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第一章 紡がれる日常
第100話
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食べ終わった所で騎士様は再びイネスとネヴォラに連行された。
「えぇ~、もう完成したんじゃないのぉ?」
「河原忘れてたんよ!」
「流れは緩やかで、水は透き通っているのがいいですね」
「川幅は4~5mぐらいがいいかな、シャムスが流れないように浅瀬と欲しいし、泳ぎたいからそれなりの深さがある場所も欲しい!」
「あとですね、対岸にはお花を植えるので空きスペース欲しいです」
「川の真ん中に石で道を作って左右で深さか水の温度変えるのも面白いかな!」
「カニさんとかもいたら嬉しいです」
「父ちゃんが釣り好きだから川魚も増やしてな!」
「わぁ要望に際限がないや」
二人に左右からしがみ付かれた騎士様がなんだか遠い目をしている。
どんな無茶ぶりを言っているのだろうか、今日もまた魔力枯渇で倒れたら可哀想だから回復料理をドリちゃんにお願いしておこう。
「刀雲はどうするの?」
「チビたちに釣りを教えてくる、まずは釣り竿作りだな」
「うおー! 素材採取クエストー!」
「竹……涼ちゃん、竹増やしたいからちょっと踊ってくれない?」
「さすがの俺も元の植物がないと増やせない」
今日も元気に無茶振りする子供たち、そう言えばさっき朝食のために戻ってきた山賊三人が出発前とは変わってしまった風景に悲鳴を上げてたっけ。
原因はやっぱりあれかな、帝国兄弟が国から持ってきた希少な植物。
「自然薯採れたー!」
「あっちの川にわさびあったよ!」
「レンコン見っけた」
「安納芋あったけどちょっと品質悪い、改良してー」
「ネーブルオレンジに似たのあった、これもー」
「よし、キャンプの邪魔にならない範囲に適当に植えよ!」
「「わぁい」」
涼玉が指令を飛ばすときゃーきゃー言いながら皇子らが散っていき、涼玉の後ろではマールスが魔法陣を描いてそこからマンドラゴラを召喚していた。
バックダンサー?
「仕事、終わらねぇはずだ」
「また増えるんです?」
「でも天然ものじゃないし、どうなんだろ」
「ギルドの指令は周辺の採取物の報告、追加も入るかと」
焚火にあたりながらコソコソする四人、朝の森は冷えたらしく、隙あらば焚火にべったり張り付いている。
「暇なら涼玉様のお役に立つがいい、これを打て」
「へぁ? なんすかこれ」
「叩くってこの白い布を?」
「知ってる、これ太鼓ってやつだ」
「リズムは太鼓が教えてくれる」
「「は?」」
涼玉のためなら何でも利用するマールスが、冒険者の意思を聞かずに神の太鼓を無理やり持たせた。
あれ、自動演奏機能が追加されたから、涼玉が踊り終えるまでひたすら強制的に太鼓を打つ羽目になる体力がない人間には悪夢の楽器なんだよね。
「行くぜ! 大地の踊り!!」
我に返る前に体が勝手に動き、太鼓を叩き始める。
もっとも我に返れた所で抵抗は出来ないんだけどね、自動演奏機能つけたのアー君だから。
力強い太鼓の音に合わせて踊り始める涼玉とマンドラゴラ、きっと四人は焚火にあたっていた事を後悔し始めているだろう、なんせ周囲をぐるぐると人外が踊りながら回り始めたのだから。
ダンスに気付いたイネスとネヴォラが参加すると、我も我もと帝国兄弟と邪神兄弟も踊りだした。
あの四人、神様と邪神の影響受けて、今よりもさらに変な運命を引き寄せる体質になりそうだなぁ。
「えぇ~、もう完成したんじゃないのぉ?」
「河原忘れてたんよ!」
「流れは緩やかで、水は透き通っているのがいいですね」
「川幅は4~5mぐらいがいいかな、シャムスが流れないように浅瀬と欲しいし、泳ぎたいからそれなりの深さがある場所も欲しい!」
「あとですね、対岸にはお花を植えるので空きスペース欲しいです」
「川の真ん中に石で道を作って左右で深さか水の温度変えるのも面白いかな!」
「カニさんとかもいたら嬉しいです」
「父ちゃんが釣り好きだから川魚も増やしてな!」
「わぁ要望に際限がないや」
二人に左右からしがみ付かれた騎士様がなんだか遠い目をしている。
どんな無茶ぶりを言っているのだろうか、今日もまた魔力枯渇で倒れたら可哀想だから回復料理をドリちゃんにお願いしておこう。
「刀雲はどうするの?」
「チビたちに釣りを教えてくる、まずは釣り竿作りだな」
「うおー! 素材採取クエストー!」
「竹……涼ちゃん、竹増やしたいからちょっと踊ってくれない?」
「さすがの俺も元の植物がないと増やせない」
今日も元気に無茶振りする子供たち、そう言えばさっき朝食のために戻ってきた山賊三人が出発前とは変わってしまった風景に悲鳴を上げてたっけ。
原因はやっぱりあれかな、帝国兄弟が国から持ってきた希少な植物。
「自然薯採れたー!」
「あっちの川にわさびあったよ!」
「レンコン見っけた」
「安納芋あったけどちょっと品質悪い、改良してー」
「ネーブルオレンジに似たのあった、これもー」
「よし、キャンプの邪魔にならない範囲に適当に植えよ!」
「「わぁい」」
涼玉が指令を飛ばすときゃーきゃー言いながら皇子らが散っていき、涼玉の後ろではマールスが魔法陣を描いてそこからマンドラゴラを召喚していた。
バックダンサー?
「仕事、終わらねぇはずだ」
「また増えるんです?」
「でも天然ものじゃないし、どうなんだろ」
「ギルドの指令は周辺の採取物の報告、追加も入るかと」
焚火にあたりながらコソコソする四人、朝の森は冷えたらしく、隙あらば焚火にべったり張り付いている。
「暇なら涼玉様のお役に立つがいい、これを打て」
「へぁ? なんすかこれ」
「叩くってこの白い布を?」
「知ってる、これ太鼓ってやつだ」
「リズムは太鼓が教えてくれる」
「「は?」」
涼玉のためなら何でも利用するマールスが、冒険者の意思を聞かずに神の太鼓を無理やり持たせた。
あれ、自動演奏機能が追加されたから、涼玉が踊り終えるまでひたすら強制的に太鼓を打つ羽目になる体力がない人間には悪夢の楽器なんだよね。
「行くぜ! 大地の踊り!!」
我に返る前に体が勝手に動き、太鼓を叩き始める。
もっとも我に返れた所で抵抗は出来ないんだけどね、自動演奏機能つけたのアー君だから。
力強い太鼓の音に合わせて踊り始める涼玉とマンドラゴラ、きっと四人は焚火にあたっていた事を後悔し始めているだろう、なんせ周囲をぐるぐると人外が踊りながら回り始めたのだから。
ダンスに気付いたイネスとネヴォラが参加すると、我も我もと帝国兄弟と邪神兄弟も踊りだした。
あの四人、神様と邪神の影響受けて、今よりもさらに変な運命を引き寄せる体質になりそうだなぁ。
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