アングルが変わる度に、色々な犬種を挙げて来る検索機能の優柔不断さにも驚く。
最初に出たのはコーギー。次がペキニーズ。寝ている姿はフレンチブルドッグと出たよ。これには笑えた。そして更には柴犬と出て、最終的にはただの「犬」としか出ない。これにも笑った。結局チワワとは出ない。もう大爆笑。
「きーちゃんの犬種は犬だってさ。それって当たり前だよね? 超ウケる~!」
面白い! と大笑いの娘っ子。
なんにしても何であっても、犬種すら分からなくてもミックス犬だろうが……要は、きーちゃんがきーちゃんであるからこそ可愛いのだ。
結局は、そこが大事。
今のところ、きーちゃんはチワワ扱いではあるけどね。それともう1点。
面白いなぁ……と思った事がある。
きーちゃんの届出に書かれている体毛の色。保護された時に届け出た獣医さんが、そのように書いたらしいのだが、きーちゃんの体毛はどう見ても「白色×薄茶色」のはず。それがね、届出の用紙には「白色×クリーム色」と書かれているの。
「言い方を変えただけだよね?」
「クリーム色も白だよね?」
きーちゃんの体毛についても物議を醸す。
「……でも、どう見ても薄茶色だよね? そんでもってチワワじゃないよね?」
きーちゃんの話題は本当に尽きない。常に話題の中心。娘っ子はきーちゃんのことを総合して「面白ワンコのきー」と呼ぶ。
確かに、きーちゃんは色々と規格外で面白いよ。だから、余計に愛おしいんだろうね。
保護犬探しでは、先代犬が「チワワちゃん」だったから、飼い慣れている犬種の方が良いと思い、次の子もチワワちゃんで決定。
「チワワちゃん」探しが始まる。
きーちゃんの里親募集要項には、確かに犬種は「チワワ」と記されていた。
「此の子……チワワちゃんだよね?」
多少の違和感はあったけど、一目惚れしたのが此のきーちゃんだったから仕方がない。ただね、周りの人が言うんだよね。
「きーちゃんはチワワではなくてミックス犬だよ。絶対に何かと何かが混ざっているよ」
やたらと言うわけよ。
そこまで言うなら、いったい何が混ざっているんだよ……てね?
毎月、きーちゃんはトリミングの為に犬の美容院に通っている。人の良い奥様と旦那様が切り盛りしている素敵なドッグサロン。其処の奥様がね、はっきり言ったのよ。
「きーちゃん……コーギーが混ざっているよね? この太い手足と長い胴体はチワワものとはちょっと違うよ……でも、可愛いけどね」
何故か、皆んなが「チワワではないよね?」と疑念を抱く。
確かにね。先住犬のピースちゃんは歴としたチワワの両親を持つ血統書付きのワンコちゃん。紛れもなくチワワ。そのチワワのピースちゃんに比べたら、きーちゃんはタイプが違う?
まず、お目々が離れているのが特徴のチワワちゃんに比べたら、きーちゃんのお目々はやたらとデカくて、しかも中心に寄っている。小さな鼻のチワワちゃんと違い、きーちゃんの鼻はデカい。それに舌も大きくて長いのも驚く。
極めつけは胴体と手足。
ほっそりとした手足のチワワちゃん。胴体もスラリとしている。一方のきーちゃんは手足は太くて短く、胴体は長く太い。おまけに手と肉球もガッシリとしてデカい。
そう、何もかもが小柄なチワワちゃんと比べてデカいきーちゃん。おかげで、足音も立てずに歩いていた先代犬ピースちゃんに比べ、きーちゃんが歩くと「ドドドドドーっ!」と地鳴りのような地響きのような重い足音が響く。何処にいるのかも丸分かりのきーちゃん。気配があり過ぎる。
寝息も「ブフっ、ブフブフっ……」と煩いきーちゃん。寝言も酷くて、白目を剥きながら吠えている。でも、確かに寝ているんだよ。
「ワンっ……ワン! ウウっー……ワンワンっ!」
寝る度に毎日煩いきーちゃん。良く吠える吠える。おかげで「寝れないんだよね」と娘っ子が言う。でも、怒らないし嫌がらない娘っ子にも称賛ものだよ。
ある時、私の両親がきーちゃんの写真を検索に掛けたらしいの。
「きーちゃん……チワワとは出なかったよ!」
豪語する両親。しかも、アングルが変わる度に、色々な犬種を挙げて来る検索機能の優柔不断さにも驚く。
最初に出たのはコーギー。次がペキニーズ。寝ている姿はフレンチブルドッグと出たよ。これには笑えた。そして更には柴犬と出て、最終的にはただの「犬」としか出ない。これにも笑った。結局チワワとは出ない。もう大爆笑。
「きーちゃんの犬種は犬だってさ。それって当たり前だよね? 超ウケる~!」
面白い! と大笑いの娘っ子。
なんにしても何であっても、犬種すら分からなくてもミックス犬だろうが……要は、きーちゃんがきーちゃんであるからこそ可愛いのだ。
結局は、そこが大事。
今のところ、きーちゃんはチワワ扱いではあるけどね。それともう1点。
面白いなぁ……と思った事がある。
きーちゃんの届出に書かれている体毛の色。保護された時に届け出た獣医さんが、そのように書いたらしいのだが、きーちゃんの体毛はどう見ても「白色×薄茶色」のはず。それがね、届出の用紙には「白色×クリーム色」と書かれているの。
「言い方を変えただけだよね?」
「クリーム色も白だよね?」
きーちゃんの体毛についても物議を醸す。
「……でも、どう見ても薄茶色だよね? そんでもってチワワじゃないよね?」
きーちゃんの話題は本当に尽きない。常に話題の中心。娘っ子はきーちゃんのことを総合して「面白ワンコのきー」と呼ぶ。
確かに、きーちゃんは色々と規格外で面白いよ。だから、余計に愛おしいんだろうね。
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