110 / 619
第二章 聖杯にまつわるお話
第107話
しおりを挟む
タイガが作ってくれた渾身の一作。
夕食後、刀雲と騎士様にお披露目して、じゃあ食べようか。となった所で問題が起こった。
「これだけ出来がいいと逆に食べにくいな」
「イネスなんてキャンディーで尻尾の炎まで再現されてるもんね」
そう、子供たちが可愛すぎて食べられないという問題。
「刀雲とりあえずこっちのミニキッズがいない場所から切っていこう」
「お、おう」
いざナイフを入れようと刀雲が決心したその瞬間、悲劇は起こった。
フルーツタワーが皆の前から消え失せたのです。
「もう一個食べたい」
うっとりと目を細める邪神、固まる周囲。
子供たちの楽しみを食べる直前、それも目の前で奪う――さすが邪神。じゃないですよ!!
「神薙さん、独り占めはダメだっていつも言ってるでしょう!」
「奪い合って喧嘩するよりはいいと思った」
邪神の慈悲だと本人は自供しております。
ギャン泣きする子供達、遊びに来たのが一歩遅れて写メを取り損ねた春日さん、子供達をあやせばいいのか、邪神を叱ればいいのか悩んでオロオロする騎士様。
カオスな状況を生み出した元凶は、今がチャンスとばかりに並べられたデザートを片っ端から食べていく。
「あ、こらーー!」
気付いて止めたらスピードが上がっただと!?
「騎士様、あっち、神薙さんを止めてください!!」
「え、神薙!? あーあーあーあーあー!」
「食器まで食われたぁぁ」
アー君の一言に改めてテーブルの上を見れば、確かに何も残っていない、綺麗なお皿一つ残っていないですね。
「神薙止まろう、一回止まろう!」
主の言葉が聞こえないようだ、全力でスルーして食べ続けている!
このままじゃドリちゃんが張り切って作った子供たちのためのデザートが、一口も食べずに終わってしまう、なんとか、なんとかしないと!
でも夕食終わってるから食べる物なんてもう何も……いや、ある。
「アー君、庭に氷の柱!」
「おう! ついでにこれもくれてやるっ、聖剣!!」
夜の帳が下りた庭に聖なる光を放つ剣がぶっ刺さり、それを中心に巨大な氷の柱が出現した。
「神薙さん締めのお時間ですよ!」
「!!」
邪神が庭の聖なるおやつに気付いた! 目をカッと見開くと庭に飛び出して氷を攻撃を始めた!
氷に噛みついたまま素手で殴りつけているんだけど、あれ若干正気失ってません? 怖っ。
「刀雲、デザート残ってる?」
「……キャラメル酒粕ジャム」
微妙なものが残った。
いや、それだけ残ってもどうしようもないような。
考えた末、アイスを出してもらってジャムをかけて食べました。
夕食後、刀雲と騎士様にお披露目して、じゃあ食べようか。となった所で問題が起こった。
「これだけ出来がいいと逆に食べにくいな」
「イネスなんてキャンディーで尻尾の炎まで再現されてるもんね」
そう、子供たちが可愛すぎて食べられないという問題。
「刀雲とりあえずこっちのミニキッズがいない場所から切っていこう」
「お、おう」
いざナイフを入れようと刀雲が決心したその瞬間、悲劇は起こった。
フルーツタワーが皆の前から消え失せたのです。
「もう一個食べたい」
うっとりと目を細める邪神、固まる周囲。
子供たちの楽しみを食べる直前、それも目の前で奪う――さすが邪神。じゃないですよ!!
「神薙さん、独り占めはダメだっていつも言ってるでしょう!」
「奪い合って喧嘩するよりはいいと思った」
邪神の慈悲だと本人は自供しております。
ギャン泣きする子供達、遊びに来たのが一歩遅れて写メを取り損ねた春日さん、子供達をあやせばいいのか、邪神を叱ればいいのか悩んでオロオロする騎士様。
カオスな状況を生み出した元凶は、今がチャンスとばかりに並べられたデザートを片っ端から食べていく。
「あ、こらーー!」
気付いて止めたらスピードが上がっただと!?
「騎士様、あっち、神薙さんを止めてください!!」
「え、神薙!? あーあーあーあーあー!」
「食器まで食われたぁぁ」
アー君の一言に改めてテーブルの上を見れば、確かに何も残っていない、綺麗なお皿一つ残っていないですね。
「神薙止まろう、一回止まろう!」
主の言葉が聞こえないようだ、全力でスルーして食べ続けている!
このままじゃドリちゃんが張り切って作った子供たちのためのデザートが、一口も食べずに終わってしまう、なんとか、なんとかしないと!
でも夕食終わってるから食べる物なんてもう何も……いや、ある。
「アー君、庭に氷の柱!」
「おう! ついでにこれもくれてやるっ、聖剣!!」
夜の帳が下りた庭に聖なる光を放つ剣がぶっ刺さり、それを中心に巨大な氷の柱が出現した。
「神薙さん締めのお時間ですよ!」
「!!」
邪神が庭の聖なるおやつに気付いた! 目をカッと見開くと庭に飛び出して氷を攻撃を始めた!
氷に噛みついたまま素手で殴りつけているんだけど、あれ若干正気失ってません? 怖っ。
「刀雲、デザート残ってる?」
「……キャラメル酒粕ジャム」
微妙なものが残った。
いや、それだけ残ってもどうしようもないような。
考えた末、アイスを出してもらってジャムをかけて食べました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
111
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる