神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

文字の大きさ
104 / 1,238
第二章 聖杯にまつわるお話

第101話

しおりを挟む
 キャンプ場が完成し、一通り遊び倒したことで子供達も落ち着いたようだ。
 今はそれぞれ家族と利用しているらしい、あの日出会った人達も元気だって。
 
 さて

「偽物の聖女よ! 貴様は王妃の座に相応しくない! 今すぐこの地を去るがいい!」

 シャムスにおねだりされて絵本作家のネリちゃんに会いに来たら断罪中だった。
 しかも断罪対象ネリちゃん、シャムスに喧嘩を売ってるのだろうか。

 何かのパーティーの最中だったのか、僕でも知っている重臣の人がそこかしこにいる。
 ネリちゃんは桜をイメージしたアフタヌーンドレスを着ていて、まるで桜の妖精みたいに綺麗だった。

 よくアフタヌーンドレスだと分かったかって?
 黒ちゃんがお嫁さんにドレスを贈る際、一緒にカタログをみたおかげです。でも多分、数日したら忘れる。

 うーん、お茶会か何かのパーティーかな、お庭でやるといえばお茶会の方がイメージ強いけど。
 それにしても旦那さんはどこにいるんだろうか、いると不都合だからいない隙を見計らったんだろうけども。

「神子様」
「いいところに」

 僕に気付いてコソコソと近寄って来たのはレモン外交で何度か顔を合わせたことのある人だった。会う時はいつも冷や汗をかいているから覚えた。
 もう一人はネリちゃんの旦那さんの親族だったかな?
 旦那さんが王座に就いたのをいいことに、自分は夢だった外交官に就任したんだっけ。

「あのアホを止めてください」
「僕が止めたら不敬罪になってしまうんです。こんな事なら継承権残しておけばよかった」

 いやいや僕も一般人だからね?
 腕の中にシャムス抱いている時点で説得力皆無だけど。

「あの偉そうな坊やは誰ですか?」
「先々代の姉が嫁いだ国の王子です、血統は同じだからと偉そうで偉そうで」
「滞在中、何度首を絞めたくなったことか。挙句にあれですよ」

 いや助けなさいよ。

「穏便な方法と権力で潰すのとこの世から退場、どれがいいですか?」
「神子様……しばらく会わない間に物騒になって」
「ちなみに権力をふるうのはどなたですか?」
「あい!」

 腕の中でシャムスが元気よく手を挙げた。付属で兄弟とか近隣のもふもふとか邪神とか呼んでしまうかもしれないけど、権力は持ってるよ!

「退場させるのは?」
「キキ」

 シャムスの真似をしてえっちゃんが触手を伸ばして主張した。
 大丈夫、痛みはないって聞いてます。
 僕が説得に回ったとして、悪意が僕に向いた時点でどちらにしろえっちゃんが動くから同じですよ。

「あの、ネリちゃんが僕に気付いてる気がします」
「本当だチラチラこっち見てますね、話しを聞いてないから余計に怒らせてる」
「もうさ、面倒だから俺らに任せちゃえよ! シャムスのお眠の時間になっちまうだろ!」
「「ひぇ」」

 にゅっと闇から顔を出したイグちゃんに、おっさん二人が抱き合って飛び跳ねた。
 うん、驚くよね。

「ちょっと失礼、来客ですの」

 相手が例え皇帝だろうとも、ネリちゃんにとって最優先すべきはシャムスであり、まして冤罪なら聞く必要もないと判断したようだ。
 王子の話を遮ってこちらにやって来ようとした。

「貴様!! 偽聖女の分際で調子に乗るな!!」
「きゃっ!」

 ドンと、背中を押されたネリちゃんが倒れそうになったけど、ササーっと闇を広げたえっちゃんが素早くキャッチして転倒は免れた。
 ホッとしたけどシャムスはそうじゃなかった。目の前でネリちゃんを害され、頬っぺたを膨らませて怒っています。

 和んじゃいけない、ここで和んだらシャムスの怒りがふわっとしちゃう。でも可愛いっ!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。 一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。 もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。 ルガルは生まれながらに選ばれし存在。 国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。 最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。 一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。 遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、 最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。 ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。 ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。 ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。 そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、 巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。 その頂点に立つ社長、一条レイ。 冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

転生したら神子さまと呼ばれています

カム
BL
佐伯要《さえきかなめ》が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上ではなく知らない世界だった。目の前には見たことのない男の人がいる。彼は聖騎士であり、要の結婚相手だという。 要はこの世界で『神子』と呼ばれる存在だった。 健康な身体を手に入れて喜ぶ要だが、みんなが自分を必要としているのは、神子だからで、本当は結婚相手にも誰にも愛されてはいないのではないかと悩み始める。 愛されたことのない要が本当の愛を手に入れるまでの話。 聖騎士×転生神子 主人公総愛され気味ですが、最終は固定です。 ファンタジー要素強め。不定期更新です。 異世界の話なので、神子や聖騎士、神官、呪術士などの職業は独自の設定になっています。 エピソード0はかなめが目覚める前のアルバート視点の話になっています。 以前書いていた「転生したら神子と呼ばれています」を書き直しました。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるように書いています。 リトとジゼの動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...