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第三章 世界に降りかかる受難

第502話

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 起きたらびっくり、小さくなっていた樹です!
 そっか、小さくなっていたのか、世界が巨大化したのかと思ってたー。

 巨人の世界を体験出来るってことかな、あとでお散歩に行かなければっ!

『まま』
「しゃむす」
「かあちゃが同じサイズ? いやちょっと大きい? んぇ?」
「刀雲、あの樹は幾つぐらい?」
「多少舌足らずだが喋れるし、自分で歩いて移動できる。三才ぐらい、か?」
「うちって普通に成長する子供いないもんね、しかも元が日本人だから一般より小さいっ」
「あきゃきゃきゃきゃ」

 騎士様変な顔ー。

「しかも精神が体に引っ張られて退行しているみたい、ご飯食べて精神を落ち着けて改めて確認しよう」
「そうだな、イツキおいで、ご飯にしよう」
『ご飯食べるの』
「そうだな、まずは飯だ。イネスも戻ってこい」
「はっ、意識が飛んでいました!」
「いねすー」
「はい!」
「抱っこ」
「抱っこ、ママを抱っこ、ハイ喜んで!!」

 イネスがピカッと光ったと思ったら大型犬ぐらい大きくなって、僕を抱きしめてくれた。
 胸の毛並みがふわふわー、幸せ。

「なんかちあう」
「違いますね、私もだいぶ動揺しているみたいです」

 混乱中のイネスはそのまま二本足で立ちあがり、僕を刀雲の所まで運んでくれた。
 にゃんこ系に抱っこされる僕、これはこれでよし。
 
 刀雲の腹筋を背もたれに朝食をいただきます。
 小さくなった手では箸を使えないのでスプーン、異世界っぽい。
 でも手が小さくなってるから食べにくいかな?

「パパ、ママお口の周りべしょべしょです」
「分かったイネスありがとう。イツキ、拭くからじっとして」
「んあー」

 ご飯をある程度食べたら眠くなってきた。

「こら寝るな、まだ半分しか食べてないだろう」
「やっ」
「どうしよう刀雲、有給申請通るかな??」
「今の時期に有給取ったら文官に殺されるぞ」
「ママ寝そうです」
『ママあと一口あーん』
「俺も俺も」
「やーん」

 眠いからもう食べたくないの、なんで皆して食べさせようとするの?

「樹の遺伝子全く仕事してないっていつも思っていたけど、中身が似てたんだね、今知った」
「……えっちゃん、イツキがどんな動きをするか分からない、大変だと思うが頼んだぞ」
「キキ!」
「あぁもう仕事に行く時間っ」
「俺は登校時間ギリギリにする。パパいってらっしゃい」
『おにいちゃん呼ぶの、常に周りをもふもふで固めるのよ』
「ママがこの状態だとメニュー画面使えないかもですね」
「もうメニューは決まったから大丈夫だろ、いざとなったら俺がロデオする」

 朝のざわめきをBGMに僕は寝ます。
 ぐーー。
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