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公爵家・過去編
10.厳格な公爵家と無情な現実
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若く初々しいダリウスとキャロライン夫妻。甘い濃密な蜜夜を過ごし、幸先の良いスタートを切ったはず。
今、この時は。
「1人息子の婚姻だから、もしかしたら父も許してくれるかもしれない。それに……私たちは深く愛し合っている」
僅かな希望と藁にもすがる想いの2人。
グラント公爵家へと向かう馬車の中。
最初こそ楽しげに道中を謳歌していた妻キャロラインだが、グラント公爵邸が間近へと迫るにつれ、次第に口数が減り始める。美しい花の顔には翳りさえ見え隠れする。
夫ダリウスの気のせいではない。
「キャロライン……大丈夫?」
ただ静かに微笑むだけの妻キャロライン。彼女の微かに強張る頬が緊張を物語る。
貴族出身ではない妻キャロラインには、特段厳格な名門グラント公爵家へと入るのは容易ではない。身に受ける重圧も計り知れない。それでも帰途へと向かう馬車へと乗る以前までは、気丈な様子を見せていた。
「ダリウス様……貴方と共にいられるのなら私は大丈夫。それにね……こう見えても私は思う国王夫妻の身前で歌を披露したこともあるのよ」
「そういえば国王陛下が自慢していたよ。美しい歌姫の美声に心が洗われるようだったと……あれは君のことだったんだね? 私のキャロライン……君は本当に素晴らしい人だ。私の愛すべき自慢の奥様だ。それに誰よりも愛らしい」
夫ダリウスを心配させない為か、あの時はそう告げていた妻キャロライン。だが、それが強がりだったことを思い知らされる。なぜなら、妻キャロラインの華奢な手を握り締めれば微かに震えている。
「キャロライン……大丈夫だ。君のことは必ず私が守るよ」
そっと包み込むように抱き締める夫ダリウス。そう告げた彼も愛する妻キャロラインの手を離してしまう事態に追い込まれることになる。
グラント公爵家へと近付くにつれ、翳りを帯びる妻キャロライン。すでに運命を悟っていたのかもしれない。
最初から「この婚姻自体が無謀だった」と思い知らされる羽目になったのは、妻キャロラインよりも夫ダリウスの方だといえる。
◇
崩壊への警鐘は、今この時から始まる。
無事にグラント公爵家へと着いたダリウスとキャロライン夫妻は、早々に当代グラント公爵ダグラスの洗練を受けることになる。
次代のグラント公爵夫妻のとなる2人を出迎えに現れたのは、古くから仕える家令コーディのみ。しかも、彼は嫡子ダリウスのみの出迎えに現れたと言った方が正しい。
居住まいを正す家令コーディは、開口一番にキャロラインへと無情な現実を叩き付ける。
「お帰りなさいませ、ダリウス様。旦那様が書斎でお持ちでございます。すぐに向かわれた方がよろしいかと存じ上げます」
ついでキャロラインをちらりと見る家令コーディ。表情一つ変えない彼だが、その眼差しには侮蔑の色が浮かんでいる。歓迎している様子は伺えない。
あからさまに家令コーディから冷たい視線を向けられるキャロラインは緊張する。身体が強張り、ちくりと胸が痛む。
「お連れのお客様は、当家の客間へとご案内致します。どうぞこちらへ。私がご案内申し上げます。さぁ、ダリウス様。お父上の公爵様をお待たせしてはなりません。これ以上のお怒りは、旦那様のお身体への負担にもなりかねません」
「コーディっ! 口を慎め! 彼女は私の愛する妻で次代公爵夫人だ。当家の客ではない!」
「そう声を荒げるものではありません。やはり……」
一旦言葉を区切る家令コーディは、大きく溜息をついてみせる。キャロラインの心が沈む。
「辺境の地では“稀代の歌姫”と持て囃されておられても当家では通用致しません。所詮は平民。育ちの良くない方とのご縁は、当家自慢の後継ダリウス様にも悪い影響を及ぼしてしまうようで不愉快でございます」
家令コーディは辛辣にキャロラインを批判してみせる。
「コーディ! いい加減にしてくれ! いくらお前でも私の妻を侮辱する行為は許さない!」
声を荒げる嫡子ダリウス。
「ダリウス様!」
家令コーディがピシャリと言葉を遮る。
「僭越ながら申し上げれば……旦那様は今回のダリウス様の勝手な行動には深くお心を痛められておられます。お2人の仲をお認めになられてはおりません」
はっきりと告げる家令コーディは尚も続ける。
「ダリウス様から頂いたお手紙も不快だと申され、すぐさま暖炉へと投げ入れてしまわれました。これで旦那様のお怒りがお分かりになられたことでしょう」
「馬鹿なっ……もう良い! キャロラインは私の居室へと連れて行く。キャロライン、おいで!」
夫ダリウスから延ばされた手をそっと押しやったのは妻キャロライン。
「ダリウス様、どうかお父上であられる公爵様の元へと行って下さい。私は大丈夫ですから……」
「駄目だ、キャロライン! そんな顔の君を一人にするわけにはいかない。君は私の妻だ。誰にも文句は言わせない。父上であろうともだ!」
「だからこそです、ダリウス様。ここでお父上の公爵様に逆らえば、認めてもらえるはずのものも余計に拗れてしまいます。まずは公爵様の元へと行き……それからです。ご心配なさらないで下さい。私は客間でお待ちしておりますから……」
気丈に振る舞う妻キャロライン。静かな声音が余計に痛々しい。
一人にはできない……夫ダリウスにはそう思える。
到着後から既に不穏な雰囲気の中、キャロラインを一人にはできないのは当然。だが、そこへと割って入った者がいる。
いつの間にか静かに歩み寄るのは、当代の公爵夫人にして嫡子ダリウスの母ハリエッタ。
「ダリウス……このお嬢様のことは私に任せて、貴方はお父様の元へとご挨拶に伺いなさい。幾日も屋敷を開けたのです。まずはご挨拶が先でしょう? ご安心なさい。彼女のことを粗末に扱うようなことは致しません。それに彼女の待遇を決めるのは当主であるお父様です。貴方ではありません、ダリウス」
「母上まで! 何故そのような冷たい言い方をされるのです!」
「お黙りなさい、ダリウス。これ以上の勝手な振る舞いは許しませんよ。コーディ!」
「はい、奥方様」
「ダリウスを旦那様の元へと案内しなさい。さぁ、稀代の歌姫は私と共にいらしてちょうだい。良いわね?」
唖然とするキャロラインの手を強引に引き、此の場から連れ出す当代公爵夫人ハリエッタ。
有無を言わさない圧力は、さすがは名家の奥方。
ダリウスは仕方なく此の場から離れ、父である公爵ダグラスが待つ書斎へと向かう。
案の定、厳しい苦言を浴びせられる嫡子ダリウスがいる。
幸先は、不穏。
今、この時は。
「1人息子の婚姻だから、もしかしたら父も許してくれるかもしれない。それに……私たちは深く愛し合っている」
僅かな希望と藁にもすがる想いの2人。
グラント公爵家へと向かう馬車の中。
最初こそ楽しげに道中を謳歌していた妻キャロラインだが、グラント公爵邸が間近へと迫るにつれ、次第に口数が減り始める。美しい花の顔には翳りさえ見え隠れする。
夫ダリウスの気のせいではない。
「キャロライン……大丈夫?」
ただ静かに微笑むだけの妻キャロライン。彼女の微かに強張る頬が緊張を物語る。
貴族出身ではない妻キャロラインには、特段厳格な名門グラント公爵家へと入るのは容易ではない。身に受ける重圧も計り知れない。それでも帰途へと向かう馬車へと乗る以前までは、気丈な様子を見せていた。
「ダリウス様……貴方と共にいられるのなら私は大丈夫。それにね……こう見えても私は思う国王夫妻の身前で歌を披露したこともあるのよ」
「そういえば国王陛下が自慢していたよ。美しい歌姫の美声に心が洗われるようだったと……あれは君のことだったんだね? 私のキャロライン……君は本当に素晴らしい人だ。私の愛すべき自慢の奥様だ。それに誰よりも愛らしい」
夫ダリウスを心配させない為か、あの時はそう告げていた妻キャロライン。だが、それが強がりだったことを思い知らされる。なぜなら、妻キャロラインの華奢な手を握り締めれば微かに震えている。
「キャロライン……大丈夫だ。君のことは必ず私が守るよ」
そっと包み込むように抱き締める夫ダリウス。そう告げた彼も愛する妻キャロラインの手を離してしまう事態に追い込まれることになる。
グラント公爵家へと近付くにつれ、翳りを帯びる妻キャロライン。すでに運命を悟っていたのかもしれない。
最初から「この婚姻自体が無謀だった」と思い知らされる羽目になったのは、妻キャロラインよりも夫ダリウスの方だといえる。
◇
崩壊への警鐘は、今この時から始まる。
無事にグラント公爵家へと着いたダリウスとキャロライン夫妻は、早々に当代グラント公爵ダグラスの洗練を受けることになる。
次代のグラント公爵夫妻のとなる2人を出迎えに現れたのは、古くから仕える家令コーディのみ。しかも、彼は嫡子ダリウスのみの出迎えに現れたと言った方が正しい。
居住まいを正す家令コーディは、開口一番にキャロラインへと無情な現実を叩き付ける。
「お帰りなさいませ、ダリウス様。旦那様が書斎でお持ちでございます。すぐに向かわれた方がよろしいかと存じ上げます」
ついでキャロラインをちらりと見る家令コーディ。表情一つ変えない彼だが、その眼差しには侮蔑の色が浮かんでいる。歓迎している様子は伺えない。
あからさまに家令コーディから冷たい視線を向けられるキャロラインは緊張する。身体が強張り、ちくりと胸が痛む。
「お連れのお客様は、当家の客間へとご案内致します。どうぞこちらへ。私がご案内申し上げます。さぁ、ダリウス様。お父上の公爵様をお待たせしてはなりません。これ以上のお怒りは、旦那様のお身体への負担にもなりかねません」
「コーディっ! 口を慎め! 彼女は私の愛する妻で次代公爵夫人だ。当家の客ではない!」
「そう声を荒げるものではありません。やはり……」
一旦言葉を区切る家令コーディは、大きく溜息をついてみせる。キャロラインの心が沈む。
「辺境の地では“稀代の歌姫”と持て囃されておられても当家では通用致しません。所詮は平民。育ちの良くない方とのご縁は、当家自慢の後継ダリウス様にも悪い影響を及ぼしてしまうようで不愉快でございます」
家令コーディは辛辣にキャロラインを批判してみせる。
「コーディ! いい加減にしてくれ! いくらお前でも私の妻を侮辱する行為は許さない!」
声を荒げる嫡子ダリウス。
「ダリウス様!」
家令コーディがピシャリと言葉を遮る。
「僭越ながら申し上げれば……旦那様は今回のダリウス様の勝手な行動には深くお心を痛められておられます。お2人の仲をお認めになられてはおりません」
はっきりと告げる家令コーディは尚も続ける。
「ダリウス様から頂いたお手紙も不快だと申され、すぐさま暖炉へと投げ入れてしまわれました。これで旦那様のお怒りがお分かりになられたことでしょう」
「馬鹿なっ……もう良い! キャロラインは私の居室へと連れて行く。キャロライン、おいで!」
夫ダリウスから延ばされた手をそっと押しやったのは妻キャロライン。
「ダリウス様、どうかお父上であられる公爵様の元へと行って下さい。私は大丈夫ですから……」
「駄目だ、キャロライン! そんな顔の君を一人にするわけにはいかない。君は私の妻だ。誰にも文句は言わせない。父上であろうともだ!」
「だからこそです、ダリウス様。ここでお父上の公爵様に逆らえば、認めてもらえるはずのものも余計に拗れてしまいます。まずは公爵様の元へと行き……それからです。ご心配なさらないで下さい。私は客間でお待ちしておりますから……」
気丈に振る舞う妻キャロライン。静かな声音が余計に痛々しい。
一人にはできない……夫ダリウスにはそう思える。
到着後から既に不穏な雰囲気の中、キャロラインを一人にはできないのは当然。だが、そこへと割って入った者がいる。
いつの間にか静かに歩み寄るのは、当代の公爵夫人にして嫡子ダリウスの母ハリエッタ。
「ダリウス……このお嬢様のことは私に任せて、貴方はお父様の元へとご挨拶に伺いなさい。幾日も屋敷を開けたのです。まずはご挨拶が先でしょう? ご安心なさい。彼女のことを粗末に扱うようなことは致しません。それに彼女の待遇を決めるのは当主であるお父様です。貴方ではありません、ダリウス」
「母上まで! 何故そのような冷たい言い方をされるのです!」
「お黙りなさい、ダリウス。これ以上の勝手な振る舞いは許しませんよ。コーディ!」
「はい、奥方様」
「ダリウスを旦那様の元へと案内しなさい。さぁ、稀代の歌姫は私と共にいらしてちょうだい。良いわね?」
唖然とするキャロラインの手を強引に引き、此の場から連れ出す当代公爵夫人ハリエッタ。
有無を言わさない圧力は、さすがは名家の奥方。
ダリウスは仕方なく此の場から離れ、父である公爵ダグラスが待つ書斎へと向かう。
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