130 / 620
第二章 聖杯にまつわるお話
第127話
しおりを挟む
やって参りました帝国スラム。
「第二回、スラムで人狩り行こうか」
「人畜無害な僕らのぺかぁを受けるがいいです!」
『心の闇を解決しちゃうの』
二回目ともなると付添人も大分慣れ、教会と冒険者、商業ギルドの連携もスムーズ。
しかも前回の噂を聞いた何人かが自主的に近付いて来て、食事を取りながら今後の話を素直に聞いてくれるので説明担当の方もやりやすそうです。
しかも何と今回は帝国の現役騎士が有志で参加、リーダーは何と皇帝の忠臣である氷の騎士さん!
皇帝が人間から離れつつあるのを懸念し、思い切ってアー君親衛隊に頭を下げて期間限定参加、先輩達に扱かれて魂を研磨、何かいい感じに人離れ出来たそうです。
……あの中にいたの?
アー君をブラッシングしたり、ご飯食べさせたりすることに望外の喜びを感じますと真顔で言っちゃうあの集団に!?
知らなかったわー。
「アー君知ってた?」
「知らんかった……」
お世話されている当人も知らなかったようです。
確か彼の所持武器は稲刈り大会で押し付けられた特殊な武器だったかな?
「どんな武器だっけ?」
「流す属性によって性質が変化する感じ」
そうだった。
「会ったら新しい属性か何か与えようと思ってたのに、まさか俺の近くにいたとは……アイツらの隠蔽魔法の技術が確実に上がってる気がする」
「個性を消しすぎて返ってそれが個性になってるよね」
もちろん今回の人狩りじゃなくて……えー、保護活動?にも隠蔽魔法を使って大活躍している。
スラムは犯罪者が隠れているのが定石だからね、物のついでに捕まえたり追い込めば、光り輝く神獣がぺかぁっとしてくれます。
前回のスラム強襲では白くなりすぎて廃人になった人が多数、でもその犠牲のお陰でうちの子の技術も上がって今回は犠牲が少なそうです。
ああ光と同時に悲鳴が聞こえてくる。まだ始まって数分しか経ってないのになぁ。
「この子達の保護をお願いします」
慈愛に満ち溢れた微笑みでシヴァさんが現れた。
その周囲には幼児から少年までいるけど当然のように男の子ばかりです、女の子が少ない世界設定だからここにはいないのか、いてもスルーしてきたのかどっちだろうか。
保護した子供達を預けると、次の子を探しに行ってしまった。
生き生きしているよあのショタ守護神。
「……あ、あの」
「なにかな?」
神様の無茶ぶりに慣れた教会関係者が少年らに食事をさせるために誘導を始めたら、集団から抜け出した子が僕に話しかけてきた。
「妹も、助けて」
スルーの方だった!
「まだ赤ん坊なんだ、です、一人にしたら、母さんに売られるっ」
生憎この世界に少女を守る神様は存在しない、一番近い存在が男女関係なく子供を守護するヘラ母さんになるんだよね。
なのでここで僕がすべきはヘラ母さんの召喚。
「忙しいのは分かっているけど、ヘラ母さん助けて!」
「あいよ」
呼んだら秒できた。
どうやら食事の用意をしていた所だったようで割烹着を着ている。忙しいのにありがとう。
事情を説明したら翼を出し、少年を抱えて妹ちゃんの所まで飛んで行った。
さすがヘラ母さん頼もしいなぁ、それにしても翼が銀色に輝いていたのは気のせいだろうか、もしやヘラ母さん何気に進化した?
「第二回、スラムで人狩り行こうか」
「人畜無害な僕らのぺかぁを受けるがいいです!」
『心の闇を解決しちゃうの』
二回目ともなると付添人も大分慣れ、教会と冒険者、商業ギルドの連携もスムーズ。
しかも前回の噂を聞いた何人かが自主的に近付いて来て、食事を取りながら今後の話を素直に聞いてくれるので説明担当の方もやりやすそうです。
しかも何と今回は帝国の現役騎士が有志で参加、リーダーは何と皇帝の忠臣である氷の騎士さん!
皇帝が人間から離れつつあるのを懸念し、思い切ってアー君親衛隊に頭を下げて期間限定参加、先輩達に扱かれて魂を研磨、何かいい感じに人離れ出来たそうです。
……あの中にいたの?
アー君をブラッシングしたり、ご飯食べさせたりすることに望外の喜びを感じますと真顔で言っちゃうあの集団に!?
知らなかったわー。
「アー君知ってた?」
「知らんかった……」
お世話されている当人も知らなかったようです。
確か彼の所持武器は稲刈り大会で押し付けられた特殊な武器だったかな?
「どんな武器だっけ?」
「流す属性によって性質が変化する感じ」
そうだった。
「会ったら新しい属性か何か与えようと思ってたのに、まさか俺の近くにいたとは……アイツらの隠蔽魔法の技術が確実に上がってる気がする」
「個性を消しすぎて返ってそれが個性になってるよね」
もちろん今回の人狩りじゃなくて……えー、保護活動?にも隠蔽魔法を使って大活躍している。
スラムは犯罪者が隠れているのが定石だからね、物のついでに捕まえたり追い込めば、光り輝く神獣がぺかぁっとしてくれます。
前回のスラム強襲では白くなりすぎて廃人になった人が多数、でもその犠牲のお陰でうちの子の技術も上がって今回は犠牲が少なそうです。
ああ光と同時に悲鳴が聞こえてくる。まだ始まって数分しか経ってないのになぁ。
「この子達の保護をお願いします」
慈愛に満ち溢れた微笑みでシヴァさんが現れた。
その周囲には幼児から少年までいるけど当然のように男の子ばかりです、女の子が少ない世界設定だからここにはいないのか、いてもスルーしてきたのかどっちだろうか。
保護した子供達を預けると、次の子を探しに行ってしまった。
生き生きしているよあのショタ守護神。
「……あ、あの」
「なにかな?」
神様の無茶ぶりに慣れた教会関係者が少年らに食事をさせるために誘導を始めたら、集団から抜け出した子が僕に話しかけてきた。
「妹も、助けて」
スルーの方だった!
「まだ赤ん坊なんだ、です、一人にしたら、母さんに売られるっ」
生憎この世界に少女を守る神様は存在しない、一番近い存在が男女関係なく子供を守護するヘラ母さんになるんだよね。
なのでここで僕がすべきはヘラ母さんの召喚。
「忙しいのは分かっているけど、ヘラ母さん助けて!」
「あいよ」
呼んだら秒できた。
どうやら食事の用意をしていた所だったようで割烹着を着ている。忙しいのにありがとう。
事情を説明したら翼を出し、少年を抱えて妹ちゃんの所まで飛んで行った。
さすがヘラ母さん頼もしいなぁ、それにしても翼が銀色に輝いていたのは気のせいだろうか、もしやヘラ母さん何気に進化した?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
111
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる