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巡り合い
第519話
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ざわりと広間の空気が揺れる。
「神薙様御一家が入場されます」
国王様や双子が出入りする扉が開かれ、神薙さん達が再入場してきた。
ご機嫌だと一目でわかるほど御一家の皆さんにっこにこ。
神薙さんは髪に合わせた碧色をベースに、竹林や桜、神社が描かれている。
もしやあれは神薙さんの神社と和街を描いたのかな?
普段から着物を着ているだけあって着こなしも完璧、動作の優美さの一割でいいから女神様に見習ってほしいぐらいです。
白ちゃんの伴侶であるエヴァ君は白に海と庵。
黒ちゃんのお嫁さんは黒に炎と魔物。
翡翠君は翡翠に牡丹を始めとした大輪の花々。
ナーガは蒼、背中の中央に太陽を置き、太陽を称えるように生い茂る稲穂。
ヨムちゃんは真紅に金色で派手な花が咲き乱れている。
ヨムちゃんの着物が他の誰より派手、静々出来る子ではないのですでに着物が乱れている。
「ママーー!」
「似合うよ! うん、似合う似合う」
その派手さを着こなせるのは邪神一家ではヨムちゃんぐらいかな?
「よく見てくれ、この花、一個一個から耳が見えてるんだ!」
「うぅん?」
『見せてー』
「どれどれ」
「おっ、このうさ耳はイツキだな」
『僕もいたよ、ピンクのお花から出てる黒い耳』
「こっちのド派手な金色の花から出てる尻尾はイネスだな」
「っみゅ!」
なんて細かい、そして憎い演出。
「イツキ、エヴァのは庵の所に俺とエヴァがいるんだ!」
エヘンエヘンと自慢する白ちゃんに言われて見ると、確かに小さく寄り添う人と蛇がいた。
「私まで貰って良かったのでしょうか」
今にも倒れそうな表情で呟いたのは黒ちゃんのお嫁さん。
「大丈夫、似合っているわ。下を向いてはだめよ、もっと顎を上げなさい」
「は、はい」
ネリちゃんナイスフォロー!
一人だけ絵柄が物騒だけど、黒ちゃんの環境に合わせた絵柄だからなぁ。
「マシューはどこでしょう、褒め称えてもらいたいのですが」
『お庭かなぁ?』
「庭だろうなぁ」
「鉄板焼きが食べれるって目を輝かせてたから間違いないかな」
アカーシャの言葉に一つ頷くと、ナーガは無言でシャムスを抱き上げた。
『ナーガ似合ってる』
「ありがとうございます」
「背中の太陽はシャムスか、これよく見たら水田や茶畑もあるぞ」
『あのね、涼ちゃんの力で豊作なの、お疲れしてなぁい?』
「シャムス様に美味しいものを届けるためです、問題ありませんよ」
額を合わせてにこにこお話しする二人が可愛い。
ナーガは本当にシャムスが好きだよなぁ。
「周防、動きにくい、なぜみな平気なんだ」
「気分悪くなる前に言え、着付けは出来るから緩めてやる」
「たのむ」
ぎこちない動きで愚痴る翡翠君を周防くんが慰めている。
あの二人、同じ苦労をする者同士で友情が成立してるんだよね、いい事だと思う、そのまま周防くんには情操を育ててほしいな。
「主様どう?」
「神薙、似合ってるよ」
「見事だな、レイアにも一つ欲しい」
「やめてくれ、とっさに動けない装備は苦手なんだよ」
神薙さんは権力トップクラスに囲まれ、それを遠巻きに人間が眺めている。
「あれ、竹林の中を銀狼が走ってる」
「桜の下で寝てるのシャムス達じゃねぇか?」
騎士様とレイアさんが何かを見つけたらしく、神薙さんの着物をじっくりと観察し始めた。
「イツキ、欲しければプレゼントするぞ?」
「いらないかなぁ、動きにくそう」
「そうか、今日のポンチョも似合っている」
アランに頭をもふっとされた。
………………あ、ああああああああ!!!
白兎ポンチョ着てたの忘れてたぁぁああ!!
「神薙様御一家が入場されます」
国王様や双子が出入りする扉が開かれ、神薙さん達が再入場してきた。
ご機嫌だと一目でわかるほど御一家の皆さんにっこにこ。
神薙さんは髪に合わせた碧色をベースに、竹林や桜、神社が描かれている。
もしやあれは神薙さんの神社と和街を描いたのかな?
普段から着物を着ているだけあって着こなしも完璧、動作の優美さの一割でいいから女神様に見習ってほしいぐらいです。
白ちゃんの伴侶であるエヴァ君は白に海と庵。
黒ちゃんのお嫁さんは黒に炎と魔物。
翡翠君は翡翠に牡丹を始めとした大輪の花々。
ナーガは蒼、背中の中央に太陽を置き、太陽を称えるように生い茂る稲穂。
ヨムちゃんは真紅に金色で派手な花が咲き乱れている。
ヨムちゃんの着物が他の誰より派手、静々出来る子ではないのですでに着物が乱れている。
「ママーー!」
「似合うよ! うん、似合う似合う」
その派手さを着こなせるのは邪神一家ではヨムちゃんぐらいかな?
「よく見てくれ、この花、一個一個から耳が見えてるんだ!」
「うぅん?」
『見せてー』
「どれどれ」
「おっ、このうさ耳はイツキだな」
『僕もいたよ、ピンクのお花から出てる黒い耳』
「こっちのド派手な金色の花から出てる尻尾はイネスだな」
「っみゅ!」
なんて細かい、そして憎い演出。
「イツキ、エヴァのは庵の所に俺とエヴァがいるんだ!」
エヘンエヘンと自慢する白ちゃんに言われて見ると、確かに小さく寄り添う人と蛇がいた。
「私まで貰って良かったのでしょうか」
今にも倒れそうな表情で呟いたのは黒ちゃんのお嫁さん。
「大丈夫、似合っているわ。下を向いてはだめよ、もっと顎を上げなさい」
「は、はい」
ネリちゃんナイスフォロー!
一人だけ絵柄が物騒だけど、黒ちゃんの環境に合わせた絵柄だからなぁ。
「マシューはどこでしょう、褒め称えてもらいたいのですが」
『お庭かなぁ?』
「庭だろうなぁ」
「鉄板焼きが食べれるって目を輝かせてたから間違いないかな」
アカーシャの言葉に一つ頷くと、ナーガは無言でシャムスを抱き上げた。
『ナーガ似合ってる』
「ありがとうございます」
「背中の太陽はシャムスか、これよく見たら水田や茶畑もあるぞ」
『あのね、涼ちゃんの力で豊作なの、お疲れしてなぁい?』
「シャムス様に美味しいものを届けるためです、問題ありませんよ」
額を合わせてにこにこお話しする二人が可愛い。
ナーガは本当にシャムスが好きだよなぁ。
「周防、動きにくい、なぜみな平気なんだ」
「気分悪くなる前に言え、着付けは出来るから緩めてやる」
「たのむ」
ぎこちない動きで愚痴る翡翠君を周防くんが慰めている。
あの二人、同じ苦労をする者同士で友情が成立してるんだよね、いい事だと思う、そのまま周防くんには情操を育ててほしいな。
「主様どう?」
「神薙、似合ってるよ」
「見事だな、レイアにも一つ欲しい」
「やめてくれ、とっさに動けない装備は苦手なんだよ」
神薙さんは権力トップクラスに囲まれ、それを遠巻きに人間が眺めている。
「あれ、竹林の中を銀狼が走ってる」
「桜の下で寝てるのシャムス達じゃねぇか?」
騎士様とレイアさんが何かを見つけたらしく、神薙さんの着物をじっくりと観察し始めた。
「イツキ、欲しければプレゼントするぞ?」
「いらないかなぁ、動きにくそう」
「そうか、今日のポンチョも似合っている」
アランに頭をもふっとされた。
………………あ、ああああああああ!!!
白兎ポンチョ着てたの忘れてたぁぁああ!!
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