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小話
8.皇帝と後宮妃の裏事情
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田舎娘の宝玉が〈後宮〉に入宮する前に、今代の皇帝・王炫の「後宮妃事情」をちょいと補足。
◇
一から王朝を建て直した時の皇帝・王炫。
争い乱れる世の中に、平穏をもたらした偉大な皇帝だ。
新王朝が立ち上がれば、彼が望むと望まざるとにかかわらず、前王朝から存在する〈後宮〉へと献上される美姫たち。
よくあるのが、戦いに敗れた敗戦国がする行為。
今では属国となった国々から献上されるのは金銀財宝並びに、忠誠の証しとして差し出される高貴な血筋の美姫たち。
いわゆる、人質姫だ。
だが、所詮は他国の人質姫。これ以上の争いを好まない皇帝・王炫は、その人質姫たちには手を出さない。
「子でも成せば厄介だ。手を出さなければ子を授かることもない」
そう宣い、人質姫たる後宮妃は放置。
哀れな彼女たち……とも言い切れない。
敗戦国の姫でありながらも皇帝の〈後宮〉にいる以上は、衣食住は保証される。食うに困らない。その日の食事もままならない宝玉と比べたら、ずいぶんマシな方だといえる。
◇
さて。また別の後宮妃たち。
「あわよくば……」な家臣たちからの贈り物。
自ら「どうぞ どうぞ」と差し出す。
たとえ、娘に想い合う相手がいても構うことなく、皇帝・王炫の〈後宮〉へと差し出してしまう強欲な親たち。
一方で、皇帝・王炫へのご機嫌伺いも兼ねている場合も。
大事な娘を差し出し、「皇帝陛下に忠誠を……」そう言いながらも、やはり打算は見え隠れする。
家臣たちにしてみれば、自分たちの娘が皇帝・王炫の寵愛を授かり、それこそ世嗣(※世継ぎ)でももうければ、その子は皇孫となる。一族の繁栄を望める。
持ちつ持たれつ……なところもあるかもしれないが、多くは打算的な思いからくる皇帝への贈り物。
おかげで〈後宮妃〉という存在は皇帝・王炫曰く、「負の遺産」と近臣の張武偉に漏らしている。
よく考えれば、皇帝は一人。
それなのに後宮妃はゾロゾロと存在する。
本音を言えば、そんなに多くの後宮妃をさばけない。それに皇帝・王炫は色欲豊かでもない。
彼は根っからの武人体質。女を抱くより、近臣の張武偉を相手に武闘をする方が存外楽しい。おかげで「男色なのでは?」と一部の者たちからは囁かれるほど。
「私と陛下がそのような仲とは畏れ多い……」
「いっそのこと……戯言を真実にしてみるか?」
「ご冗談を……それに陛下には“珠玉の玉”がおありになるのです。その方との間にお世継ぎでも授かれば、私にはこの上ない喜び。そうなる日が待ち遠しいのですが……」
フッと微笑を湛える皇帝・王炫。
その後、宝玉を迎えに田舎地帯へと赴くことになるのは、あえて言うまでもない。
◇
補足だが。
皇帝・王炫は後宮妃にランクを付けてはいない。
後宮という閉ざされた空間。そこから出ることも許されない後宮妃たちの生き甲斐といえば、皇帝の寵愛を得るために教養や芸事を磨き、気に入られようと常に美に対しても貪欲。
ただ、悪いことばかりでもない。
後宮妃を通して化粧や髪型、衣装や装飾品が発展、流行を遂げる。芸事も磨きがかかり、より高みへ。
それでも女ばかりが一箇所に固まれば、争いは起きる。
嫉妬は人を変えてしまう。
後宮内での諍いは日常茶飯事。
時に、皇帝の寵愛を授かった後宮妃は妬まれ、中には不自然な死を遂げる者もいる。
後宮妃は毒を隠し持った「強欲妃」とまで言い出す皇帝王炫。そのような〈後宮〉で気が休まるはずもない。
いつ、寝首をかかれるとも限らない。
「序列があるから争いも酷くなる。ならば、なくしてしまえ」
皇帝・王炫の〈後宮〉においては四夫人も九嬪も、その下の二十七世婦も存在しない。
位を賜るのは皇后のみ。あとは寵妃か、そうでないか。
田舎娘の宝玉はどうなる?
◇
一から王朝を建て直した時の皇帝・王炫。
争い乱れる世の中に、平穏をもたらした偉大な皇帝だ。
新王朝が立ち上がれば、彼が望むと望まざるとにかかわらず、前王朝から存在する〈後宮〉へと献上される美姫たち。
よくあるのが、戦いに敗れた敗戦国がする行為。
今では属国となった国々から献上されるのは金銀財宝並びに、忠誠の証しとして差し出される高貴な血筋の美姫たち。
いわゆる、人質姫だ。
だが、所詮は他国の人質姫。これ以上の争いを好まない皇帝・王炫は、その人質姫たちには手を出さない。
「子でも成せば厄介だ。手を出さなければ子を授かることもない」
そう宣い、人質姫たる後宮妃は放置。
哀れな彼女たち……とも言い切れない。
敗戦国の姫でありながらも皇帝の〈後宮〉にいる以上は、衣食住は保証される。食うに困らない。その日の食事もままならない宝玉と比べたら、ずいぶんマシな方だといえる。
◇
さて。また別の後宮妃たち。
「あわよくば……」な家臣たちからの贈り物。
自ら「どうぞ どうぞ」と差し出す。
たとえ、娘に想い合う相手がいても構うことなく、皇帝・王炫の〈後宮〉へと差し出してしまう強欲な親たち。
一方で、皇帝・王炫へのご機嫌伺いも兼ねている場合も。
大事な娘を差し出し、「皇帝陛下に忠誠を……」そう言いながらも、やはり打算は見え隠れする。
家臣たちにしてみれば、自分たちの娘が皇帝・王炫の寵愛を授かり、それこそ世嗣(※世継ぎ)でももうければ、その子は皇孫となる。一族の繁栄を望める。
持ちつ持たれつ……なところもあるかもしれないが、多くは打算的な思いからくる皇帝への贈り物。
おかげで〈後宮妃〉という存在は皇帝・王炫曰く、「負の遺産」と近臣の張武偉に漏らしている。
よく考えれば、皇帝は一人。
それなのに後宮妃はゾロゾロと存在する。
本音を言えば、そんなに多くの後宮妃をさばけない。それに皇帝・王炫は色欲豊かでもない。
彼は根っからの武人体質。女を抱くより、近臣の張武偉を相手に武闘をする方が存外楽しい。おかげで「男色なのでは?」と一部の者たちからは囁かれるほど。
「私と陛下がそのような仲とは畏れ多い……」
「いっそのこと……戯言を真実にしてみるか?」
「ご冗談を……それに陛下には“珠玉の玉”がおありになるのです。その方との間にお世継ぎでも授かれば、私にはこの上ない喜び。そうなる日が待ち遠しいのですが……」
フッと微笑を湛える皇帝・王炫。
その後、宝玉を迎えに田舎地帯へと赴くことになるのは、あえて言うまでもない。
◇
補足だが。
皇帝・王炫は後宮妃にランクを付けてはいない。
後宮という閉ざされた空間。そこから出ることも許されない後宮妃たちの生き甲斐といえば、皇帝の寵愛を得るために教養や芸事を磨き、気に入られようと常に美に対しても貪欲。
ただ、悪いことばかりでもない。
後宮妃を通して化粧や髪型、衣装や装飾品が発展、流行を遂げる。芸事も磨きがかかり、より高みへ。
それでも女ばかりが一箇所に固まれば、争いは起きる。
嫉妬は人を変えてしまう。
後宮内での諍いは日常茶飯事。
時に、皇帝の寵愛を授かった後宮妃は妬まれ、中には不自然な死を遂げる者もいる。
後宮妃は毒を隠し持った「強欲妃」とまで言い出す皇帝王炫。そのような〈後宮〉で気が休まるはずもない。
いつ、寝首をかかれるとも限らない。
「序列があるから争いも酷くなる。ならば、なくしてしまえ」
皇帝・王炫の〈後宮〉においては四夫人も九嬪も、その下の二十七世婦も存在しない。
位を賜るのは皇后のみ。あとは寵妃か、そうでないか。
田舎娘の宝玉はどうなる?
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